世界的イラストレーター・空山基氏と、ロジェ・デュブイが夢のコラボレーション｜ROGER DUBUIS

ROGER DUBUIS｜ロジェ・デュブイ

日本限定28本！　有機的なフォルムが冴え渡る「エクスカリバーモノバランシエソラヤマ」

ロジェ・デュブイは、世界的なイラストレーターである空山基氏とのコラボレーションによる新作「エクスカリバーモノバランシエソラヤマ」を、日本限定28本でリリースした。ロジェ・デュブイのシグネチャーデザインに空山氏の再解釈を加え、精密な装飾が捉える光をモアレ効果で表現した、有機的な印象を与えるウオッチとなった。

Text by OZAKI Sayaka

光と動きの戯れを表現する、精巧なマイクロローターが主役に

ロジェ・デュブイは、常に物事のあり方に挑戦し続け、ハイパーオルロジュリーの未来を形作るために、2021年よりアーバンアーティストとの協働を強化してきた。そして今年、ロジェ・デュブイは世界的イラストレーターである空山基氏とのコラボレーションによる新作「エクスカリバーモノバランシエソラヤマ」を発表した。

空山氏は、イラストレーションというジャンルを超え、伝統を揺るがした代表作「セクシーロボット」シリーズ（1978年～）を生み出した人物。その丸みを帯びたラインと磨き上げられたクロームメッキの質感は、ロジェ・デュブイのシグネチャーデザインの対極にあるように見える。しかし、世界中に熱狂的な支持者をもつ空山氏とロジェ・デュブイは、ルールを破り新しいアートを創造しようとする価値観を共有し、「セクシーロボット」で作り出すような光と動きの戯れを表現した、新しいタイムピースを誕生させた。

この新たなタイムピースの主役は、文字盤左上に配された、モアレ効果をもたらすマイクロローターだ。

世界的イラストレーター・空山基氏と、ロジェ・デュブイが夢のコラボレーション｜ROGER DUBUIS

モアレ効果とは、線と線の干渉によって生じる模様のことであり、2本の線または格子が重なったときに生じる。固定されたフリンジサファイアガラスと、精緻なエングレービングが施された動くメタリックパーツによって生み出されるモアレ効果は、メゾンが誇る職人の技術と、現代美術家である空山基氏の創造・想像力との化学反応によって生み出された、前例のない驚異的なものだ。

この光学的効果は、ローターのタングステン部分（可動部）に直接取り付けられたパーツにギョーシェ装飾を施し、光を反射する「ピラミッド型」の規則的なパターンを作り出し、また、その上にブラックの規則的なラインが刻印されたサファイアガラスによって生まれる。この開発には、サファイアガラスに施すラインの最適な配置などに約1年以上を要し、空山氏の美学とロジェ・デュブイの巧みな時計製造技術が融合されている。

空山氏はロジェ・デュブイの従来のルールを大胆に破りつつも、故ロジェ・デュブイ氏へのオマージュとしてオリジナルの形状を残し、再解釈を加えている。ロジェ・デュブイのアイコンであるスターシグネチャーに曲線で丸みを持たせるとともに、従来は円形だった中心部を五角形にリデザイン。また、ケースとブレスレットは、ブランド史上初のフルポリッシュ仕上げで、これはメゾンの従来の方法および故ロジェ・デュブイのこだわりとは異なるものだが、すべてのパーツをポリッシュすることでコントラストを消し、全角度をわずかにカーブさせることで、このタイムピースに非常に滑らかで有機的な印象を与えつつ、圧倒的な存在感とラグジュアリーさを表現している。

つまり、ロジェ・デュブイの従来のデザインでは、シャープですっきりとしたラインとアングル、そしてコントラストを際立たせるためにさまざまな仕上げが施されているのに対し、空山氏のデザインは、まるでセクシーなロボットのように、曲線的で丸みがあり、最大限の輝きを放つように磨き上げられている。こうした空山氏によるアヴァンギャルドかつ精緻なデザインによって表現されたタイムピースは、もはやアートといえるものであり、ウオッチメイキングの未知なる地平をどこまでも切り拓くロジェ・デュブイが、ウオッチの次なる可能性を示すものなのだ。