ブレゲ|スイス国立博物館で『アブラアン-ルイ・ブレゲ回顧展』を開催|BREGUET
BREGUET│ブレゲ
スイス国立博物館で『アブラアン-ルイ・ブレゲ回顧展』を開催
時を越えた偉大な時計師の軌跡
以後の技と美に大きな影響を与えたブレゲの創立者 アブラアン-ルイ・ブレゲの生涯と業績に焦点を当てた『アブラアン-ルイ・ブレゲ回顧展』が、10月6日(木)から2012年1月8日(日)までスイス・チューリッヒの国立博物館で開かれる。
文=谷中朋未
ナポレオンに販売されたキャリッジクロックなど貴重な名品を一堂に紹介
「時計の歴史を200年早めた」といわれるアブラアン-ルイ・ブレゲ。没後200年近くたつ現在においても偉大な時計師と賞賛されるブレゲは1747年スイスに生まれ、1775年パリに工房を構える。その顧客にはマリー・アントワネットやボナパルト一族、英国王ジョージ4世、ロシア皇帝アレクサンドル1世といった、当時もっとも地位の高かった人物たちが名を連ねた。
今回の回顧展では、170点以上ものポケットウォッチやマリンクロノメーター、ポートレートなど、当時の最新の技術がもちいられた時計を紹介。さらに、重要な発明を保護するため、ブレゲが特許申請書に添えた図版など、普段は表に出ることのない資料が年代を追って展示される。
なかには、ダイヤモンドを贅たくに使い、1800年にジョセフィーヌ・ボナパルトに販売されたタクトウォッチ(触覚時計)や、ブレゲが生み出した文字盤装飾「ギヨシェ彫り」のゴールドケースに、時と秒のシルバーのサブダイヤルがほどこされ、1813年にナポレオンの妹でトスカーナ王妃エリーザ・ボナパルトに販売されたメダルウォッチなど、貴重な時計が並ぶ。
さらに、ナポレオンがエジプト遠征に出かけるのに先立ち1798年にブレゲから購入したキャリッジクロックは、ブレゲが製作した時計の美しさが一段と際立つようオブジェと組み合わせた独特の演出で展示。見どころのひとつとなっている。
会期中は、ブレゲ社の職人がさまざまな工芸技術を来場者に披露する機会も。10月30日(日)、11月13日(日)、12月4日(日)には、彫金や面取り、ギヨシェ彫り、カメオ彫りなど、職人たちによる伝統の専門技術が実演される。また11月20日(日)には、今回の企画展で委員を務めた歴史家で、ブレゲ社の資料とアンティークウォッチのコレクションを管理しているエマニュエル・ブレゲ氏による講演も開かれ、アブラアン-ルイ・ブレゲのすばらしい時計づくりの世界を来場者に紹介するという。
ブレゲ社の基礎のみならず、時計の存在そのものの礎を築き上げたアブラアン-ルイ・ブレゲ。今回の展示は彼の偉大なる業績と、高い美意識をいまに伝えるまたとない機会だ。