松浦俊夫|ルーツ・ミュージック×トム・ウェイツ!? ウイリアム・アダムソンが持つ唯一無二の音楽観
Lounge
2014年12月9日

松浦俊夫|ルーツ・ミュージック×トム・ウェイツ!? ウイリアム・アダムソンが持つ唯一無二の音楽観

松浦俊夫|from TOKYO MOON 3月3日 オンエア

ウイリアム・アダムソンが持つ唯一無二の音楽観

日曜の夜、上質な音楽とともにゆったりと流れる自分だけの時間は、おとなたちの至福のとき。そんな時間をさらに豊かにするのが、DJ松浦俊夫によるラジオプログラム『TOKYO MOON』──。彼が世界中から選りすぐったすばらしい音楽や知的好奇心を刺激するおとなのためのトピックスを、毎週日曜日Inter FM 76.1MHzにて19時からオンエア。ここでは、毎週放送されたばかりのプログラムを振り返ります。今週は番組で紹介したなかから、唯一無二の音楽観を持つウイリアム・アダムソンをフィーチャーしてお届けします。

Text by MATSUURA Toshio

ルーツ・ミュージック×トム・ウェイツ!?

今回紹介するのはウイリアム・アダムソンというアーティスト。この聞き慣れない名前は、おそらく20世紀初頭のスコットランドの労働運動家/政治家から名前を拝借したのではないかとおもいます。本名はロバート・ギャラガー。1980年代後半から90年代前半に世界中を席巻した、アシッド・ジャズ・ムーブメントでは、ジャミロクワイ、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、インコグニートとともにシーンを牽引したバンド、ガリアーノのリーダー兼ボーカル/MCといった方が、読者の皆さんには馴染み深いのではないでしょうか。ジャズ、レゲエ、ファンク、ロックと多様な音楽を飲み込み、ポップなセンスも感じられたそのサウンドは日本でも大人気でした。

バンドはシーンの終焉とともに解散し、ロバート(ロブ)は1998年よりジャズに軸足を置いたユニット、トゥ・バンクス・オブ・フォーを、友人でエンジニアのディリップ・ハリスとともに結成。ジャズとエレクトロニクスを融合させ、深いメッセージを発信したその音楽性は、現代のスピリチュアル・ジャズであり、アバンギャルドでコズミックな楽曲を残したサン・ラの後継者とも称されました。

並行してアール・ジンガーの名でジャイルス・ピーターソンやクルーダー&ドルフマイスターらのMCとしても活躍。自主レーベルからさまざまな名義で作品を発表、また詩人としても高い評価を得てきました。そんな彼が今回挑んだのがこのウイリアム・アダムソン。数年前に個人的に彼から聞いていた“ブルース・プロジェクト”がこの作品となったのです。

ブルースやフォークといったルーツ・ミュージックをベースに、トム・ウェイツのように特徴的な嗄れた歌声やポエトリー・リーディングを聴かせてくれます。決して万人に受ける音ではないものの、こういった音楽観が好きな人たちにはたまらないことは間違いなし。ぜひ一度おためしを。

William Adamson 『Under An East Coast Moon』

William Adamson
『Under An East Coast Moon』

William Adamson / Rings of Saturn

REVIEW|TRACK LIST

01. William Adamson / Under An East Coast Moon (Brownswood / Beat)
02. I'm Not A Gun / Slider (Palette)
03. Thierry Maillard / Le Petit Hotel du Grand Large (P-Vine)
04. Donso / Awakening (Comet)
05. Nino Nikolaidis / Kiriakos 76 (Fortuna)
06. Space Dimension Controller / Quadraskank Interlude (Return To The Love Quadrant) (R&S / Beat)
07. Cook Classics / Home Is Where The Heart Is (Now Again)
08. Dexter Story / Water Bearer (Kindred Spirits / ritmo calentito)

I'M NOT A GUN 『SUB-TONES』

I'M NOT A GUN 『SUB-TONES』

Thierry Maillard 『Beyond The Ocean』

Thierry Maillard 『Beyond The Ocean』

Donso 『Denfila』

Donso 『Denfila』

Nino Nikolaidis 「Kiriakos 76 7

Nino Nikolaidis 「Kiriakos 76 7"」

Space Dimension Controller『Welcome To Mikrosector-50』

Space Dimension Controller
『Welcome To Mikrosector-50』

Dexter Story 『Seasons On Earth』

Dexter Story 『Seasons On Earth』

震災から2年を迎える前夜に被災地を想う──
キャンドル・ナイトを開催

前回、お知らせした東北の農家を支援するためのキャンドル・ナイトの開催まであと数日となりました。

2年前の震災による津波で塩害を受けた農地を復興しようと、東北大学が中心となり取り組んでいる「東北大菜の花プロジェクト」(http://www.nanohana-tohoku.com/)という活動があります。塩害を受けた土壌でも栽培出来る菜の花から絞った菜種油を、キャンドルに活用しようと大学と実験を続けている“チームともす東北”が制作し販売している“ともす東北キャンドル”(http://teamtomosu.com/about/candle)を使用しておこないます。

DJはこのプロジェクトに賛同して下さった須永辰緒さん、沖野修也さん、そして私、松浦俊夫の3名が担当し、お客さんが入場時に購入していただいたキャンドルのひとつひとつを灯して会場に飾り、その明かりに照らされ、音楽とお酒を楽しみながら被災地を想う夜にしたいとおもっています。

皆さんのご参加をお待ちしています。

※当日のお昼に開催する「チャリティ・ランニング」の詳細、およびエントリー受付はこちらから。

3UOMINI D'ORO ~黄金の3人~ x “ともす東北” キャンドル・ナイト supported by モエ・エ・シャンドン 01

3UOMINI D'ORO ~黄金の3人~ x “ともす東北” キャンドル・ナイト supported by モエ・エ・シャンドン 02

3UOMINI D'ORO ~黄金の3人~דともす東北”
キャンドル・ナイト supported by モエ・エ・シャンドン

日程|3月10日(日)
時間|18:00~22:00
出演|須永辰緒、沖野修也、松浦俊夫
料金|3000円(「モエ・エ・シャンドン」1グラス付き)+ “ともす東北”キャンドル 1000円
※キャンドル1つにつき10%がこのプロジェクトの支援金となります。
会場|XEX愛宕 The BAR
東京都港区愛宕2-5-1 MORIタワー42F
問い合わせ|XEX ATAGO / The BAR
Tel. 03-5777-0065
http://www.ystable.co.jp/restaurant/xexatago/bar.html

松浦俊夫『TOKYO MOON』

毎週日曜日19:00~19:30 ON AIR
   月曜日24:30~25:00(再放送) ON AIR
Inter FM 76.1MHz

『TOKYO MOON』へのメッセージはこちらまで
moon@interfm.jp

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www.interfm.co.jp

           
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