34mmというケースサイズがドレスウオッチとしての品格を強める
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2025年10月10日

34mmというケースサイズがドレスウオッチとしての品格を強める

TIMEX|タイメックス マーリン クォーツ 34mm

TIMEX(タイメックス)から、1950年代のクラシックモデルを復刻した『Marlin Quartz 34mm』が登場。70年を超える歳月を経て現代に甦った珠玉のドレスウオッチだ。

Text by WASEDA Kosaku

70年の時を超えて蘇るアメリカンクラシック

新作『Marlin Quartz 34mm』は、1950年代の防塵・防水・耐衝撃性を備えた機械式時代のアーカイブをもとに、2017年に復活した「Marlin(マーリン)」シリーズの最新作として作られたモデルだ。
マーリンシリーズの歴史は1950年代半ばにさかのぼる。社名がTIMEXに変更される以前の「U.S. TIME」時代に、“TIMEX”ブランドとして初めて登場したモデルなのだ。当時はクォーツ時計が存在せず、すべてが機械式の時代。精密機械であった腕時計の世界で、防水時計や堅牢性の高い時計は高価格帯に限られ、一般消費者には手の届かない存在だった。
そうした市場環境の中、TIMEXは合金の「アーマロイ」を用いた耐久性の高いムーブメント「V-CONIC」を開発。マーリンシリーズは、防水性・耐衝撃性を備えながらも手の届きやすい価格設定で市場に投入された。
この革新的なアプローチが功を奏し、実用性と信頼性を兼ね備えた同製品は大ヒットを記録。戦後の経済成長期と重なる形で需要が拡大し、全米25万店舗での取り扱いを実現するまでに成長した。「手の届く価格で高品質なドレスウオッチ」という新たな価値観を創出したマーリンは、アメリカ時計文化の象徴的存在となったのである。
今回の新作は、34mm径のクォーツモデルとしてデザインをアップデートしている。趣のあるアクリル製ドーム風防を採用し、当時のサイズとシルエットを忠実に再現。クロコダイル模様の型押しレザーストラップを組み合わせることで、クラシックな美しさを保ちながら現代の日常使いに適した雰囲気に仕上げている。
今では小ぶりとされる34mm径であるが、この控えめなサイズこそがクラシックな品格を表現するポイントだ。袖口にすっきりと収まるプロポーションに加え、全面ポリッシュ仕上げのステンレススチールケースと細身のベゼルにより、サイズを超えた存在感を発揮する。
文字盤には縁が曲面状のボンベダイアルを採用し、手間をかけた仕様となっている。外周にはレイルウェイミニッツマーカーを配置し、エンボス加工による立体的なインデックスはローマ数字とバーを組み合わせることで、視認性と高級感を両立している。
ケースには光沢のある輝きを放つポリッシュ加工を施し、スタイリッシュかつエレガントな外観を実現している。細いラグの側面には、ヴィンテージ時計に多く見られる「ラグホール」をあえて設け、ケースと一体感のある仕上がりとしている。
時計回りに自然と指がかかるよう設計されたリューズは、緻密な傾斜とエッジの効いたギザ加工により、優れた操作性と繊細な質感を両立している。
この34mmという絶妙なサイズ感と洗練されたデザインは、身に着けるというよりも忍ばせるという感覚に近いかもしれない。クラシック時計が持つ普遍的な美しさを、日常に溶け込ませる1本だ。
タイメックス マーリン クォーツ 34mm
ケース素材|ステンレススチールケース​
ケースサイズ|34mm径
ストラップ|レザー(クイックリリース)
防水|3気圧
カラー|シルバートーン×ホワイトダイヤル、ローズゴールドトーン×ホワイトダイヤル、ゴールドトーン×グリーンダイヤル
取扱店舗|TIMEX公式オンラインショップ、全国の時計販売店・家電店
価格|2万6400円(税込)

問い合わせ先

TIMEX
https://www.timexwatch.jp/

                      
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