LONGINES|今年のハイライトは複刻された24時間ダイヤルモデル
WATCH & JEWELRY / SIHH&BASEL
2015年3月30日

LONGINES|今年のハイライトは複刻された24時間ダイヤルモデル

LONGINES|ロンジン

今年のハイライトは複刻された24時間ダイヤルモデル

1秒以下の読み取りも可能なクロノグラフも見逃せない。

スイス屈指の名門ブランド・ロンジンの新作は、例年以上にクラシックテイストのスタンダードモデル、スポーツモデルが揃った。どれも最新の機械式ムーブメントを搭載しながらリーズナブルな価格が魅力だ。

取材・文=渋谷康人

スイス時計の王道を行く伝統のスタイル&メカニズムが魅力

懐中時計の時代から高精度な機械式時計を作りつづけ、とくにスポーツウォッチやスポーツ計時の分野で偉大な歴史をもつ1932年創業の名門ロンジン。ここ数年は“クラシックへの回帰”という時計界の大トレンドをいち早く先取りした製品展開、具体的にはメンズ&レディスとも1950年代を彷彿させるデザインのモデルがコレクションのメイン。しかも、スウォッチ グループという世界最大の時計製造コングロマリットの中核ブランドである強みを活かして、高度なメカニズムをリーズナブルな価格で実現している点が大きな特徴だ。

とくに、快適で確実な操作感が実現できるコラムホイールや、回転するのではなく往復運動する針で表示をおこなうレトログラード表示機構という高級なメカニズムを採用したモデルはお買い得。また、スタイルはクラシックだが、風防に視認性向上のための無反射コーティング、針やインデックスに夜間の視認性が抜群なスーパールミノバコーティングをほどこすなど、最新の技術で使いやすさを誠実に追求している点もすばらしい。

甦った1950年代、伝説のアヴィエーションウォッチ

2011年もこの「クラシック」を基本にした製品コンセプトは、しっかりとキープされている。そのなかでもとくにユニークで魅力的なのが、いまでは珍しい24時間ダイヤルを採用した1950年代アヴィエーション(パイロット)ウォッチの複刻モデル「ロンジン トゥエンティフォーアワーズ」だ。24時間ダイヤルとは文字どおり時のインデックスが24時間制で刻まれた文字盤のこと。文字盤に合わせて時計の短針も12時間で文字盤を1周するのではなく、24時間かけて文字盤を1周する仕組みになっている。今回、複刻されたのは1953年から1958年にかけてスイス航空専用に製造され、スイスの国営航空会社だったスイス航空に70個納入されたモデル。技術的には1927年に製造された「ロンジン ウィームス セコンドセッティング ウォッチ」と、1932年に製造された「リンドバーグ アワーアングル ウォッチ」という歴史的に有名なアヴィエーションウォッチに連なるもの。2009年に元スイス航空の航空士(飛行機の現在位置を測定し、目的地までの正確な航路や到着予定時間を計算する役割)だった男性がオリジナルをロンジンの博物館に持ち込んで、このモデルの存在が分かり、今回の複刻に繋がった。

文字盤やリュウズがオリジナルを踏襲しているばかりでなく、ケース裏を開閉式のハンタータイプにすることで,自動巻きムーブメントの動きを目で楽しめるようにもなっている。クラシックで、ちょっとひねりのある腕時計がほしいというひとには、ぜひお薦めしたい。

また、クロノグラフでは1966年にロンジンが開発した、最小目盛以下(1秒以下)の数値の読み取りを補助するバーニア(副尺)を備えた“センターダイレクトドライブセコンド”という特別なクロノ針を備えた「ロンジン コラムホイールクロノグラフ レコード」も、時計愛好家には見逃せない。こちらもひと目で特別なクロノグラフとわかる、ロンジンならではの1本だ。

LONGINES|ロンジン 01

ロンジン トゥエンティフォーアワーズ
ありきたりのクラシックウォッチには満足できないひとに

昼夜を問わず作戦や仕事に従事する軍やパイロットのために作られ、現在ではアヴィエーションウォッチを得意とするごく一部のブランドのクラシックなモデルしかお目にかかれない24時間ダイヤルを採用している。24時間を記した漆黒の文字盤に洋梨型時針、リーフ型分針、カウンターウェイトつき秒針、さらにプッシュボタンで開くケースの裏蓋など、複刻モデルならではのディテールがうれしい。

自動巻き、ステンレススティールケース、直径47.5mmの裏蓋開閉機構つきステンレススティールケース、アリゲーターストラップ、シリアルナンバー入り、30m防水、37万8000円(予価)。8月発売予定。


LONGINES|ロンジン 02

ロンジン コラムホイールクロノグラフ レコード
副尺つきのセンタークロノ秒針で1/8秒までの精密計測が可能

秒針のアタマに副尺がついたユニークなクロノグラフ針、30分積算計の赤が「エッグシェル(卵の殻)」色の文字盤に映える。かつてオリンピック計時に使われたという懐中クロノグラフをモチーフにした文字盤デザインが印象的だ。搭載ムーブメントはおなじスウォッチ グループ傘下のETA社がロンジン専用に開発した、操作フィーリングに優れたコラムホイール式(クロノグラフ機能のスタート&ストップ&リセットにコラムホイールという精密部品を使う)の最新のもの。ブラックダイヤルのタイプもある。

自動巻き、ステンレススティールケース、アリゲーターストラップ、シースルーバック、30m防水、40万4250円(予価)。今秋発売予定。

ロンジン
Tel.03-6254-7351

           
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