ロマン・ジェローム|ジュネーブ発、2016 最新腕時計のすべて|ROMAIN JEROME
WATCH & JEWELRY / SIHH&BASEL
2016年3月8日

ロマン・ジェローム|ジュネーブ発、2016 最新腕時計のすべて|ROMAIN JEROME

ROMAIN JEROME|ロマン・ジェローム

僕たちの遊び心が腕時計になった(1)

タイタニックやアポロ宇宙船、1970〜90年代のゲームやSFっぽいカルチャー、さらには1980〜90年代にSF小説でも流行したスチームパンクと、その世界観の独創性はスイス時計界でもトップを行くロマン・ジェローム。遊び心に溢れた時計作りに真摯に取り組む姿勢は半端ではなく、今回も存在感のある凄いキャラクターを持った時計たちを生み出した。

Text by KAWADA Akinori

文字盤をキャラクターたちが占拠

ロマン・ジェロームの時計を見ていると、いつも発想の豊かさに驚かされてしまう。同社のジュネーブのオフィスで新作のガイダンスを受けた時もそうだった。

今回の新作として用意されていたのは、スーパーマリオブラザーズ誕生30周年のメモリアルウォッチとスカルをモチーフにした超絶的なスケルトンウォッチである。

これまで手がけてきた作品の多くは、月の砂やアポロ宇宙船の素材、タイタニック号の船体の一部といった世界でも入手困難な素材を採用しながら、宇宙船やスチームパンクの世界に共感するユーザーから高く評価されてきた。「ジェネレーショナル・アイコン」シリーズで、懐かしのアーケードゲーム「スペースインベーダー」をモチーフとするモデルも発表されている。ユニークさという点では、このブランドの右に出る者はなく、新作となる2つのモデルも期待に違わないデキである。

TVゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の世界を描く

このブランドの強烈な世界観に染まっているファンも日本には少なくないだろう。ロマン・ジェロームにとっては、ゲームカルチャーも時計に取り入れるべき重要な要素であり、ゲームカルチャーを形成してきた多くの日本人の共感を得るところになる。

そんなロマン・ジェロームの世界に不朽の名作スーパーマリオブラザーズが加わる。このゲームが誕生したのは、1985年のことであり、誕生30周年の2015年に、このメモリアルの企画が公表された。それが、ついにデリバリーされるのだ。

この時計のセールスポイントは、なんと言っても文字盤。お馴染みのゲームの背景の中、ジャンプするマリオの勇姿は、30年前から、このキャラクターに慣れ親しんでいる日本人なら、やっぱり感慨深いものがある。そして、これがデジタルウォッチではなく、れっきとしたスイスの高級機械式時計として作られていることに瞠目させられる。

文字盤内のあらゆるモチーフは、ドット画を思わせるギザギザ付きで描かれている。テレビ画面の見事な再現であるとともに、これが、精密なエナメルペイントだと知った時の感動と言ったら格別である。プリントではなく、職人の手仕事による細密画であり、3層からなる立体感のある絵として描かれているのだ。

オールブラック仕様のケース、自動巻きのハイクォリティなムーブメントと、世界85本というレアな限定モデルに仕上がっており、ぜひ手に入れたい逸品に仕上がっている。

2-1ロマン・ジェローム|SIHH 2016 ジュネーブサロン速報|ROMAIN JEROME

RJ X スーパーマリオブラザーズ
ケース|ブラックPVD加工チタンケース+ブラックPVD加工ステンレススチールベゼル
直径|46mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.RJ001-A)
ストラップ|ブラックラバー
防水|3気圧
限定数|85本
発売時期|発売中
価格|250万円(税別)

Page02. スカイラブにスカルをプラス

問い合わせ先

オールージュ

Tel. 03-6268-8532

http://www.eaurouge.tokyo

ROMAIN JEROME|ロマン・ジェローム

僕たちの遊び心が腕時計になった(2)

スカイラブにスカルをプラス

「スカイラブ」は“空の実験室”を意味しており、1970年代に打ち上げられたアメリカの実験用人工衛星の名称である。数々の宇宙における実験を成功させ、宇宙開発や技術の進歩に大きな功績があった。その人工衛星をモチーフとするのが、この「スカイラブ」という時計である。

その姿は、宇宙船から見た人工衛星をイメージし、非常に建築物的に作られている。それは非常に立体感のあるスケルトン仕様の時計である。しかも、この時計の場合、仕上げやディテールにおいて徹底している。香箱や歯車、脱進機をささえる地板も受け板も、もはや板ではない。ほとんどのフレームを美しい加工が施されている。まさに構造物が中空に浮かんでいるかの如しで、宇宙と人工衛星を想起させるに十分である。

今回登場した「スカイラブ48 スピードメタル スカル」は、そのスケルトン文字盤に、スカル(骸骨)をレイアウトしている。スカルは、死に通じる不吉なものと日本人は捉えがちだが、死を通じて人生を考えるという哲学的な思考につながる。さらに、欧米では、魔をもって魔を制するという意味合いから、護符としてアクセサリーや紋章にも一般的に使われる。この時計とスカルの組み合わせは、宇宙の神秘性を強調する効果もあり、一段と特別な印象を生み出している。

この「スカイラブ48 スピードメタル スカル」は、ケース素材にアポロ11号の機体の一部を用いたスペシャルなものである。スカルは12色のバリエーションがあり、各色世界限定9本というレアピースだ。もし店頭で見かけることがあれば、入手しておきたい貴重な時計だ。

2-1ロマン・ジェローム|SIHH 2016 ジュネーブサロン速報|ROMAIN JEROME

スカイラブ48 スピードメタル スカル
ケース|ステンレススチール+ブラックPVD加工ステンレススチールベゼル(スチールはアポロ11号の素材を含有)
直径|48mm
ムーブメント|手巻き(Cal.RJ004-M)
ストラップ|ブラックアリゲーター
防水|3気圧
限定数|スカル12色×各9本
発売時期|発売中
価格|300万円(税別)

問い合わせ先

オールージュ

Tel. 03-6268-8532

http://www.eaurouge.tokyo

           
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