ホリデーシーズンにふさわしい特別モデル|RALPH LAUREN
RALPH LAUREN|ラルフ ローレン
高次元のエナメル技法による文字盤を採用
細密画が美しい「スティラップ エナメル ダイアル」
2009年に初の時計コレクションを世に送り出したラルフ ローレン。複雑機構の極致であるトゥールビヨンも製作し、ケースの外装技術でも大きな注目を集めるラルフ ローレンが、次に挑戦したのは、芸術的で、クラフツマンシップあふれるエナメル文字盤だった。
Text by KAWADA Akinori
ラルフ ローレンのアイデンティティを描く
もしかすると、どの複雑機構よりも製造が困難かもしれない……と言っても、決して言い過ぎではない。それが「焼成エナメル」(グラン・フー エナメル)による文字盤の製作であり、中世から継承されるこの技法を使って、実際に文字盤を作っている時計ブランドは指折り数えられる程度しかない。
2007年に時計製造に乗り出し、初コレクションを2009年に送り出したばかりのラルフ ローレンが、そんな芸術的な時計作りにチャレンジした。既にラルフ ローレンは、トゥールビヨンを製造し、「スリム クラシック」コレクションの文字盤の美しいギョーシェ装飾や「スポーティング」コレクションのヴィンテージ風のケースの表面加工など外装技術でも定評を得ている。
クラフツマンシップあふれるエナメル文字盤の製造工程は、複雑さを極める。下地となるエナメルを文字盤に盛り、ハンドペイントで絵を描く。そして、ガラス質の上薬の粉末を散布し、高温で焼成……。しかし、絵を描くところからして、毛1本のみの筆を用い、顕微鏡を覗き込みながら、微細な作業の連続。ここまでで約80時間を要する。
しかも、エナメルの高温焼成は、高度な陶芸品を焼くのと一緒で、温度管理などに大変な苦労を要する。実際に映像で作業を見てみれば、熟練の職人しかなし得ない技の集大成である。
そうしてできあがった「スティラップ エナメル ダイアル ウォッチ」の文字盤には、ラルフ ローレンのシンボルである、ポロ競技のプレーヤーの絵が、躍動感いっぱいに描かれている。
まさに芸術作品であり、ラルフ ローレンの新境地をまたもや開いたこの時計は、脱帽ものである。