アルファロメオ 4Cの製造過程を公開|Alfa Romeo
Alfa Romeo 4C|アルファロメオ 4C
アルファロメオ、4Cの製造過程を公開
アルファロメオは、登場が待ち望まれている小さなスーパーカー「4C」の製造過程を公開した。
Text by SUZUKI Fumihiko(OPENERS)
アフォーダブルなスーパーカーのあるべき姿
アルファロメオの小さなスーパーカー、「4C」は、アルファロメオによれば、スポーティなアルファロメロDNAの本質であり、運転の楽しみと、安全、そして息をのむようなデザインが自慢だ。
とはいえ、この4C、見果てぬ夢のままでおわってしまうスーパーカーではなく、アルファロメオファンが、実際に手に入れることができる、アフォーダブルな夢を目指して開発されたものだという。
ではいかにして、アフォーダブルなスーパーカーをつくるか。今回、アルファロメオが公開したのは、それを説明する4Cの製造過程だ。
もっとも顕著な特徴は、その重量に見て取れる。
乾燥重量たったの895kgという数値は、スーパーカーに匹敵するパワーウェイトレシオを、小さなエンジンで実現するために選択されたという。
大きなエンジンを搭載すれば、価格が上がってしまうのは当然。だから、アルファロメオは、4Cに、「ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ」にも搭載される、1.75リッターの4気筒エンジンを採用した。最高出力は240ps、最大トルクは350Nmだ。
高剛性も同時に達成できるカーボンファイバー製のモノコックはわずか65kgという軽さで、F1由来のプリプレグ(炭素繊維に樹脂を含浸させたシート状のもの)を利用してつくられ、年1,000パーツ以上の量産を可能とする。
くわえて、ボディにアルミニウム、鋼鉄、SMC(Sheet Molding Compound)を適宜使い、重量を抑えた結果が、895kgという重量と、4kg/psよりも良好という、パワーウェイトレシオだ。
製造にあたっては、協力関係にある、マセラティの力がいきている。
マセラティのモデナ工場は、熟練の職人技によって、手作業を多用しながらも、素早いクルマの組み立てを可能にするという。大量生産工場で50秒かかる行程を20分で完了する、という数値を早いとみるか遅いと見るかは、ぜひ、以下の動画で製造風景をご覧になって判断いただきたい。
モデナ工場での作業は、カーボンモノコックにシャシー、ルーフ、ウインドシールド、フレームと取り付け、400項目に及ぶ詳細なチェックへとすすみ、ゆりかごのようなフレームでの最終仕上げとなる。
動作確認と40kmのロードテストをクリアすれば、出荷状態となるということだ。
さてこの4C、ではいくらになるのか。現在、世界で1,000台限定となる、誕生記念の特別モデル、ローンチエディションの価格は、欧州で6万ユーロ(約730万円)とされている。