TOYOTA Prius v|トヨタ プリウスv 出展
TOYOTA PRIUS v|トヨタ プリウスv
プリウスにワゴンボディが登場
トヨタ自動車は、1月23日(日)まで、アメリカ デトロイトで開催される2011年 北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)に新型車プリウスvを出展した。
文=松尾 大
増殖する、プリウス・ファミリー
プリウスの派生車種の第一弾として、あらたにラインナップにくわわることとなったのが「プリウスv」だ。以前から噂のあったワゴンボディで、現行のプリウスよりひとまわり大きいサイズが特徴である。
全長4,615×全幅1,775×全高1,575mmと現行モデルと比較すると、全長+155mm、全幅+30mm、全高+85mm。ホイールベースも80mm延長されており、ボディの拡大分は、おもに室内空間とラゲージスペースにあてられている。
室内空間は、現行プリウスでの課題のひとつであった後席からの見晴らしのよさを高めている。そのために、シートポジションが上げられたにもかかわらず、十分なヘッドクリアランスを確保しているのが美点だ。また、前後のシートピッチは38インチ(=約96.5cm)となっており、大柄なパッセンジャーでも快適なスペースが保たれる。また、ラゲージスペースは34.3立方フィート(=約971リットル)をマーク。トヨタによると代表的なコンパクトSUVよりも広い空間が確保できたとしている。ゆとりある室内空間と広く、つかい勝手の良いラゲージスペースを備えた、多様なライフスタイルに応えるあたらしい時代のミッドサイズ・ステーションワゴンというわけだ。
エクステリアデザインは、前後のタイヤとキャビンを結ぶ三角形からなる「トライアングルシルエット」と呼ばれるプリウスならではのスタイリッシュなフォルムではあるが、ボディ後部が切り立ったワゴンボディを採用したため、空力的にはロスが発生。それでも空気抵抗係数CD値はプリウスの0.25に対して、このプリウスvでは0.29と極端に悪化はしていない。
SULEV/Tier 2 Bin 3をマークする高い環境性能を実現
動力は、通常のプリウスと同様、アトキンソンサイクル方式の1.8リッター2ZR-FXEエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用している。エンジンは、最高出力73 kW(99ps)/5,200 rpm、最大トルク142 Nm(14.5kgm)/4,000rpmを発生。モーターは、最高出力60kW(82ps)、最大トルク207Nm(21.1kgm)を発生し、システム全体としては、最高出力100kW(136ps)を発生するという。
また燃費性能では、米国燃費基準によるトヨタ社内目標値として40mpg(=約17km/ℓ)を実現。CO2排出量は発表されていないが、排ガス性能は社内測定地でSULEV(国土交通省による平成17年排出基準75パーセント低減レベル車)/ Tier 2 Bin 3(アメリカ合衆国で1994年から実施されている排出ガス規制の“第2段階・第3等級”。ちなみにBin1は電気自動車などのゼロエミッションビークルを指すので、内燃機関をもつ場合は最高でもBin2)をマークしているという。
インテリアデザインは水平基調のインストルメントパネルが室内の広がりを演出するとともに、シンプルでモダンなものとなっている。
装備面では、温度・風量・モードの切替をひとつのダイヤルで操作可能とした、エアコンシステムを採用。LEDヘッドランプ、レーダークルーズコントロールにくわえ、トヨタ初となる大型の樹脂製パノラマルーフなどが搭載される。安全面では、S-VSCや7個のSRSエアバッグを標準装備し、プリクラッシュセーフティシステムを設定している。
このプリウスvは日本での発売時期や価格などはあきらかにされていないが、北米市場では今年の晩夏に発売開始される予定だという。
TOYOTA Prius v|トヨタ プリウスv
ボディ|全長4,615×全幅1,775×全高1,575mm
ホイールベース|2,780mm
エンジン|1.8リッター DOHC 直列4気筒 16バルブ VVT-i(アトキンソンサイクル方式)
トランスミッション|CVT
最高出力(エンジン)|73 kW(99ps)/5,200rpm
最高出力(モーター)|60kW(82ps)
最大トルク(エンジン)|142 Nm(14.5kgm)/4,000rpm
最大トルク(モーター)|207Nm(21.1kgm)
最高出力(システム全体)|100kW(136ps)
乗車定員|5名
バッテリー|ニッケル水素
燃費(社内目標値)|40mpg(約17km/ℓ)
排ガス性能(社内測定値)|SULEVレベル