「RC」、「SRC」とは? 不動産のプロに聞く物件探しの “コツ”

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お部屋探しをしていると、「RC」や「SRC」など聞きなれない言葉を耳にしたり、「マンション」と「アパート」の違いなど、なんとなくわかっているようで具体的に知らないことが出てくることも多い。

家は一度住み始めると、不満があってもすぐに引っ越すのは難しいため、住み始めてから後悔しないよう事前にチェックできるポイントを極力抑えておくことが大切だ。

物件探しに役立つ豆知識を不動産ソリューション事業を手掛ける株式会社グローバル・リンク・マネジメント一級建築士の岩佐 千春さんにうかがった。

【物件探しコツ1】不動産会社選び
地域密着型、大手共にメリット・デメリットがあるため、キャンペーンや初期費用の支払い方や掘り出し物の有無などを考慮して不動産会社を選びたい。

<地域密着型不動産会社の特徴>
地域密着型は、家賃の値下げ交渉が有利に働く場合があるという。地域に根差して昔からあることが多く、大家とも長い付き合いがあることもしばしば。その場合、家賃交渉がしやすくなる可能性や、掘り出し物物件を紹介してもらえる可能性もある。

一方で、例えば大家との繋がりを重要視している場合には、接客時に借主側の印象が悪いと判断された場合には物件を貸してくれない可能性があるそうだ。

<大手不動産会社の特徴>
支店も多く、広範囲に渡って取り扱う物件数が多いことが何よりもメリット。新着物件に出会える機会が増え、条件に合う物件を見つけやすくなったり、仲介手数料に応じた各種ポイントがもらえることや、お得なプレゼントキャンペーンなども盛んに行っている。大手不動産会社では入居にかかる初期費用をクレジットカードで支払うことができたり、分割支払いに対応している場合もあるようだ。


【物件探しコツ2】建物構造の意味と違い
賃貸サイト物件概要の「構造欄」でよく見かける「RC」や「SRC」という文字。物件を探している時は、間取りや駅からの距離、築年数などの設備面に目がいきがちだ。岩佐さんによると、建物構造も住み心地を大きく左右するので大切だという。建物構造は主に下記の4種類。

<1.木造建築>
木造とは、壁や柱、床や梁、屋根などの主要な構造部に木材を使って組み立てていく建築物のことで、日本古来からある工法で、日本ではまだまだ主流。

RCやSRCに比べ建築コストや家賃相場が安く、通気性や断熱性、吸湿性に優れていることも大きなメリットである一方、RC・SRCに比べ耐久・耐火性が低く、火災に見舞われたときには被害が大きくなりやすいので注意が必要だ。また、気密性が低いため、生活音が漏れやすく冷暖房が効きにくいというデメリットもあるようだ。

<2.鉄骨構造(重量鉄骨、軽量鉄骨)>
鉄骨造には"重量鉄骨造"と"軽量鉄骨造"があり、軽量鉄骨造は細い鉄骨を沢山使って強度を出す。対して重量鉄骨は太い大きな柱や梁を使うことにより強度を出す。厳密に言うと鉄骨造という場合は6㎜以上の厚みの鋼材を使った「重量鉄骨ラーメン構造」のことを指すことがほとんどとのこと。

ラーメン構造は建築物の重さを柱と梁で支える工法のため、梁と柱の接合部が剛接合になっていて耐久性と設計自由度に優れているというメリットがあり、鉄筋コンクリートよりも軽いので、超高層マンションにも用いられる工法のようだ。

<3.RC(鉄筋コンクリート造)>
「RC」とは“Reinforced Concrete”の略で、直訳すると、「より強化されたコンクリート」。正式には「鉄筋コンクリート造」。

鉄筋の骨組みにコンクリを流し込んで施工していく。従来は10階建て未満の中低層マンションに多く用いられていましたが、近年では高強度のコンクリートが開発され、高層マンションに用いられるケースも増えている。防音性が高いため、音が気になる人にとっては非常に住みやすく、万が一地震や火災にあったときも耐久・耐火に優れているので、被害が広がりにくいというメリットがある。

ただし、熱伝導率が高いため夏は暑く冬は寒くなりやすく、エアコンなどの冷暖房費がかさみやすいというデメリットも。また、気密性が高くカビが生えやすいところも弱点とのこと。

<4.SRC(鉄骨鉄筋コンリート造)>
「SRC」とは、“Steel Reinforced Concrete”の略。鉄骨(Steel)は、単体でも柱や梁に使用されるほど強度のある鋼材であり、鉄筋とさらに太くて頑丈な鉄骨でコンクリートを補強するため、しなやかさと強度が増すことがRC(鉄筋コンクリート造)との違いのようだ。

鉄骨の柱の周りをコンクリートで固めていく工法で建築コストはRCに比べ高くなるため、10階建て以上の高層マンションやビルでないとあまり馴染みがないかもしれない。


【物件探しコツ3】不動産の徒歩時間と表示基準
物件情報で必ず見かける“徒歩●分”。しかし、実際に自分の足で歩いてみると表示されていた分数と違う!なんてことも……。この徒歩●分は何を基準に表示しているか聞いてみた。

徒歩所要時間は「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第5章 表示基準 第10条「物件の内容・取引条件等に係る表示基準」にて算出基準が定められており、不動産広告に掲載されている分数は、以下の基準をもとに計算されている。

徒歩1分は80m、車1分は400m。(1分未満の端数は切り上げ)
徒歩1分=80mの基準は、健康な女性がハイヒールを履いて歩いた平均分速が80.3mとなっていることから採用されたといわれているが、実際には昭和38年に公正取引委員会でルールを策定する際に女性職員の1人に廊下を歩かせたときの速度を元にしているそう。

表示されている距離は、目的地の出入り口ではなく一番近い敷地部分までの距離のため敷地内の奥に入口がある大きいスーパーや駅などでは、表示よりも時間がかかることがある。また、信号や踏切を横断する際の待ち時間も含まないそうだ。

事前にチェックできるポイントをおさえておけば、より良い物件に巡り合えそうだ。

【取材回答者】
株式会社グローバル・リンク・マネジメント
建築企画部 建築企画課 課長代理
一級建築士 岩佐 千春さん

問い合わせ先

グローバル・リンク・マネジメント

https://www.global-link-m.com/

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