smart Forvision EX concept|極限まで軽量化されたEVスマート
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2015年3月4日

smart Forvision EX concept|極限まで軽量化されたEVスマート

smart Forvision EV concept|スマート フォーヴィジョン EV コンセプト

EVの未来像を提示する「EVスマート」登場

独ダイムラーは、まもなく開催されるフランクフルトモーターショーで、電気自動車の未来像を提示すると謳われるコンセプトカー「スマート フォーヴィジョン EV コンセプト」を発表する。

文=小池りょう子

エレクトリック・モビリティの未来を見据えて

スマートのトップ アネット・ウィンクラー氏は「スマート フォーヴィジョンは都市における持続可能なモビリティの在りかたを提案するあたらしい電気自動車。走行距離を伸ばすため、ベースとなったスマート フォーツーを全面的に見なおした」と語った。

今回スマートは、ドイツを本拠地とする世界最大の総合化学メーカー BASF社と共同でスマート フォーヴィジョンを開発。エネルギー効率の向上や軽量設計はもちろん、熱マネージメントを徹底的に研究したコンセプトモデルに仕上がっている。

BASF社からの高性能素材の提供により、世界初のオール樹脂ホイールの量産が可能となり、ひとつのホイールあたり3kgの軽量化に成功した。

さらに、トリディオンセーフティセルやドアにはカーボンファイバー入りの樹脂を採用。従来と比べて約50パーセント、アルミニウムと比べても約30パーセントの軽量化を達成している。

smart Forvision EV concept|スマート フォーヴィジョン EV コンセプト 10

あらたなトレンド、未来的なデザイン

エクステリアはスマートのイメージを残すものの、未来的なデザインとなっている。パールホワイトとブロンズカラーのメタリック塗料は、アルミ片入りで防傷コーティングがほどこされている。サイドドアは三次元的な凹凸によって強度を確保したうえに、従来よりも薄く製造することができるという。リアコンビネーションランプは、最新のメルセデス・ベンツのコンセプトモデルのように、飛行機のタービンを彷彿させるデザインになっている。

そして、スマート フォーヴィジョンがもつトピックのひとつと言えるのが、ルーフに配置された透明な六角形である。じつは、この“六角形”はすべて太陽電池であり、マルチメディア・コンポーネント、エアコンを駆動させるための電力をここから得た電力で賄うことができるという。

インテリアは、エクステリアとおなじカラーリングになっており、キャビン全体はパールホワイトで覆われ、アクセントとして随所にブロンズカラーがほどこされている。飛行機の操縦桿を思わせるようなステアリングも非常に印象的だ。

smart Forvision EV concept|スマート フォーヴィジョン EV コンセプト 08

smart Forvision EV concept|スマート フォーヴィジョン EV コンセプト 14

この太陽電池の下部は、OLED(有機発光ダイオード)を設置。ドアを開けたときと、スイッチを作動させたときには車室内を照らし、夜間は心地よいイルミネーションも楽しめる。OLEDは色を選択でき、消費電力も従来の半分程度となる。

車内の冷暖房はエネルギーを多く必要とするため、室内温度調整の高効率化も開発のひとつの焦点とされた。人間のからだが熱を吸収できる部分はかぎられる、という研究結果から、シートに「eテクスタイル」という伝熱性のコーティング素材を採用。ヒーターの暖気を直接背中に当てることで乗員はあたたかく感じ、この素材をアームレストにも採用することで、寒冷時にからだが接触する部分をあたためてくれる。

さらに、フロントおよびサイドウィンドウには赤外線を反射する「ヒート・シールド」を採用し、車内の温度上昇を防ぐ。これは赤外線にのみ反応し、GPS、Bluetooth、携帯電話やETCなどのラジオ派には影響しないという。

このような軽量化、温度管理の効率化により、EVにとって最大の課題である走行距離を従来比で約20パーセント改善した。市販化されれば、スマートらしい遊び心のあるデザインと徹底したエネルギー効率で、都市型モビリティの理想的なモデルとなりそうだ。

このスマートEVが、バッテリーに蓄電された電気を、家庭に供給する、いわゆるV2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)の機能を有しているかは未発表だが、OPENERSとしては新時代のEVとしてそのあたりの機能も注目していきたい。

           
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