カルティエ創作の歴史を巡る時の旅|Cartier

展示風景 序章「時の間」
新素材研究所
© N.M.R.L/Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki Sakakida

WATCH & JEWELRY / FEATURES
2019年10月29日

カルティエ創作の歴史を巡る時の旅|Cartier

Cartier|カルティエ

3つの章から紐解くカルティエの芸術性

10月2日から東京・六本木の国立新美術館にて開催中の「カルティエ、時の結晶」。日本における「カルティエ」の展覧会は今回で4回目だが、主に1970年代以降の現代作品に焦点を当てたのはCartier(カルティエ)としては初めての試みだという。カルティエの作品の変遷を辿りながら、時代によって変わるものと、時を経ても本質的に変わらないものを感じてみてほしい。

Text by ANDO Sara

“時”を回遊しながら鑑賞するカルティエのデザインの世界

カルティエの類いまれな芸術性と個性豊かなジュエリーの名作の数々を称える展覧会「カルティエ、時の結晶」では、歴史を紐解く円形の展示室 序章「時の間 」を中心に、「色と素材のトランスフォーメーション」「フォルムとデザイン」「ユニヴァーサルな好奇心」の3章構成でカルティエのイノヴェーションに満ちたデザインの世界を探求する。

第1章は「色と素材のトランスフォーメーション」と題し、素材づかいや色彩の観点からカルティエの独創的な視点や表現方法を追求した。

展示風景 第1章 ネックレス
新素材研究所
© N.M.R.L/Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki Sakakida
ダイヤモンドをより際立たせるプラチナの使用や、カワセミの羽根、化石化した木に至るまで、素材の可能性を垣間見ることができる。メタルの技術、石の技法、装飾技術、カラーパレットなど職人技から生まれる多様な表現の数々。また、展示台やトルソーに使用されているのは屋久杉や神代欅など長い樹齢を経て生まれた木材で、トルソーは仏師に依頼し、一点ずつ端正に彫られたものだ。
第2章の「フォルムとデザイン」では、作品のフォルムに宿る視覚的な新しさに注目する。建築性や動きを感じさせるつくりや、偶然生まれたデザイン、日常の中にある美から生み出された作品を展示。武骨な大谷石でつくった展示台に置かれた錆びた鉄のケースの中で、美しく磨き上げられた作品が輝きを放つ。

展示風景 第2章
新素材研究所
© N.M.R.L/Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki Sakakida
第3章の「ユニヴァーサルな好奇心」では、中国やインド、中東など様々な文化や国への好奇心から着想を得たオリエンタルな装飾品が集まる。

展示風景 第3章
新素材研究所
© N.M.R.L/Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki Sakakida
日本もまた、カルティエの異国趣味の対象の一つで、絵画におけるジャポニスムと同様に、浮世絵に描かれる梅や桜の木、あるいは印籠や根付などの工芸品が、ブレスレットなどメゾン独自のデザインと融合されている。また、各時代の動植物をモチーフにした作品にも注目したい。彗星の軌道を形態化したような巨大な什器も見どころのひとつだ。
そのほか、カルティエのアイコンで、タイムレスの象徴でもあるパンテールや、クリエイションの源泉でもあるスケッチやデザインソースなどのアーカイヴ資料も展示し、様々な視点や角度から時間軸を表現している。伝統を継承しつつも、常に宝飾界に新しい風を吹き込み続けるカルティエの世界観が一堂に会するこの機会をお見逃しなく。

次回、祐真朋樹氏と鑑賞する「カルティエ、時の結晶」へ

祐真朋樹|カルティエ 創作の歴史を巡る時の旅

カルティエ、時の結晶
会期|開催中~12月16日(月)
会場|国立新美術館 企画展示室2E
住所|東京都港区六本木7-22-2
開館時間|10:00~18:00(毎週金・土~20:00まで。入場は閉館の30分前まで)
休館日|毎週火曜日(ただし10月22日(火・祝)は開館、10月23日(水)は休館)
観覧料|一般 1600円、大学生 1200円、高校生 800円
※団体料金は200円引き(団体料金の適用は20名以上)
※中学生以下および障害者手帳を提示(付添1名含む)で入場無料
展示作品数|約300点
会場構成|新素材研究所
問い合わせ先

ハローダイヤル
Tel. 03-5777-8600
https://Cartier2019.exhn.jp

                      
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