祐真朋樹|かっこいい男の定義 第7回 祐真朋樹×沖野修也
Lounge
2015年5月11日

祐真朋樹|かっこいい男の定義 第7回 祐真朋樹×沖野修也

祐真朋樹|かっこいい男の定義

第7回 祐真朋樹×沖野修也

──沖野さんのソロアルバムのスタイリングももちろん祐真さん担当ですね。

沖野 祐真さんには撮影で何度か声をかけていただいたり、僕がやっていた「コズミックビレッジ」というユニットのスタイリングをお願いしていました。それでソロを出すなら祐真さんしかあり得ないと思っていました。

祐真 沖野さんのこの仕事をする前に、音楽ファッション誌の「メンズ・ファッジ」という雑誌の仕事を沖野さんに紹介していただいて、沖野さんと何度かメールのやりとりをしたんですね。その中で提案したスタイリングの中に気に入ったものがあって、アルバム『UNITED LEGENDS』の撮影では、ボータイと革ジャンのスタイリングに決めました。

沖野 モンドグロッソのときも一度スタイリングをお願いしたんですが、僕は祐真さんのスタイリングしかチェックしていないんです。

──沖野さんご自身からアルバムの紹介をぜひ。

沖野 普通、ソロ・アルバムというのはスケールダウンしがちなんですね。ロックバンドのリーダーがリリースするソロ・アルバムなどを聴いても。僕はKyoto Jazz Massiveというユニットをやっていますが、一人で演ってもそのスケール感は出したかったんです。そのために全曲自分でメロディを書いて、10人のヴォーカリストと10人のトラックメーカーに発注しました。

祐真 沖野さんは今回「作曲家宣言」をされていて自分で曲をつくっているんですが、すごくクラシックな部分とジャズの部分をうまくクロスオーヴァーさせていて面白いアルバムになっていると思います。

沖野 しかも僕、今回はメールのやりとりだけでつくっているんですよ。最終的にストリングスまで数えたら総勢96名が関わっていて、ソロという名の超ビッグプロジェクトなんですが、完成まで誰にも会っていないんですよ。

──え? メールだけですか?

沖野 もちろん誰にも会いたくないわけじゃないですよ。ただ、ものをつくるプロセスでメールのやりとりは重要だったんです。やりたいことを明確にするには。僕のつくったメロディが一つのメッセージで、それに対してヴォーカリストやトラックメーカーたちがどう反応してくれるか。祐真さんともその雑書の対談というカタチのメールのやりとりのなかで僕は反応したことに、祐真さんがまた反応してくれたということです。

祐真 メール書簡のようなカタチで2、3回やりとりしましたね。

──じゃあ、アルバムの制作過程の現場で会ったのは祐真さんだけ?

沖野 そうですね(笑)。今考えてみれば。そういうやり方で一枚音楽をつくるのも面白いんじゃないかと。これまでの制作は友人の友人の友人とかと一緒なので、意志の疎通は図れるし、いいものができるんですけど、もうそれはやってきていますからね。ソロはトライでもあるので、制作方法のアプローチも変えてみたいと思ったんです。これまでもミュージシャンが集まってジャズの一発生録りなど体験してきていて、その感動にはどうしてもかなわないんですよ、カタルシスみたいなものには。

フォトグラファー 須田 誠 写真展 @ test原宿

photo by FUKUDA Emiko

それなら思い切って誰にも会わずに、どこまでエモーショナルな音楽になるのかという実験でもあったんです。僕の頭の中でつくったメロディを、歌いやすいようにカラオケのトラックにしてヴォーカリストに送って、ヴォーカルを録音したら、それをまたメールでプロデューサーに送って、歌だけ残してバックを全部取り替えてそれをまたメールで送り返してもらうという。

──じゃあ、アルバムの制作過程の現場で会ったのは祐真さんだけ?

沖野 そうですね(笑)。今考えてみれば。そういうやり方で一枚音楽をつくるのも面白いんじゃないかと。これまでの制作は友人の友人の友人とかと一緒なので、意志の疎通は図れるし、いいものができるんですけど、もうそれはやってきていますからね。ソロはトライでもあるので、制作方法のアプローチも変えてみたいと思ったんです。これまでもミュージシャンが集まってジャズの一発生録りなど体験してきていて、その感動にはどうしてもかなわないんですよ、カタルシスみたいなものには。それなら思い切って誰にも会わずに、どこまでエモーショナルな音楽になるのかという実験でもあったんです。僕の頭の中でつくったメロディを、歌いやすいようにカラオケのトラックにしてヴォーカリストに送って、ヴォーカルを録音したら、それをまたメールでプロデューサーに送って、歌だけ残してバックを全部取り替えてそれをまたメールで送り返してもらうという。

──すごい。

沖野 実はこれは初のソロ・アルバムで、来年40になるんです。ハタチのときにDJになると決めて、30歳で会社を設立してと、10年毎に節目があるんですよ。それで40歳になるまでの音楽のキャリアの中で一つかたちにしたいなという思いがあったんですね。

祐真 沖野さんは着実じゃないですか。予定通りですね。

【Kyoto Jazz Massive】
沖野修也と沖野好洋の兄弟DJユニット。90年代初頭にDJユニット“KYOTO JAZZ MASSIVE”を結成。10年以上に渡り日本のジャズ/クロスオーバー・シーンを支え、同時に海外進出も成功させる。詳しくはwww.kyotojazzmassive.com/

フォトグラファー 須田 誠 写真展 @ test原宿

photo by FUKUDA Emiko

──お二人は京都の共通の知人とかたくさんいるんでしょうね。

祐真 メトロってクラブがあるんですけど、そこで田中知之さんとか、沖野さんもそこにいたって聞いています。僕は、メトロ、ガーデンあたりで止まってますけど。

沖野 ほかには大沢伸一さん、屋敷豪太さん、ボアダムスのEYEさん、歌手のUAさん、ボニーピンクさんなど京都は音楽人間が多いですね。

祐真 大沢さんは京都の洋服屋で働いていて、僕そこで服を買ってましたからね。その次に大沢さんに会ったのは伊勢丹でギター弾きながら歌っているときで、見たことある人だなぁ(笑)って。最近は京都帰ってますか?

沖野 月に1回、京都に新しくできたキャバレーってレストランバーでDJをしているんですよ。「フューチャー・ジャズ喫茶」というイベントを。

祐真 それはどこにあるんですか。

沖野 エンパイヤビルです。木屋町上ルの。

祐真 そのビルの5階にBauhausっていうクラブがあったんですよ。

沖野 ありましたね。

祐真 そこで働いていたんですよ、僕。

沖野 ほんまに!? 僕、行ってましたよBauhaus。

祐真 兄貴の友達がオーナーで、手伝ってくれって言われて、それがキャッチのアルバイトで(笑)。当時、チャイナ・エキスプレスが全盛の頃で、BauhausはTooLSをイメージしているっていう天井の低い店だったんです。団体客の幹事を狙って捕まえるんですよ。一人連れてきたら500円って約束で、最高は1日280人。

沖野 すごいですね。いいバイトじゃないですか。

祐真 あいつだけ儲けてるよって、他のスタッフからクレーム入ってそれはなくなったんですけど(笑)。

沖野 京都は知らない人にはよそよそしいですが、一回知り合いになるとグッと深いつきあいができるところですよね。

【京都CLUB METRO】
1990年にオープンした京都川端丸太町にある老舗クラブ。www.metro.ne.jp/

【京都チャイナ・エクスプレス】
木屋町・親不孝通にあったディスコ

SHUYA OKINO
『UNITED LEGENDS』
沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)全曲作曲。初のソロ・アルバムにして、10人の大物ヴォーカリストと、10人の大物トラックメーカーをフィーチャーしたクロスオーバー/クラブ・ジャズの最高傑作!!
スタイリング/撮影:祐真朋樹

GENEON / GNCL-1097
3,150yen(w/tax)

UNITED LEGENDS / SHUYA OKINO

01. THANK YOU feat. NAVASHA DAYA for FERTILE GROUND
Sound produced by KYOTO JAZZ MASSIVE

02. SHINE feat. DIVINITI
Sound produced by DJ KAWASAKI

03. IF IT IS LOVE feat. CLARA HILL
Sound produced by PIRAHNAHEAD

04. SUMMER LOVE fear. NICKY GUILAND for HEAVY
Sound produced by SEIJI for BUGZ IN THE ATTIC

05. LOVE IS THE KEY feat. JOSH MILAN for BLAZE
Sound produced by PHIL ASHER

06. A MILLION TEARS feat. COURTNEY DENNIE
Sound produced by DA LATA

07. TURN IT UP feat. MELISSA BROWNE
Sound produced by AFRONAUGHT for BUGZ IN THE ATTIC

08. PIECES OF YOU feat. YUKIMI NAGANO
Sound produced by DEGO+AKWASI for 2000BLACK

09. BEAUTIFUL SADNESS feat. CARLEEN ANDERSON
Sound produced by DOMU

10. WHAT WOULD I DO WITHOUT YOU? feat. VIKTER DUPLAIX
Sound produced by MARK DE CLIVE-LOWE

           
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