ウィリアムズF1とのコラボレーション

C-X75は、デザインディレクター イアン・カラムが「スーパーカーがもつ興奮、性能と、75年の歴史のアイコンとなる流麗なデザインをもったジャガーのあるべき姿」と表現するとおり、シンプルななかにもダイナミックな要素をふくむ、美しいエクステリアデザインが目を惹く。ジャガーにとってはじめての試みとなるウィリアムズF1の協力のもと、先進の空気力学に基づくデザイン、カーボンファイバー素材を利用したシャシーを導入するなど、F1の革新的な技術が導入されたスーパースポーツだ。

ジャガー・ランドローバーは、このコラボレーションについて「世界でもっとも高性能かつサスティナブルなスーパーカーを製造することは、両社の歴史においてあらたな節目となるだろう」と語っている。

CO2排出量の目標値は99g/km！

パワートレインにかんしては、内燃機関と前後車軸にひとつずつモーターを組み合わせたハイブリッドテクノロジーを採用。以前のコンセプトモデルでは、モーター単体で最高出力145kW、システムトータルでの最高出力は580kW、最大トルク1,600Nmという数値を記録。0-60mph加速は3秒弱、最高速度は320km/hである。ちなみにライバルと目されるポルシェのハイブリッドスポーツ 「918 スパイダー」が搭載するエンジンの最高出力は373kW（507ps）、モーターの最高出力は163kW（221ps）である。

C-X75のトピックのひとつと言えるのが環境性能である。驚異的なハイパフォーマンスながら、CO2排出量の目標値は99g/kmだという。ちなみに、最大50kmまでゼロエミッション走行が可能だとしている。918 スパイダーの場合はCO2排出量70g/km、ゼロエミッションでの最大航続距離は25km以上としている。

しかし、C-X75はこのままの状態で市販されるわけではなく、コンセプトモデルから量産車にシフトさせるにあたり、エンジンの選択が重要であるという。ジャガーの親会社であるタタ・モーターズが主要株主を務めるBladon Jets社のマイクロタービン技術を用いるべく、継続的な開発をおこない、コンセプトモデルと同レベルのパフォーマンスをもつ、よりコンパクトなエンジンを作ることを目指すとしている。これによって、以前よりもエンジンを車体の低い位置に取りつけること可能になり、美しいシルエットを保ちつつ、優れた静音性を確保できると、ジャガー・ランドローバーのグループエンジニアリングディレクター ボブ・ジョイスは語った。

また、ジャガー社のブランドディレクター、エイドリアン・ホールマークは、C-X75の製造にたいしてつぎのように述べた。

「人びとはジャガーにたいし革新を期待しています。それは革新的なクルマを誕生させたときこそ、ジャガーが最高の力を発揮することを人びとが知っているからです。C-X75はコンセプトカーとして極めて高い評価を受けました。今回発表した市販モデルは、ビジネス的にも明確な見とおしが立っています。技術革新にたいするジャガーのあらたな自信とレベルを、これ以上明確に象徴するクルマはほかにないでしょう」

具体的な今後のプランはあきらかではないものの、C-X75は限定250台が70万ポンド（約9,200万円）で販売される予定だ。