アウディが提案する新型SUV「TTオフロードコンセプト」|Audi
CAR / MOTOR SHOW
2014年12月24日

アウディが提案する新型SUV「TTオフロードコンセプト」|Audi

Audi TT Offroad Concept|アウディ TTオフロードコンセプト

アウディが提案する新型SUV「TTオフロードコンセプト」

アウディAGは、北京モーターショーにてあらたなSUVコンセプトである「アウディTTオフロードコンセプト」をワールドプレミアした。

新型TTをベースにしたSUVのコンセプト

事前にスケッチが公開されていた新SUVが、中国で開幕した北京モーターショーで公開された。アウディ「TTオフロードコンセプト」は、その名の通り、3月にジュネーブモーターショー3代目がワールドプレミアされたばかりのTTシリーズに属するコンパクトなSUVモデル。TTモデルのもつスポーティさとアウディのSUVの力強さを表現したモデルだという。

スタイリングは各部にTTの面影を残しており、それはとくにサイドビューに強く反映されている。例えばウィンドの前後高さ比を3:7とすることで、スポーティクーペのようなラインを形成。ルーフの輪郭などまさにTTを彷彿させるものとなっている。

ボディサイズは、全長4.39×全幅1.85メートル、ホイールベース2.63メートルと公表されており、ほぼアウディ「Q3」と同等。しかし全高1.85メートルは、Q3よりも8cmほど低く抑えられているという点からも、このモデルがTTクーペをベースとしたデザインであることが伺える。

フロントマスクは、鋭い眼差しのようなマトリックスLEDヘッドライトに挟み込まれるように、アウディのアイコンであるシングルフレームグリルが、ボディに彫り込まれたように収まる。フロントグリル下には、エアインテークが設けられているが、これには内部にフロントアクスルのダウンフォースを向上させるエアブレードを装備。フラットなデザインのインテークは、よりTTオフロード コンセプトをワイドに見せるものでもある。ハッチスタイルながらもスッキリとデザインされたリアまわりも、新型TTの面影を強くかんじるところのひとつだ。

Audi TT Offroad Concept|アウディ TTオフロードコンセプト

アウディが提案する新型SUV「TTオフロードコンセプト」 (2)

先進のドライバーアシストシステムを搭載

4人乗りとなるインテリアは、サポート性にすぐれたヘッドレスト一体型スポーツシートを装備。デザインの要となるアイデンティティは、TTとQシリーズから多くを継承している。

スポーティなテイストはTTからのディテールが反映されているが、頑丈なイメージのドアハンドルやセンターコンソールなどユーティリティなどは、より機能性を追求したQシリーズからインスピレーションを受けたものである。

メーターには、高画質3D対応の12.3インチTFTディスプレイを採用した“アウディ バーチャルコクピット”が採用されているのが特徴。ボタン操作ひとつで、さまざまな表示切換が可能だ。センターコンソールはリアシートまで延長されており、カップホルダーや小物入れ、携帯電話の充電車両接続システムなども備わるなど、プライベートな空間となっている。 またインターネット可能な3台のスマートディスプレイも搭載するなど、最新のインターフェイスも備える。これらのディスプレイは、高温となる車内での耐久性も考慮され設計されているほか、各席に専用の収納スペースも設けており、キャビンの快適性を損なわぬように配慮されている。

今回、搭載された装備の中で、注目したいのがあらたなドライバーアシストシステムだ。

交差点アシストシステムは、交差点や車線が合流する場所でドライバーに注意を促し、横から接近する車両との衝突を未然に防ぐというもの。車両にそなわるレーザーセンサーとワイドアングルカメラが車両前方と左右方向をつねに監視しており、システムが横からの接近した車両との衝突を予測すると、警告を表示してくれる機能だ。こちらはもう市販化直前まで開発が進んでいるという。

もうひとつは、オンライン信号情報システム。車両と市街地の信号機を制御している中央制御室のコンピューターとを、携帯電話を介して接続し、次の信号を青で通過するために適切な速度を指示してくれるという機能だ。また停車時には青信号への切り替わりまでの時間も教えてくれる。

Audi TT Offroad Concept|アウディ TTオフロードコンセプト

アウディが提案する新型SUV「TTオフロードコンセプト」 (3)

前後分離されたあらたなハイブリッド パワートレーン

パワートレインは、プラグインハイブリッドシステムを採用。システム全体の最大出力は300kW(408ps)、最大トルク650Nmを発揮する。その結果、0-100?/h加速は5.2秒。最高速度はリミッターが作動する250km/hまでスムーズに到達するという。もちろん環境性能も優れており、平均燃費はわずか1.9ℓ/100km(52.63km/ℓ)、CO2排出量もたった45g/kmである。走行可能距離は、電気のみで最大50km。ハイブリッドでは最大880kmまで可能とした。

搭載されるエンジンは、最高出力215kW(292ps)、最大トルク380Nmを発揮するパワフルな2.0リッターのTFSIユニットを選択。これに最高出力40kW、最大トルク220Nmを発揮するモーターが組み合わされる。スリムなモーターユニットは、6段e-Sトロニックトランスミッション内部に収められており、二つの動力は前輪駆動のみにもちいられる。

リアアクスルの駆動には、さらに最高出力85kW、最大トルク270Nmを発揮する後輪用のモーターを装着。これらを制御することで4WDシステムを構築している。走行モードは3つ用意されており、リアのモーターだけが駆動して電力だけで走る「EVモード」。フロントセクションのモーターが積極的に活用され、エンジンパワーとバランスをとり走行する「ハイブリッドモード」。すべてのユニットが出力を発生する「スポーツモード」。スポーツモードでは、強い加速を望むとブースティングモードが起動、リアモーターとエンジンがともに、加速体制にはいる。ハイブリッドモードでも、必要におうじて4WDとなる仕組みだ。

バッテリーは、リチウムイオン式のものを搭載。リアアクスル直前に配置することなどで、車両前後重量配分をバランスの良い54:46とし、低重心化も実現している。

充電方法は、何種類化の電圧に対応しているだけでなく、便利な非接触接触充電を可能とするアウディワイヤレスチャージングを採用。これはAC/ACコンバーターとコイルが埋め込まれたプレート上に、車両を駐車すると自動的に充電を開始するもの。プレート上のコイルから発生される電磁波が車体側に取り付けられたコイルと交互にやり取りすることで、給電をおこなう。充電作業は、自動的に始まり、フル充電になれば自動的に停止される。もちろん、いつでも作業の中断は可能で、天候などにも影響されず、伝達効率の高さもポイントだ。充電プレートが人へ影響を与えないことも付けくわえておこう。

ラゲッジルームにある特製ボックスには、1/8スケールのTTオフロードコンセプトのラジコンカーがおさめられているというユーモアもあるコンセプトモデルだが、ボディはほかの新型アウディ同様にMQBモジュールを採用するなど、ソフト、ハード的に現実的な一面を見せる。具体的な提案がなされるのはそう遠いことではないかもしれない。

           
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