MIKIMOTO|ウェーレンドルフ家に届いた一通の手紙から生まれた新作ジュエリー
MIKIMOTO|ミキモト
ウェーレンドルフ家に届いた一通の手紙から生まれた新作ジュエリー
「Wellendorff」の奇跡(1)
日本ではミキモトが取り扱っている1893年創業のドイツのジュエリーブランド「Wellendorff(ウェーレンドルフ)」。9月11日(日)に『ミキモト本店』で公開される新作リングは、創業家ウェーレンドルフ家に届いた一通の手紙から誕生した。
Text by OPENERSPhoto by MIKIMOTO
リングを指につけて3回まわして願いごとを唱えると……
ウェーレンドルフは、創業当時から変わらない熟練の職人による手作業でのジュエリーづくりが特徴。
とくに有名なのがリングとネックレスで、鮮やかなエナメルが美しいリングは、指につけたまま3回まわして願いごとを唱えるとかなう、というドイツの伝説にちなんだ二重構造になっていて、中央の部分がくるくるまわるしくみが楽しい。
また、上質なシルクを思わせる肌ざわりのネックレスは、直径0.3ミリメートルの細い金線を手で編んで仕上げ、髪の毛が絡むことがないしなやかさと強靭さが特徴となっている。
今回の新作は、リングの内側に天使の姿が刻み込まれたもの。このリングは願いがかなう、というだけでなく、守られていることの幸福、愛する者との絆、困難に立ち向かうシンボルとなっている。
このリングは、9月11日(日)11時から19時まで『ミキモト本店』にてお目見えし、9月12日(月)以降はミキモト本店のほか、伊勢丹新宿店、髙島屋東京店、日本橋三越本店のミキモトコーナーで取り扱われる。
ミキモト本店
中央区銀座4-5-5
Tel. 03-3535-4611
http://www.mikimoto.com/
MIKIMOTO|ミキモト
ウェーレンドルフ家に届いた一通の手紙から生まれた新作ジュエリー
「Wellendorff」の奇跡(2)
ウェーレンドルフ家の皆さまへ
ここにお話しするのは、私がプレゼントとしてもらったウェーレンドルフのネックレスに起こった出来事です。
美しいウェーレンドルフのネックレスは、とても大切な思い出と結びついています。このジュエリーを手にしたとき、誰かが私の真の幸せを願ってくれていると感じました。私は、ネックレスにプレゼントされた天使のトップを付けました。それは私にとって守護天使だったのでしょう。
2010年2月末、不幸にも家が火災に見舞われました。それはあっという間の出来事で、私たちはまず書類、絵画、衣類を持ち出そうとしました。私はジュエリーを木箱に入れていましたが、その箱を求めて部屋を開けると、煙が部屋中に充満しており、もはや中に入ることのできない状況でした。
そしてつぎの日。ジュエリーが見つかりました。完全に鎮火するまで12時間も火に包まれていたにもかかわらず、奇跡的にジュエリーはそれぞれの魅力をとどめていたのです。
この体験のあと、ジュエリーは私にとって、まったく異なる意味合いをもつようになりました。なぜなら、奇跡はまさに起こるということが証明されたのですから。所有していた品々のうち、再び目にすることはないであろうと思っていた小さな天使の付いたウェーレンドルフのネックレスが火事に耐え抜いてくれたことは、まさに不幸中の幸いと申せましょう。
火事の翌日、私たちは、これは教訓としてとらえなくてはいけないと気づきました。怪我もなく逃げられたこと、もう一度すべてをやりなおすエネルギーが十分残っていたことに感謝しています。
困難ななか、勇気と強い意志を見せてくれた私の夫に敬意を表したいと思います。諦めることなく彼の側にいれば、絶望することも深く傷つくこともないと私に確信させてくれるように、彼はすべてを引き受けてくれました。私に深い安心感をあたえてくれたのです。
この私たちに起こった出来事を、私が敬服し尊敬するウェーレンドルフ家の皆さまに捧げたいと思います。
Inga Lasmane(インガ・ラスマーネ)