スマートに「フォースターズ」コンセプト|smart
Smart Forstar Concept|スマート フォースターズ コンセプト
ガレージがシアターに
スマートに「フォースターズ」コンセプト
メルセデス・ベンツAGは、パリモーターショー2012(パリサロン)において、スマート電気自動車をベースにしたコンセプト「スマート フォースターズ」を公開する。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
いつでも“スター”を目にすることができる
SUC(Sports Utility Coupe)とメルセデス・ベンツが分類する「スマート フォースターズ」は、低いプロポーションにSUVふうのテイストをくわえ、遊び心にあふれたコンセプトカーだ。
ルーフは全面がグラスルーフとなっており、そこから満天の星空(star)を眺められるというのがフォースターズ(forstars)というネーミングの理由のひとつ。もうひとつの理由は、ボディ先端に搭載されたプロジェクターにより、好きなときに映画を観ることができる、つまりフィルムスターたち(stars)に会うことができるというものだ。遊び心満載の装備とネーミングが、このファニーなクルマのコンセプトそのもののようだ。
ボディサイズは全長3,550×全幅1,710×全高1,505mm。機関は市販のスマート エレクトリック ドライブ(スマート電気自動車)のものではなく、コンセプトカー「スマート フォーツー ブラバス エレクトリック ドライブ」向けのハイパワー版。容量17.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、最高出力60kW、最大トルクは135Nmを発揮。最高速度は130km/hに達するという。
足元は245/35 ZR21のミシュラン製スポーツタイヤを履く。3本スポークの21インチホイールもスポーティなイメージを盛り上げている。
室内は通常ルームミラーのある場所がスマートフォンのホルダーとなっている。ここにスマートフォンを装備することで、リヤに搭載されたカメラを通じて後方の確認をおこなう。また、目玉装備であるボンネットに収められたメディアプレイヤーは、ブルートゥース経由でiPhoneから制御し、プロジェクターを通じて映像を表示する。
SLS AMGでもオプション設定される、高価かつ高度な技術を要するアルビーム仕上げによる外装は、「アルビーム ルージュ」(Alubeam rouge)と名づけられ、赤にもオレンジにも見える不思議な輝きを発する。また、スマートファミリーならではの、外部に露出したボディ骨格“トリディオン セル”部分はチタンカラーだ。
くわえて、ヘッドライトにつけられた“まぶた”や、フロントガラスとグラスルーフの境にあるサンバイザーのようにみえる“ひさし”は、まるでクルマを擬人化したかのようで、外からクルマを眺めているだけでも楽しい。
このクルマがそのまま市販化するようなことはもちろん考えられないが、カーシェアリングやシティコミューターとしての実用イメージが強まりつつあるスマートの、ファニーな一面を強く打ち出したモデルといえるだろう。