BMW、新コンパクトSUV「X2」国内発売|BMW
BMW X2|ビー・エム・ダブリュー X2
BMW、新コンパクトSUV「X2」国内発売
ビー・エム・ダブリューは新規投入車種で、SAC(スポーツ アクティビティ クーペ)と位置付けるBMW「X2」の受注を開始した。価格は436万円から。デリバリーは夏ごろの予定。
Text & Photographs by UCHIDA Shunichi
BMW初のSAC
近年、SUV(BMWではXシリーズのSAV=スポーツ アクティビティ ビークル)とクーペスタイルの融合が流行りだが、「X2」もその1台で、BMWとしては初のボディスタイルである。
X2のデザインで注目したいのはBMWおなじみのキドニーグリルだ。裾広がりとなった新形状で、大型エアインテークとともに、低重心かつワイドな印象を演出しており、BMWが新たなデザインランゲージに挑戦していることを示している。
また、ルーフラインは、従来のクーペスタイルを踏襲しながらも、BMWのXモデルらしいやや無骨な形状とすることで、躍動感を表現しているという。
BMWの特徴でもあるホフマイスターキンクをCピラーに組み込むことで、ボディ後方にかけてサイドウインドウグラフィックがウェッジ形状となり、シャープな印象を醸し出している。
Cピラーには、「2000CS」や「3.0CSL」にも用いられたエンブレムが採用され、BMWの歴代モデルの延長線にこX2が位置付けられていることを主張している。
また、全高を1,535mmに抑えたことで、一般的な機械式駐車場にも収まるボディサイズを実現している。
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2つのエンジン、駆動方式も2つ
導入されるエンジンは2タイプ。「X2 sDrive18i」に搭載される1.5リッター3気筒ガソリンエンジンと、AWDの「X2 xDrive20i」の2リッター4気筒ガソリンエンジンだ。最高出力と最大トルクは、前者が140ps、220Nm、後者が192ps、280mとなっている。
18iと20iそれぞれにM SportXがラインナップ。BMW Xモデルのオフロードキャラクターが強調されたデザインで、フローズン グレーのアクセントがちりばめられている。そのほかの違いとしては、専用の19インチ“スタイリング722M”ホイールが標準装備されるほか、20インチ“Mライトアロイホイール”もオプションで選択可能だ。
内装はイエローのコントラストステッチが施された、マイクロヘキサゴン ファブリック/アルカンターラ アンソラジット コンビネーションシートが装備され、インテリアトリムには、アルミニウムヘキサゴン アンソラジット インテリアトリムが、専用に採用されている。
ミレニアル世代がターゲット
BMW X2のターゲットユーザーはミレニアル世代だ。「1980年から2000年に生まれた、18歳から38歳の人たちは、携帯電話やPC、オンラインショッピング、ソーシャルメディアに囲まれながら育ってきました。彼らはテクノロジーの手助けにより、情報を得たり楽しんだりする世代です。ボタンをタッチするだけでそういったものが得られるわけです。
そのためにミレニアルズは、操作スピードや使いやすさについて最も高い基準を持っています。彼らにとっては情報への即座のアクセスは便利さではなく当たり前のコトなのです」とは、同社代表取締役社長のペーター・クロンシュナーブル氏の弁。
そういう世代が選ぶクルマであることを踏まえ、「(スマートフォンなどと)同じ高いレベルのコネクティビティを提供しなければなりません。
彼らはタッチスクリーンやボイスコントロール、音声制御に慣れていますので、X2もナビゲーション及びエンターテインメントシステムは同じように使えるようになっています」と述べ、コネクティビティに関しても充実していることを強調した。
そして、「ミレニアル世代は他人に追従するタイプではありません。彼らは偏向的で規範から離れ自らの運命を切り開いていく人たちです。従って新しいBMW X2のスローガンはアンフォローとなっています」と語った。
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Xの攻勢
BMWは、昨年から今年の年末にかけてグローバルで40もの新規モデル、あるいはモデルチェンジを行う計画を発表している。主要リージョンではXモデルが成長しており、BMW全体の1/3を占めることから、そこに力点を置いている。
1999年にBMW「X5」が発売されて以降、全世界で540万台以上のXモデルが販売された。日本においても、2010年に約5,500台だったところから、昨年は11,000台と2倍にまで成長。
その理由についてクロンシュナーブル氏は、「Xモデルは、いわゆる典型的なSUVとは異なり、SAV、スポーツ アクティビティ ビークルなのです。BMWが提供する“駆け抜ける喜び”によってクルマがユーティリティビークルからアクティビティビーグル、つまり楽しむためのクルマに変化しているからなのです」という。
もう一つの理由は、「Xモデルが持つイノベーションの側面です」とクロンシュナーブル氏。「日本で発売されたBMW初のディーゼルも、ハイブリッドも、そしてプラグインハイブリッドも全てXモデルでした。同様に、2020年にお目見えする「iX3」もBMWのコアとなるラインナップでは初の純粋な電気自動車となります」と明かした。
新車攻勢は、今年はX2の後「X4」が登場し、続けて「BMWブランドの新たなラグジュアリーを定義する」初の「X7」がグローバルで発売される予定だ。
「X2とX7の2つのモデルが加わることにより、BMW Xファミリーのラインナップがすべて顔を揃えます。だからこそ2018年は“X”の年なのです。BMWにとって“X”は成功と同じ意味を持つのです」とコメントした。
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ブランドフレンドに香取慎吾氏
BMW X2の市場投入を機に、BMWジャパンはBMWブランドフレンドとして香取慎吾氏を起用。その理由についてクロンシュナーブル氏は、
「香取さんは、タレント活動だけでなくアーティストとして、クリエイターとして既存の枠にとらわれることなくさまざまな挑戦を続けています。
その姿勢、取り組みがまさにアンフォローというX2が掲げるコンセプトに合致しているのです。
このアンフォローというのは常識にとらわれず、自分の道はいつでも自分で切り開くというコンセプトで、新しいデザインを挑戦的に取り入れたX2でも表現されています。今、自動車業界は激しい変革の時代を迎えています。BMW自身もその中で新しいことに挑戦しています。香取慎吾さんはBMW X2の姿勢・哲学を象徴してもらうにふさわしいと考え、今回ブランドフレンドに就任してもらいました」と語る。
また、X2発表会に駆け付けた香取氏も、「最初に話を聞いた時に、嬉しかったのですがドッキリかと思いました」と会場の笑いを誘う。
「先日社長とランチをしたのですが、これから仕事をする人のことを知らないで、一緒に仕事をすることは僕はできない、だから君のことを知りたいと話されました。そこではBMWのこともたくさん教えてもらい、本当に素敵な人だと思いました。このようにお仕事を始めさせてもらうことはあまりないので、食事中もずっとどこかにカメラがあるのじゃないかと思うぐらいに幸せな瞬間でした」とコメント。
そして、「新しいことをたくさん始めている自分ですが、そんな僕のさらなる地図がこのBMWとともに広がっていったら嬉しい」と述べた。
今後の活動としては、現在コンセプトムービーの撮影が開始されている。そのタイトルは“アンフォロー”で、ソーシャルメディアを使い近日公開予定だという。