ROGER DUBUIS|SIHH 2013 新作ウォッチコレクション
WATCH & JEWELRY / SIHH&BASEL
2015年9月15日

ROGER DUBUIS|SIHH 2013 新作ウォッチコレクション

ROGER DUBUIS|ロジェ・デュブイ

中世風のコスプレで来場者の視線を独占

4つのテンプを持つ“革新”満載の複雑時計

天才時計師のロジェ・デュブイと、ヴィンテージウォッチの熱烈なコレクターでもあるデザイナーのカルロス・ディアスにとって1995年に創業したロジェ・デュブイ。2013年の新作は、4つのテンプを組み合わせたまったくあたらしいムーブメントを搭載した「エクスカリバー クアトゥオール シリシウム」を発表。世界中から集まった時計関係者をまたしても驚かせた。

Text & Event Photographs by SHIBUYA Yasuhito

時計愛好家垂涎の複雑機械式ムーブメントと大胆不敵なデザイン。そして、ジュネーブ・シールが象徴する伝統的な時計製造文化の継承。相反するともいえるこのふたつを看板に、高級時計ブームを牽引してきた1995年創業のロジェ・デュブイ。

2011年と2012年のSIHH(ジュネーブサロン)は、同社にとってコレクションの再構築とブランドの本格再始動を宣言した年であった。「プレイヤー(社交)」「ウォリアー(戦士)」「ベンチャラー(冒険家)」「ディーバ(歌姫)」という4つのファンタジー・ワールドを構築し、その世界に対応したコレクションを展開するという試みは、これまでの高級時計の世界にはない斬新な製品づくりのアプローチであり、世界中から集まった時計関係者を驚かせた。

そして2013年はここ数年間で蓄えられたその強力な製品開発力が、4つのシリーズの中でも最も人気のある「ウォリアー」イメージの「エクスカリバー」コレクションの新作として遺憾なく発揮された年となった。

そして2013年はここ数年間で蓄えられたその強力な製品開発力が、4つのシリーズの中でも最も人気のある「ウォリアー」イメージの「エクスカリバー」コレクションの新作として遺憾なく発揮された年となった。

その頂点に位置するのが、時計愛好家の視線を独占した「エクスカリバー クアトゥオール シリシウム」だ。4つのテンプを組み合わせたまったくあたらしいムーブメント、時計史上初となるシリシウム(シリコン合金)製のケースの組み合わせは、この新作モデルを中心にデザインされたブースと同様に、見た目も斬新そのものである。

ROGER DUBUIS|ロジェ・デュブイ 会場

これ以外の新作も、新型のデイト表示付ムーブメントを搭載するクロノグラフを筆頭に、新型のデイト表示付ムーブメント搭載の3針モデル、42mmケースに納めたトゥールビヨンスケルトンモデル、45mmの新型ケースに納めたダブルトゥールビヨンスケルトンモデル、ユニセックスサイズの直径36mmオートマティックモデルのブレスタイプと、非常に充実している。

さらに、時計愛好家の方々には「エクスカリバー」とともに、かつてブランドのアイコンでもあった「オマージュ」コレクションとして復活したミニッツリピーターモデルや、ラージデイト付のトゥールビヨンモデルも登場するなど見逃せないラインナップとなっている。

ROGER DUBUIS|ロジェ・デュブイ 01

Excalibur Quatuor Silicium|
エクスカリバー クアトゥオール シリシウム

4つのテンプの“合奏”で究極の時間精度を追求

4つのテンプ、5つのディファレンシャル機構が組み込まれた、590個のパーツから構成される超複雑ムーブメント「RD101」を搭載する高精度ウォッチ。7年間の開発期間を経て開発された、ダブルトゥールビヨンスケルトンに代わるロジェ・デュブイのあたらしい頂点モデルだ。自社内で開発製造された4つのテンプは単体としてはそれぞれ8振動(4Hz)で振動するが、これらが3つのディファレンシャル機構を通じ連携、4×8振動(4×4Hz)相当という超ハイビートで時を刻み、優れた精度を実現する。また残りふたつのディファレンシャル機構は、9時位置に配置されたパワーリザーブ表示機構と、ゼンマイのパワーを蓄える並列式ツインバレル機構の中に搭載されている。またケースは時計の歴史上初となるシリシウム(シリコン合金)製。チタン製ケースの約半分という超軽量ながら、十分な強度と独特のメタリックな輝きで、ムーブメントをしっかりと守る。

手巻き、シリシウムケース、アリゲーターストラップ、ケースサイズ直径48mm、30m防水、時分パワーリザーブ表示、新ジュネーブ・シール(申請中)、世界限定3本、1億626万円(予価)。発売時期未定。ローズゴールドケース、88本限定のモデル(予価4221万円/発売時期未定)もある。


ROGER DUBUIS|ロジェ・デュブイ 03

Excalibur Table Ronde|
エクスカリバー ターブル ロンド

12人の英雄が円卓を囲んだテーブルで時刻を表示

中世ヨーロッパの伝説の中でも最大級の伝説・伝承として名高い「アーサー王物語」をモチーフに作られたアートウォッチ。深みのある美しいグリーンとレッドの色が印象的な、グラン・フーと呼ばれる伝統的なエナメル(七宝)による、光の当たる角度によって多彩な美しい輝きを見せるダイヤル。ローズゴールドを素材に彫刻で精密に作られた、剣を中央に向かって掲げる12人の騎士たち。ふたつの職人技で、物語の世界を文字盤の上に再現した。なおデザインにあたっては、イギリスのウィンチェスター城のグレートホールにイングランド王ヘンリー8世(1491~1547)が再現したアーサーの円卓のレプリカが参考にされたという。この中世最大のファンタジーを愛する人には珠玉の逸品に違いない。

自動巻き、ローズゴールドケース、アリゲーターストラップ、グラン・フーエナメル製文字盤、ケースサイズ直径45mm、新ジュネーブ・シール取得、世界限定28本、2142万円(予価)。発売時期未定。サロン・ド・ロジェ・デュブイ 大阪 by oomiyaにて販売予定。


ROGER DUBUIS|ロジェ・デュブイ 05

Excalibur 42 Chronograph|
エクスカリバー 42 クロノグラフ

ダイナミックな2つ目顔に新型ムーブメントを搭載

「ローマ数字インデックス+ふたつ目(ツー・インジケーター)=クラシック」という常識を打ち破る、ロジェ・デュブイらしいインパクトのある顔の新作クロノグラフ。搭載ムーブメントは3時位置に30分積算計、9時位置にスモールセコンド、6時位置にデイト表示を備える、タングステン合金製マイクロローター式巻き上げ機構を持つ自動巻きの新型RD681。なお、写真のブルーダイヤルはサロン・ド・ロジェ・デュブイ 大阪 by oomiyaのみで販売される。

自動巻き、ステンレススティールケース、アリゲーターストラップ、ケースサイズ直径42mm、30m防水、新ジュネーブ・シール取得、258万3000円(予価)。今秋発売予定。


ROGER DUBUIS|ロジェ・デュブイ 06

Excalibur 42 Automatic|
エクスカリバー 42 オートマティック

デイト表示がくわわった
新型ムーブメントを搭載する新ベーシックモデル

クラシックなテイストを秘めながらダイナミックな顔を持つ「エクスカリバー」の新ベーシックモデル。あらたに6時位置にデイト表示がくわわった新型の自動巻きムーブメントRD640は、9時位置にスモールセコンドを備え、クロノグラフに搭載されているRD681同様にマイクロローター式の巻き上げ機構を持ち、その素材には効率向上のためタングステン合金が採用されている。ブレスレットの美しさ&フィット感も申し分のない仕上がりだ。

自動巻き、ステンレススティールケース&ブレスレット、ケースサイズ直径42mm、30m防水、新ジュネーブ・シール取得、165万9000円(予価)。今秋発売予定。


ROGER DUBUIS|ロジェ・デュブイ 07

Hommage Minute Repeater|
オマージュ ミニッツリピーター

創設者とともに超複雑モデルとして復活した伝説のコレクション

「オマージュ」は1995年、ブランドの誕生とともに発表されユニークで美しいケースデザインでロジェ・デュブイの名を印象づけたコレクション。残念ながら生産終了となっていたが、創設者ロジェ・デュブイ氏のブランドへの復帰とともに、基本スタイルを継承した限定生産の複雑モデルとしてカムバック。ふたつのモデルが新たにラインナップされた。これはそのうちのひとつ。搭載ムーブメントのRD08はミニッツリピーター機構に加えてフライングトゥールビヨン機構を搭載。このふたつの機構を駆動するのに十分なパワーを確保するために、プラチナ製のマイクロローターをダブルで搭載する。時計コレクターなら見逃せない特別な1本だ。

自動巻き、ローズゴールドケース、アリゲーターストラップ、ケースサイズ直径45mm、サイレントガバナー付きミニッツリピーター機構、フライングトゥールビヨン、世界8本限定、4011万円(予価)。国内入荷未定。

ロジェ・デュブイ
Tel.03-3288-6640
http://www.rogerdubuis.com/jp/

           
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