「潔く、コンビ!」
今回からスタートする新連載は、編集大魔王・祐真朋樹の『マイ・ブーム』がテーマ。世の中のトレンドとは違った視点からチョイスしたフェイバリット・アイテム7点(初回は惜しくも7点に入らなかったフェイバリットも交えて)を、大魔王の解説とともにお披露目します。これからの季節のスタイリングのマストハブになりそうな珠玉の逸品が揃います。
Direction & Select by SUKEZANE TomokiPhotographs by YAMAGUCHI KenichiStyling by KAWAI Kota Text by HATAKEYAMA SatokoGrooming by 大東京
vol.1 コンビネーション・シューズ【kὰmbənéɪʃən ʃúz】
祐真 第一回目のアイテムは『コンビネーション・シューズ』、いわゆるコンビシューズです。
「足元になにか変化が欲しい」という気分は一年前ぐらいからあって、オレンジやイエローなどのビビッドな色合いのソックスなどをよく履いていました。同じように靴もクラシックなコンビシューズをよく履いていたのですが、「ジャズメンかよ!」なルックスでいまひとつしっくりこない。
そんな中、6月のパリメンズコレクション期間中に出会ったのが、今回もセレクトしているグッチのストラップコンビシューズです。あまりにも今の自分の気分にぴったりだったので、思わず衝動買いをしてしまったほど。コンビなのにクラシックすぎないし、折衷主義で盛りすぎな感じも今っぽい。グッチの服に合うのはもちろんですが、足元にポイントを持ってくることをメインに考えると、暑さの残る季節でもあるし、無地のTシャツ&パンツぐらいがちょうどいいかなと思います。
今回選んだコンビシューズの中でも、クリスチャン ルブタン、メゾン キツネ、プラダなどは今の感覚を盛り込んだデザインが特徴的だし、ジョン ロブやオールデンといった老舗は単色でも素材を変えたシックなコンビを打ち出していて新鮮。なかでも同色異素材のコンビシューズは、足元にちょっとした変化をつけたいコンサバ男子におすすめしたいですね。
GUCCI|グッチ
祐真 ストラップ仕立てのデザインがサンダル風なルックスでもあるし、それでいて女っぽいのかというとちゃんとメンズ仕様になっているのがいい。ストラップの間からチラ見するソックスの色や素材が重要になってくるので、同じグッチでジャカードのモノグラムソックスなどをあわせるのもいいと思います。メダリオン、ピンキング、エンブロイダリーなど、盛りだくさんなディテールもグッチならでは。
Christian Louboutin|クリスチャン ルブタン
祐真 白黒コンビのコインローファーに、ブランドのシグネチャーカラーである赤を差し色で効かせてあるのが、色気があってとても素敵だなと思います。マットな質感とパテントの光沢といった異素材のコンビネーションも素晴らしく、個人的にも欲しい一足です。
JOHN LOBB|ジョンロブ
祐真 洒脱なメダリオンシューズが、スエードとカーフのコンビネーションでフレッシュな印象に。コンサバの中では少々「エグい」とされるルックスかもしれませんが、大阪の特別限定モデルということでなるほど納得。スタンダードモデルにない存在感が光ります。
PRADA|プラダ
祐真 プラダのプラットフォームソールも定番化している感があり、ブラック✕ブラウンのカラーコンビのウイングチップシューズは、光沢のあるブラッシュカーフとコバのステッチがポイントになっています。自分も一時期、これと同じソールで茶色の無地のシューズをヘビロテしていましたが、履きやすく快適なのもいいですね。
J.M.WESTON|ジェイエムウエストン
祐真 数あるコレクションの中でも名品といわれる『ゴルフ』を、スウェードとカーフでシックなコンビシューズに仕上げたもの。このブランドならではの洗練されたフォルムに加えられた遊び心をいかして、ヘリンボーンのツイードパンツなどにあわせてみるのもいいと思います。
ALDEN|オールデン
祐真 初見して「オールデンにこんなコンビシューズがあったのか!」という印象を持った一足。Vチップも地味かと思いきや、コンビだと派手に見えるのも意外な発見です。スコッチレザーにコードバンという表情の異なるコンビネーションも、意表をつく組み合わせで新鮮に感じます。
MAISON KITSUNÉ|メゾン キツネ
祐真 コインローファーのコンビに鮮やかなブルーを持ってくるのがモダンの極み。フォルムも洗練されていて、異素材のコンビネーションバランスも秀逸。サドル部分のカッティングも独特で、キツネ目(!?)に見えてチャーミングなのもいい。