ホットハッチの新基準

今年3月のジュネーブ モーターショーでワールドプレミアされたフォルクスワーゲン「ゴルフ」の高性能バージョン、「ゴルフ GTI」が、早くも日本で正式発売された。本国では220psを発揮する2リッター直4エンジンを搭載した「GTI」と、同じエンジンながら、チューニングを施し、最高出力を230psに向上させた「GTI パフォーマンス」の2モデルをラインナップするが、今回、日本仕様としては、前者が導入されることになった。

ごぞんじのとおり「ゴルフ」には、フラッグシップと呼べる「ゴルフ R」が頂点に存在するものの、やはり「GTI」は特別な存在だ。ハイパフォーマンスバージョンとして、長いあいだ走りにこだわるユーザーから愛されつづけ、先代モデルでは、誕生から35周年を記念した「GTI エディション 35」も発売された。

第7世代の「ゴルフ」をベースにした最新の「GTI」も、そうした磨き上げたスポーティなパフォーマンスを抜かりなく身につけている。エンジンは前述のとおり、最高出力220psを発生する2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンだが、出力の向上だけでなく、シリンダーヘッドと一体化した水冷式のEGRクーラーを採用。ターボチャージャーに送り込まれる排気ガスの冷却を効率的にこなすと同時に、燃料消費量の改善に貢献するのだという。組み合わされるトランスミッションは、日本仕様では6段DSGのみ。

ボディの軽量化も、パフォーマンスと燃費の向上の両面にメリットをもたらしている。車重は、第6世代の「ゴルフ GTI」が1,393kgだったのにたいして、1,351kgと、42kgの軽量化に成功している（日本仕様での比較ではマイナス10kg）。さらに空力の改善や、標準装備されたストップ/スタートシステムやギヤ比の見直しなどにより、0-100km/h加速6.5秒という俊足を誇りながら、燃費は第6世代「ゴルフ GTI」の13.0km/ℓを、15.9kg/ℓ（JC08モード）にまで向上させた。

これまで培ってきた「GTI」の伝統にそって、エクステリアは、明確に通常のラインと差別化が図られている。「GTI」のエンブレムはもちろん、フロントグリルの赤いラインや、赤くペイントされたブレーキキャリパー、専用のダークレッドのLEDテールライト、2本出しのクロームテールパイプがエクステリア上での識別点だ。

スポーツサスペンションの採用で、10mm低くセッティングされた車高や、225/45サイズのタイヤと17インチの「ブルックリン」と呼ばれるアルミホイールも「GTI」の専用装備である。

インテリアでは、これもGTI伝統となるタータンチェック柄のシートを採用。スポーツステアリングやシフトレバー、ステンレス製のフットペダルなどにも「GTI」専用アイテムが採用される。さらに今回のモデルでは、スポーツシートのサイド部分や、ヘッドレストでアルカンターラを選択可能。シートとドアトリムでは、本革の「ヴィエナ」をチョイスすることもできる。

少ない舵角でも曲がれる、取り回しをサポートする新開発の「プログレッシブ ステアリング」や、電子制御式ディファレンシャルロック「XDS+」、「AAC（アダプティブ クルーズ コントロール）」、「シティ エマージェンシーブレーキ」機能をそなえた「フロント アシスト」、「レーン アシスト」などの安全装備も充実。ルックスやパフォーマンスだけでなく、安全面でもホットハッチの新基準をもたらしている。

価格は369万円。日本国内での試乗レポートも掲載しているので、そちらもあわせてご覧頂きたい。

Volkswagen Golf GTI｜フォルクスワーゲン ゴルフ GTI
ボディサイズ｜全長 4,275 × 全幅 1,800 × 全高 1,450 mm
重量｜1,390 kg
エンジン｜1,984cc 直列4気筒 直噴 ターボ
圧縮比｜9.6 : 1
ボア×ストローク｜82.5 × 92.8 mm
最高出力｜ 162 kW（220ps）/ 4,500-6,200 rpm
最大トルク｜350 Nm（35.7）/ 1,500-4,400 rpm
トランスミッション｜6段オートマチック（6DSG）
駆動方式｜FF
タイヤ 前/後｜225/45R17
ブレーキ 前/後｜ベンチレーテッドディスク（312x25mm） / ディスク（300x12mm）
最高速度｜246 km/h
0-100km/h加速｜6.5秒
燃費（JC08）｜15.9/ℓ
CO2排出量｜146 g/km
価格｜369万円

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