フェラーリ日本上陸50周年の特別モデル「J50」を発表|Ferrari
Ferrari J50|フェラーリ J50
フェラーリ日本上陸50周年の特別モデル「J50」を発表
1966年、この年はフェラーリが正規に輸入された最初の年だといわれている。それから50年経った2016年、フェラーリは日本においてさまざまな記念イベントを開催。その集大成ともいえるイベントが東京六本木の国立新博物館で行われ、そこでは、日本専用10台限定で販売される“フォーリセリエ”の「J50」が発表された。
Text & Photographs by UCHIDA Shunichi
その名はJ50“ジャパン フィフティ”
フェラーリ「J50」は「488スパイダー」をベースにしてはいるものの、白紙からデザインされた。「未来的、フューチャリスティックをテーマにしています」とは、フェラーリ S.p.A、デザイン部門シニアバイスプレジデントのフラビオ・マンゾーニ氏だ。そのデザインは1950年代のフェラーリのバルケッタを意識したという。また、「308GTS」からインスピレーションを得ていることからタルガトップを採用した2シーターミッドリアエンジンロードスターとなった。
デザインの特徴についてマンゾーニ氏は、「サイドラインが特徴的で、これによりクルマを上下に分けている。その結果、まるで宇宙船のような印象を与えています。さらに、エンジンベイがスケルトンになっていることも特徴的です」と述べる。特にエンジンを見せるということにかんしては、「フェラーリにとってエンジンは、ジュエル、宝石のようなものです。その宝石のまわりを大事にデザインするということは、我々にとって重要なことなのです」と話す。
エンジンは3.9リッターV8ツインターボ。インターナショナルエンジンオブザイヤー 2016を受賞したもので、ターボにつきもののターボラグをなくし、よりレスポンスを向上させている。488スパイダーでは670psを発生するこのエンジン、J50では690psにパワーアップされた。
そのほか新しいデザインを採用したホイールや、フェラーリ初のフルLEDヘッドライトも採用されている。
価格は235万ユーロからで、2017年から2018年にかけて納車が行われる。前述のとおり日本国内専用で10台限定だが、すべて完売したという。
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フェラーリ日本上陸50周年の特別モデル「J50」を発表(2)
日本は世界で4番目に大きな市場
輸入開始50周年を記念し、その国限定のフォーリセリエを作るほどフェラーリは日本市場を重要視している。
フェラーリS.p.A.副会長のピエロ・フェラーリ氏もビデオメッセージで、「50年前、私の父エンツォ・フェラーリはすでに日本のことを考えていました。当時、日本はアジアで唯一のマーケットでした。以来ずっと、日本は私たちにとって、とても重要なマーケットです」とコメント。さらに、「日本は、F1でもとても大切な国です。日本グランプリ開始以来、日本はフェラーリのレースの歴史においても重要な役割を果たしてきています。いま、フェラーリの成績はあまり良くないのですが、日本の皆様は、良い時も悪い時も情熱を持って支えつづけてくれています。つねにアジアの手本でありつづける日本のカスタマー、コレクター、友人の皆にあらためて感謝します」と語った。
また、フェラーリ S.p.A.、コマーシャル&マーケティング部門シニアバイスプレジデントのエンリコ・ガリエラ氏は、「1966年、フェラーリはいまと違い、とても小さな会社で、F1などのレースを行っていました。そこに日本から飛行機で、いまよりもはるかに長い時間をかけてフェラーリを買おうという意思を持った人がやってきたのです。その人が選んだのは芸術作品ともいえる「275GTB」でした。これが初めて日本に正規で送り出されたフェラーリなのです」と当時のエピソードを披露。
そして、今日の日本市場について「日本はフェラーリの自動車文化が高く確立している国の1つです。我々の最も重要なコレクターの何名かは日本にいます。日本との関係はますます強まるばかりなのです。さらに、フェラーリにとって世界で4番目に大きな市場は日本で、つねに成長をつづけています」と語った。だからこそ、この50周年を祝うにあたり、フェラーリとして初めて日本向けのモデルを作ることになったのだ。