USM|日本の伝統文化とコラボ 季節で変化する丸の内ショールーム
DESIGN / FEATURES
2015年1月23日

USM|日本の伝統文化とコラボ 季節で変化する丸の内ショールーム

USM|「USMカラールネッサンス」

スイスのデザイン家具と、日本の伝統文化がコラボ

四季で変化してゆく「USM」丸の内ショールーム

スイスを代表する家具メーカー「USM」の直営店、「USMモジュラーファニチャーショールーム」が、東京・丸の内にオープンして今年で5周年を迎える。それを記念したアニバーサリープログラム「USMカラールネッサンス」が、2014年3月より1年間、同ショールームにて開催される。季節ごとに変化を魅せるディスプレイを展開。ディレクションは、伝統文化を現代に表現する「丸若屋」が担当した。

Text by OKADA Kazuyuki(OPENERS)

桂離宮の茶室にインスパイアされたキャビネット

「USM」が生み出した「USMモジュラーファニチャー」は、1960年代にスイスで開発、スタートしたオーダーメイドのシステム家具。リビングルーム、ダイニングルーム、キッチン、キッズルーム、ライブラリーなど、スペースや用途に合わせ、さまざまなサイズや形状のパーツを組み合わせてデザインできる。

豊富なカラーバリエーションが揃っているのも、同製品の大きな特徴。キャビネットタイプの「USMハラー」のパネルは全14色展開。そしてテーブルタイプの「ハラーテーブル」のトップ(天板)は、今年4月の新色登場により全55色にまで、カラーバリエーションが増えるという。製品の確かなクオリティとこれらの普遍的なデザインは世界中のインテリアファンに愛され、ニューヨーク近代美術館(MoMA)では永久コレクションに加えられている。

USM|「USMカラールネッサンス」02

USM ベージュ

USM|「USMカラールネッサンス」03

ゴールデンイエロー

USM|「USMカラールネッサンス」04

USM ベージュ

そんなUSMの国内唯一の直営店として、東京・丸の内に店舗を構えているのが「USMモジュラーファニチャーショールーム」だ。今年でオープンして5周年を迎える。これを記念し3月から開催されているのが、アニバーサリープログラム「USMカラールネッサンス」。USMモジュラーファニチャーショールームファサードで、四季にあわせ変化するディスプレイで、日本の美を表現。「色」を重要な要素として考えている同社ではこれを「無限の可能性を持った色への、あらたな挑戦」としている。

今回ディレクションを手掛けるのは、日本の伝統文化の美しさを現代のプロダクトに落とし込み、さまざまな作品の監修で高い評価を受けている「丸若屋」。代表の丸若裕俊氏は「USMとともに“色”の持つ魅力を見つめ直し、今を暮らす私たちの生活に、あらたな美意識を提供する」と語る。

メインビジュアルとしても使用されているキャビネットには、従来の単色のイメージとはガラリと印象が変わった、市松模様の配色を採用。これは京都・桂離宮の茶室、松琴亭(しょうきんてい)の襖(ふすま)にインスパイアされたもの。USM製品と日本の伝統文化との、相性の良さを表現したという。

USM|「USMカラールネッサンス」05

USMモジュラーファニチャーショールーム ファサード

USM|「USMカラールネッサンス」06

USMモジュラーファニチャーショールーム 内観

USM|「USMカラールネッサンス」07

京都の染屋「染司よしおか」

ディスプレイに彩りを添えるのは、これだけではない。江戸時代の末頃から続く染屋で、当代で5代を数える京都の染屋「染司よしおか」による、草木染め布も登場。四季を表現する彩りで、文化の融合を華麗に演出する。

スイス生まれのデザイン家具と、日本の伝統文化のコラボレーションはどのような作用を生むのか。今後、1年にわたり展開されるディスプレイは必見だ。

USMカラールネッサンス
開催時期|2014年3月~(春期)、6月~(夏期)、9月~(秋期)、12月~(冬期)予定
場所|USMモジュラーファニチャーショールーム
東京都千代田区丸の内2-1-1 丸の内MY PLAZA 1・2F
営業時間|10:00~19:00(土・日曜11:00~)
祝日定休 月曜日のみ予約制
Tel. 03-5220-2221
http://www.usm.com/ja-jp/

丸若屋
日本の現代文化をしつらえる「株式会社丸若屋」。普遍的な”美しさ”と今という“瞬間”を、モノとコトに落とし込むことで現代に則した価値を導き出す。伝統工芸から「北嶋絞製作所」を始めとする最先端工業との取り組みまで、日本最高峰との“モノづくり”をおこなう。「九谷焼き花詰髑髏お菓子壷」(金沢21世紀美術館所蔵)、「上出長右衛門窯×JAIME HAYON」(ミラノサローネ出品)、「PUMA AROUND THE BENTO BOX」を主導。2014年5月には、フランス・パリに新店舗「NAKANIWA」をオープンさせる。
www.maru-waka.com

染司よしおか
京都において江戸時代の末頃から続く染屋で、当代で5代を数える。自然に育まれた紫草(ムラサキ)、紅花、茜、蓼藍(タデアイ)、刈安(カリヤス)などの植物から、美しい色を引き出し、絹や麻、木綿などの天然素材を古法に忠実に染色。その伝統的な技法を用いて、東大寺修二会に使われる椿の造り花を染めるなど、古社寺の行事にも関わる。地下100メートルから汲み上げられる水と、丁寧に自然と向き合う手に支えられ、古きを温( たず )ねながらゆっくりと静かな毎日を繰り返している。
www.sachio-yoshioka.com

           
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