戸田恵子 連載|「B・G ブランド」からニューアイテムが到着!
戸田恵子|K-CO×GOコンビが語るクリエイティブへのこだわり
「B・G ブランド」からニューアイテムが到着!(1)
昨年末におこなわれた戸田恵子クリスマスライブへ遊びにいかれた方はすでにご存知かと思うが、K-CO×GOコンビこと、戸田恵子×植木 豪コンビによるデザインプロジェクト「B・G brand(B.Gブランド)」から新作が登場した。前回のリリースでは“シックロック”をテーマに、ロゴだけのシンプルなデザインにさりげなくラインストーンをほどこした大人な表情のTシャツを発表したが、今回は一転してフロントに大きなオリジナルスマイルマークをはいした大胆なデザインを展開。そこに隠されたデザインコンセプトとは? ブランドの歴史を振り返りつつ、本プロジェクトに対する想いを語った。
Text by OPENERS
じつはブランドの3周年なんです
戸田 まず“なにを作るのか”というところからはじまるのですが、今回は私が夏ごろからロングスリーブTシャツと決めていました。理由は単純、私がロンTが好きであること、私のまわりにもロンT好きが多いということです(笑)。
植木 皆さんずっと着てくれているんですよね。
戸田 洗濯を繰り返しても伸びないようボディから作っていますからね。襟ぐりもリブはこのサイズでこの縫いで、と非常に気を使っています。
前にも一度ロンTは作っているのですが、そのときはシックなものを作ったので、つぎは元気なものを作りたいという想いがあったんです。それを豪に伝えて、あとはお任せしました。
植木 姉さんがスマイル好きだというのは前から知っていて……スマイル公認大使でしたっけ? 認定されているんですよね。
戸田 アメリカにスマイルマークの権利をもっている方がいて、世界各国にスマイル大使みたいなものを認定されているんです。まぁ、署名すれば誰でもなれるのですが(笑)。
植木 それを知っていたので僕のなかにスマイルをモチーフになにかできないかというアイディアがずっとあったんです。そうしたら今回元気のあるデザインをとリクエストされ、いいタイミングかなと。スマイルを中心に、これまでデザインしてきたモチーフを組み合わせました。じつはブランドの3周年なんです。なので歴史を凝縮したような演出ができないかと思い、ブランドアイコンを勢揃いさせてみました。このスマイルなんですけど、口をブランドのテーマでもある“Show must go on”の文字で描くことはもともと考えていたのですが、この眉毛は姉さんに見せるまではなかったんです。レイアウトが完成して、いよいよ最終の打ち合わという段階で眉毛をくわえたらどうなるんだろうと。
戸田 このひとクセのおかげでやんちゃな感じと言いますか、よりB.Gっぽさが表現できていると思うんです。私がこだわったのは箔ですね。このザラついた質感が気に入っていて、高級感を演出できるというか、フラットな箔だけでは出せない雰囲気が出せているのではないかなと思います。いつもならピンクやブルーを使うところですが、今回はメンズにもウィメンズにも対応できる色をということでパープルを選びました。すでに半そででも欲しいといううれしい声をいただいております!
植木 バックスタイルにはブランド名の由来である“Back Gamon”のロゴを入れ、恵子のKと豪のGだけに色をのせています。まぁ、気づいたひとにわかってもらえればいいかなと(笑)。“0207”というのはAから数えたときのBとGのアルファベットの順番と、2007年からスタートしたという意味があります。すごい偶然ですよね、まぁ僕が最初に気づいたんですけど(笑)。
戸田恵子|K-CO×GOコンビが語るクリエイティブへのこだわり
「B・G ブランド」からニューアイテムが到着!(2)
トートバッグはほとんど私のもちこみ企画です(笑)
戸田 今回このスマイルモチーフを使ったステッカーも作ったんです。これは3周年記念という意味もありますが、前々からステッカーは作りたいと思っていたんですよね。今回このスマイルのモチーフが本当によかったので、最初はこれひとつだけのつもりだったんです。でもせっかく3周年なんだから、ということでブランドロゴやナイトスカルといったブランドを代表するモチーフを入れました。いつものピンクとブルーを基調にしたスマイルモチーフは、クラウンのイエローが効いててとても気に入っています。
植木 このスマイルが過去に作ったモチーフのなかでも一番インパクトがあるかもしれないですね。色味を変えるだけで雰囲気ががらりと変わりますし、たとえば表情を変えたりとか、今後いろいろ遊べそうですね。
戸田 トートバッグはほとんど私のもちこみ企画です(笑)。
植木 趣味ですもんね。僕はバックパックしか持たないので、トートにかんしてはさっぱり(笑)。バッグにかんしては完全に任せています。
戸田 雑誌の付録としてタダ当然で手に入るいま、あえて素材や縫製にこだわったり、箔をほどこしたり、きちんと作り込まれたものを作ろうと思ったんです。それもロックテイストのクールなイメージのものを。ということで前回のリリース時にはミニトートを作ったのですが、それを見た共演者さんやメイクさん、スタイリストさんなど、まわりの方々から“大きいものが欲しい!”との声をたくさんいただきました。
それで気づいたんです、働く女性や小さなお子さんをお持ちのお母さんたちは、なんでもざくざく入れられるものを求めているんだって。それでとにかく大きくて軽くて使い勝手もよく、なおかつ、かっこいいものを作ろうと思ったんです。
なかには細かく収納できるようセパレートしたワンサイドポケットがついています。
また、いろいろつめこむのでマグネットをつけて口が閉じるように、ハンドルも実際に握る部分を前もって折っておくことできれいなラインを保てるようにしてあります。こだわったのは底に板を入れたことですね。形も崩れませんし、なにより安定感があります。
植木 姉さん自身、トートバッグをたくさん持っているからよくわかっているんですよね。たくさん見て研究してきているので文句なしの使いやすさですよ! 最近はメンズファッションシーンでもビックトートが流行っていますよね。街でもよく見かけるようになりました。優しい印象のキャンバス地にブルーやグリーンのハンドル、といったベーシックなデザインが氾濫するなか、こういったブラック×ゴールドというクールなイメージのアイテムってなかなかないんですよね。
戸田 今後このプリントパターンでいろんなものを作っていきたいですね。
植木 バックパックだったら僕も語れますよ(笑)。
戸田恵子|K-CO×GOコンビが語るクリエイティブへのこだわり
「B・G ブランド」からニューアイテムが到着!(2)
ブランドとしてステップアップしなくちゃいけない時期
植木 2010年は固まっていたイメージをいい意味で壊した1年だったんじゃないかと思います。ずっとおなじところにいるのではなく、作り上げてきたものをさらに発展させるために壊し、幅を広げていくための時間だったのかなと。前回のリリースでみせたシックなデザインというのもそうしたことのひとつだったと思います。方向性は定まりつつ、いろんな表現を展開することができるようになってきた。
戸田 いままでこれほど大きく派手にデザインを入れたことはなかったので、ある意味今回もひとつあたらしいものに出会えたのかなと感じています。シックなものとキャッチーなものとのせめぎ合い、今後もその攻防をつづけていくんだと思います。大人ロックといいますか、年齢なんて関係なくロックしてほしいし、“もうちょっといっちゃおうよ!”という想いを伝えていきたいですね。
植木 大人もロックしつつ、普段からロックしている若者は逆にシックに、なんて逆の提案もしていきたい。
今回のTシャツって地味かハデかでいうとハデだと思うんですけど、でも作りはしっかりしているので若い方が着てもいつもとはちがった表情が生まれるんです。そんなふうに大人も若者も楽しめるものを作っていければと思っています。
戸田 最初のころを思うと、意思統一もはかれるようになったし、スムーズに仕事が進むようになってきましたし、いろんなことを勉強してやり方もわかってきた。3年くらいまではきっとそんなふうにわいわい試行錯誤しながらやっていけるんだと思うんです。そうして3年を迎えたいま、ブランドとしてステップアップしなくちゃいけない時期なのかなと感じています。自分たちの趣味で“ただやってるだけ”なんてことで終わりたくない。もっともっとって思っていないと発展しない、それを忘れないようにしたいなと思います。
植木 ものを見るときに“このアイディア今度使えるな”って思ったり、つねにあたらしいデザインのことを考えている。それでいいアイディアが思いついても、あたらしいアイディアが生まれれば古いものに上書きされ、洗練されていく。つねにブランドのことが頭にあるのは大きなことだと思います。いまのリリースのペースは僕はとてもいいなと思っていて、考えては出し、考えては出しというよりも、しっかり考えて、しっかり作って出せるというのはいいですね。おなじプリントを転写するのではなく、そのひとつのかたちに一番合ったデザインを考えることができるんです。
戸田 まだ秘密ですが、次回夏のリリースではTシャツのほかにファッションアクセサリーも作ろうかと思っているんです。
植木 バッグシリーズも僕としてはみたいですけどね。このパターンを使ってどんなものが展開されるのか。プラスチックの弁当箱とかどうでしょう(笑)?
戸田 弁当箱を入れる巾着ならわかるけど弁当箱はちょっと……食べ物に対して黒はタブー色じゃない(笑)?タンブラーとかは考えたいけどね。
植木 重箱みたいにはならないか(笑)。でもプラスチックのような硬い素材にも対応できるパターンだと思うんですよね。iPhoneとかiPadケースとかいいかも。すでに次回作のアイディアは頭にあって、それはおそらく6月ごろみなさんにお見せできるのではないでしょうか。楽しみにしていてください!
戸田 今回の新作はrumorsにて販売中です。また、現在2009年度までに発売した商品をブランドの3周年にちなんでほぼ3割引で販売していますので、ぜひこの機会に過去の商品も併せてご覧になってみてください!
──ありがとうございました。