ルーテシアR.S.国内発売開始|Renault
Renault Lutecia Renault Sport|ルノー ルーテシア ルノー スポール
ルーテシアR.S.国内発売開始
ルノー・ジャポンは、4代目となる新型「ルーテシア」のスポーツバージョン「ルノー スポール」を発表。11月14日より発売を開始する。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
モータースポーツのテクノロジーをフィードバック
ルノー・ジャポンは、4代目となる「ルーテシア ルノースポール」を日本に導入する。その発表を、東京お台場で開催された、モータースポーツジャパンの中でおこなった。
好天に恵まれ、入場も無料ということでおおくの観衆のなか登場したのは、前日のF1日本グランプリで3位入賞をはたした、ロータスのロマン・グロージャン選手。大極司ルノー・ジャポン代表取締役とともに、新型ルーテシア ルノースポールをアンヴェールした。
ルーテシアR.S.は、ルノーのなかでもF1をはじめとするモータースポーツを手がけるルノー スポールが、新型ルーテシアにエンジニングをほどこしたモデル。すでにひとあし先にフランスでの試乗をお伝えしているが、そのルーテシア ルノー スポールがついに国内に導入される。
搭載される1.6リッター直列4気筒ターボエンジンは、最高出力200ps、最大トルクは240Nmを発揮。摩擦を低減するためにダイヤモンドライクカーボンによるカムシャフトタペットのコーティングを採用するなどF1テクノロジーで培われた技術をフィードバックさせている。2リッター自然吸気エンジンを搭載していた先代のルーテシアR.Sと比較すると、最高出力をおなじとしながらも、最大トルクは25Nm向上させている。
トランスミッションには、EDCとよばれる6段デュアルクラッチを組み合わせる。シフトはフロアのほかに、ステアリングコラムに固定されるチタン製のパドルでも操作可能。ブレーキング中にシフトダウン側パドルを引きつづけると複数段さがる、マルチシフトダウン機能も搭載している。
センタコンソール上の、通常のルーテシアでは「ECO MODE」スイッチの場所に、かわってそなわるのが「R.S.ドライブ」ボタン。これにより走行モードをノーマル、スポーツ、レースの3段階から選択可能とする。
通常の走行に適したノーマル時にはEDCのシフトスピードは0.2秒、アイドリングは750rpm。これにたいし、スポーツモードではシフトスピードが0.17秒に上昇、アイドリングも1,000rpmに高められ、アクセルやブレーキのレスポンスも向上する。ESCやパワーステアリングも、よりスポーティなセッティングに変更される。
最後のレースモードはマニュアルモード時のみ選択可能。シフトスピードが最速の0.15秒になるとともに、ESCはすべてOFFとなり車両のコントロールはすべてドライバーに委ねられる。
このクラスのクルマとしては初とうたうローンチコントロールも採用しており、簡単な手順で最大加速を得ることができる。0-100km/hは先代モデルよりも0.2秒速い6.7秒、0-1,000mは27.1秒だ。
Renault Lutecia Renault Sport|ルノー ルーテシア ルノー スポール
ルーテシアR.S.国内発売開始 (2)
2種類のシャシーを同時に導入
マクファーソンストラット式のフロントサスペンションには、ダンパーの中にもうひとつのダンパーを封入したHCC(ハイドロリック コンプレッション コントロール)を採用。乗り心地の向上とともに、タイヤの接地性能を向上させハンドリング性能を高めるという。リアサスペンションには、通常モデルにくらべて60パーセント、先代ルーテシアR.Sとくらべても10パーセント剛性があげられたアンチロールバーがそなわる。
また、シャシーは、日常性や乗り心地も重視した“シャシースポール”と、よりサーキット走行に向けてハードなセッティングに仕上げられた“シャシーカップ”を同時に用意。シャシーカップでは、全高が3mm下げられ、スプリングレートを前輪で27パーセント、後輪で20パーセントアップ。また、ステアリングのギア比も高められている。
さらに、コーナリング性能を高めるため、R.S.デフと呼ばれる、スノールポールが特許をもつ技術を採用している。これは、駆動輪である前輪の左右の回転差を常に監視し、その差が大きくなりすぎるとマイクロブレーキをかけてトラクションを回復させるというもの。エンジントルクを絞ることがなく、ESCよりも速く作動するために、その動きを体感することはほとんどないという。
エクステリアにはルノースポールを主張するF1ブレードや、大型のリアスポイラー、リアディフューザー、ツインエキゾーストなどスポーティなアイテムを採用。これらはもちろん、単なる演出アイテムではなく、リア側のダウンフォースのうち80パーセントをディフューザーが、20パーセントをスポイラーが発生させているという。
シャシースポールには205/45サイズのタイヤに17インチのシルバーアロイホイールを装備。シャシーカップには205/40サイズのタイヤに18インチのブラックアロイホイール、さらにブレーキパッドが赤になり、足元がよりスポーティに仕上げられている。
ブース内での発表会のあとは、モータースポーツジャパンのメインスタンドにおいてロマン・グロージャン選手によるパフォーマンスがおこなわれた。新型ルーテシア R.S.を縦横無尽に走らせ、その機敏な性能をアピール。最後には観衆の前でクルマの上に乗るというアピールで、イベントを大いに盛り上げた。
店頭での発売は11月14日からとなり、価格はシャシースポールが299万円、シャシーカップで309万円。
Renault Lutecia Renault Sport|ルノー ルーテシア ルノー スポール
ボディサイズ|全長 4,105 × 全幅 1,750 × 全高 1,435 mm
ホイールベース|2,600 mm
トレッド 前/後|1,505 / 1,500 mm
重量|1,280 kg
エンジン|1,618cc 直列4気筒 ターボチャージャー付き
ボア×ストローク|79.7 × 81.1 mm
圧縮比|9.5
最高出力| 147 kW(200 ps)/ 6,000 rpm
最大トルク|240 Nm(24.5 kgm)/ 1,750 rpm
トランスミッション|6段デュアルクラッチ(EDC)
駆動方式|FF
サスペンション(前)|マクファーソン/コイル
サスペンション(後)|トレーリングアーム/コイル
タイヤ 前/後|(シャシースポール)205/45R17 (シャシーカップ)205/40R18
ブレーキ(前/後)|ベンチレーテッドディスク / ディスク
0-100km/h加速|6.7 秒
価格|(シャシースポール)299万円 (シャシーカップ)309万円<