銀座のトラディショナルバーに息づく“粋”と“気高さ”を文字盤に表現|SEIKO
SEIKO|セイコー
男がハードボイルドになる瞬間。
その時、腕に着けるのはこの時計である
学生時代に夢中になって読んだレイモンド・チャンドラー。その主人公、フィリップ・マーロウに憧れた時代もあった。いつかはBarで、ひとりで飲むのが似合う男になりたい。そんなことを夢見て、気がつけばフィリップ・マーロウよりもずいぶんと歳を食ってしまったようだ。男はハードボイルドを夢見る。そんな時に、この時計を着けていたい。
Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)
その先へ。洗練された現代のスタイルで
東京・銀座の凄腕バーテンダーが仕込んだドリンクは、たとえ定番レシピであろうとも、その味わいにとびきりの魔法がかかる。どんな舌を持ち合わせていようとも、舌先でピリリと弾ける泡から立ち上る香りに、必ずや魅了されるに違いない。
その弾ける泡をマイクロバブルと呼ぶ。作り方はインフィニティシェイク。このシェイク方法は、バーテンダーひと筋で黄綬褒章を受章した岸久(きし・ひさし)氏が独自に辿り着いたものである。小型シェイカーを用いて、小刻みに横八の字に振る、そのシェイカーの軌道から付けられた名称だ。氷がドロっと溶け出してしまう前に小刻みに振られることで、削り取られた氷の角が微細な泡を作る。マイクロバブルだ。その泡ひとつひとつに、リキュールの芳しい香りを封じ込める。それが口に広がった瞬間に、パァーっと、華やかな香りが鼻孔を内側から包み込む。
欧米での良きバーテンダーとは、ひとりで何人もの客を捌くのが良しとされてきた。大きな“ハコ”を効率よく取り仕切る営業スタイルである。目線はオーナーに向いているのだ。しかし、日本の伝統Barは違う。客の行動をそれとなく観察し、付かず離れずサポートしながら、最高のタイミングで、最高の一杯を作り出す。目指すところが端から違うのだ。Bar業界では、日本のバーに息づくホスピタリティを学び直そうと、そのために日本に訪れる海外のバーテンダーが多いと聞く。欧米流が本式とばかり思っていたBarにも、日本のもてなしの精神は世界に響いている。
<セイコー プレザージュ>STAR BAR限定モデルは、そんな背景から生まれたコラボレーションモデルだ。日本の匠の技を文字盤に表現するコンセプトと、世界に通用する一流バーテンダーとのコラボレート。その真摯なものづくりの姿勢と新たな価値を探求し続ける精神は、ガッチリと同じ方向を向いている。
具体的には、前出の岸氏が日本の情景をカクテルで映し出し、その風合いに合わせた文字盤を作る。選ばれたコンセプトはふたつ。「Starlight」「Sakura Fubuki」だ。ダウンライトの下、時計の文字盤は、ことさら饒舌になる。通常の文字盤製造ではあり得ない作り方で、光の反射を創造しているからだ。オフホワイトの乱反射は、桜吹雪。星々の瞬きは、スターライト。文字盤を眺めていると時間を忘れてしまうような、そんなジョークみたいな台詞ひとつも呟きたくなる。すぅっと吸い込まれていく感覚だ。
腕時計を選ぶ際に、スーツスタイルを前提に選ぶ人が大半だろうが、こうした叙情から選ぶのも悪くない。いや、時という概念を計る道具には、こうした叙情が必要なのかもしれない。
岸氏の店鋪「STAR BAR TIES」では、12月25日(月)までの期間、STAR BAR限定モデルの先行展示が行われている。もちろん、オリジナルカクテル2種もオーダー可能。この文字盤の味わいを、このダウンライトの下で確かめていただきたい。
<セイコー プレザージュ>STAR BAR限定モデル
ムーブメント|自動巻き
機能|パワーリザーブ表示、6時位置にデイト表示(左)/3時位置にデイト表示(右)
ケース素材|SS
ケース径|40.5mm
ケースバック|シースルー
防水|5気圧
価格|6万円(左)、4万5000円(右) ※いずれも税別
限定数|1300本(左)、1000本(右)
発売予定日|11月17日(左)、2008年1月12日(右)
それぞれStarlightの三針モデル、Sakura Fubukiの多針モデルもラインナップ
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