「レイダー・ビバーク 9000」に初のブラックモデルが登場|FAVRE-LEUBA
FAVRE-LEUBA|ファーブル・ルーバ
高度9000mの測定が可能な機械式腕時計
「レイダー・ビバーク 9000」のラインナップが拡充
高度9000mの測定が可能な世界唯一の機械式時計として2017年に登場した「レイダー・ビバーク9000」。ファーブル・ルーバの2019年のカラーテーマに合わせ、ブラックモデルがラインナップに加わった。また今秋には登山中の有事に対応するこれまでにないストラップも入荷する。
Text by KOIZUMI Yoko
エベレスト登頂に成功した機械式高度計搭載のメカニカルウオッチ
ファーブル・ルーバの2019年のカラーテーマである“ブラック”を受けて、同ブランドのコレクションには新たにブラックモデルが多数ラインナップした。そのひとつが「レイダー・ビバーク 9000 ブラック」である。
「レイダー・ビバーク 9000」は、2017年、世界で初めて、高度9000mを唯一測定可能な腕時計として登場したモデルだ。そして「ビバーク」とは1962年に発表された世界初の機械式高度計を搭載する腕時計のこと。1975年、故・田部井淳子氏が世界で初めて女性としてエベレスト初登頂に成功した際の携行品として選ばれたモデルである。
初代モデルの登場から55年後にその名前を引き継ぎ、高度計に加えて、新たに気圧計も搭載するモデルが「レイダー・ビバーク9000」であり、そのブラックエディションが「レイダー・ビバーク9000 ブラック」である。
標高が上がれば紫外線量が増え、さらに雪面で光は乱反射し、光がより強く目の中に入ってくる。その条件は、エベレストの山頂に近づくほど厳しくなり、腕時計の文字盤を見るのに世界一過酷な場所といっても過言ではない。サングラス用レンズには“エベレスト専用”と銘打つものもあるほど。そんな場所での視認性の確保は、死活問題といっていい。
その視点から「レイダー・ビバーク9000 ブラック」を見ると、山頂付近で必要となる情報が、他と比べてさらに読み取りやすくしていることが分かる。赤い長針は、一般的に秒針であることが多いが、このモデルの場合は高度を示す針。ベゼルに記されているのは高度計目盛りであり、ひと目盛り50m、1周で3000m。3時位置の赤い針は海抜からの高度と同時に気圧を示す。一方、時刻表示は白で統一。こちらもダイアルとのコントラストが明確で、読み取りやすい。
昨年はふた組のエベレスト登頂部隊が「レイダー・ビバーク9000」を装備品とし、無事に成功を収めている。登頂した登山家によれば、「このモデルの高度計としての精度は高く、ときにデジタル計測器よりも正確だった」そうだ。
その高度を計測するのが、Cal.FL311に搭載されているアネロイド気圧計である。アネロイド気圧計とは、内部を真空にした特殊合金で作られた密封カプセルが気圧によって膨張・収縮する特性を利用して高度を測るもの。膨張と収縮が回転運動に変換され、高度と気圧を表示する。この小さなカプセルで高精度を維持するには、高い技術力を要する。追従ブランドがいまだ出現しないという事実が、ファーブル・ルーバの孤高の技術力を証明している。
「レイダー・ビバーク9000」には現在、ラバーとアンテロープレザーのふたつのストラップが用意されているが、2019年9月には新たな機能を持った「RECCOストラップ」がリリースされる予定だ。
「RECCO」とは山岳遭難探索システムのこと。ユーザーが万一、雪崩に巻き込まれた際に、レシーバーが発する信号をリフレクターが受け取り、救援者に位置情報を提供するというというものだ。
冬山登山ウエア、スノボ・スキーウエアなど、これまでRECCOを身に着けるための各種アイテムは存在していたが、腕時計ストラップに導入するのは、RECCOにとっても初の試み。むろん「レイダー・ビバーク9000」ほど、装備モデルとしてふさわしいものはあるまい。
ウィンターシーズンがスタートする前に、RECCOストラップで、「レイダー・ビバーク9000」に安全装置を加えてはいかがだろう? 価格は3万円前後を予定している。
レイダー・ビバーク9000 ブラック