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2020年10月29日
TUDORから学ぶ腕時計選びの基本
TUDOR|チューダー
阪急うめだ本店で探る、機械式腕時計の魅力
TUDOR(チューダー)は、1926年にロレックス創立者ハンス・ウイルスドルフが設立したスイスの腕時計ブランド。ロレックスの技術と信頼を有しながらも現代的なアプローチを大胆に融合したスタイルは他に類を見ない。2018年10月に日本上陸を果たし、そのユニークな存在感とパフォーマンスの高さは腕時計選びにおいて新しい選択肢を加えてくれた。最近では、チューダーのアーカイブでも様々なモデルに採用されてきたブルーが「TUDOR BLUE」と呼ばれ愛好家の間で注目されているようだ。
そんなTUDORが気になるスタイリスト稲垣友斗が全国のTUDORブティックを巡りながら(?!)その魅力を紐解く不定期連載。第1回はTUDOR阪急うめだ本店にお邪魔して、知っているようで意外と知らない「そもそも機械式腕時計って?」というところから。
Photographs by IDENOSHITA Takahiro|Edit by FURUSE Tatsuya
腕時計選びはキャラ作り?!
スマートフォンも便利だけれど、そろそろ“ちゃんとした腕時計“が欲しい。ならば”機械式“の腕時計だ。そう考える読者も多いだろう。しかし、いざどれにしようかと考えると意外と分からないことが多いし、選択肢の多さに迷う。今回、腕時計選びにお付き合いいただいたスタイリスト稲垣友斗さんはこう語る。
「今年31歳で少しは大人になってきた。このタイミングでどの時計をつけるかって同期の間でも話題になるんです。もちろん機械式腕時計も選択肢に入ってきますよね。そんなときスタイリストとして思うのは、腕時計選びはキャラ作りってこと。モデルさんに腕時計をつけてもらうことも多いのですが、それひとつでビジュアルのイメージが変わってくる。洋服との相性というだけでなく、どんな腕時計をしているかによってモデルさんのパーソナリティが違って見えると思うんです」
なるほど、腕時計はその人の個性の一部と言えるかもしれない。機械式腕時計は安くはない買い物。だからこそ、その価値を理解したうえで自分らしいスタイルの腕時計を選びたい。
「今年31歳で少しは大人になってきた。このタイミングでどの時計をつけるかって同期の間でも話題になるんです。もちろん機械式腕時計も選択肢に入ってきますよね。そんなときスタイリストとして思うのは、腕時計選びはキャラ作りってこと。モデルさんに腕時計をつけてもらうことも多いのですが、それひとつでビジュアルのイメージが変わってくる。洋服との相性というだけでなく、どんな腕時計をしているかによってモデルさんのパーソナリティが違って見えると思うんです」
なるほど、腕時計はその人の個性の一部と言えるかもしれない。機械式腕時計は安くはない買い物。だからこそ、その価値を理解したうえで自分らしいスタイルの腕時計を選びたい。
そもそも「機械式腕時計」とは
簡単に言えば、昔ながらのゼンマイを動力源とする腕時計のこと。電池を使って動く「クオーツ式」と違い電池交換の必要がない。「機械式腕時計」のなかでもリューズ操作によって自分でゼンマイを巻き上げるタイプが「手巻」、普段使いしていれば勝手にゼンマイが巻き上がるのが「自動巻」だ。半月板のパーツ(ローター)が腕の動きによって揺れることで巻かれるのだが、小さな時計のなかに複雑な機構が詰め込まれているというのはなんともチャーミングだ。ちなみに現行のチューダーはすべて「自動巻」。使い方にもよるが、1日8時間くらい着用していればゼンマイ切れを意識することなく使えるとのこと。
「僕は古いクルマに乗っていて、とにかく整備に手間がかかるんです。でもその分だけ愛着が増す。機械式腕時計は僕のクルマほど故障することはないと思うんですけど(笑)、たくさんのパーツを職人たちが組み上げた機械的な魅力がある。日頃のお手入れやメンテナンスが必要だけど、自分が選んだものに手間をかけて大事にするのが好き。じっくりと育てていく感覚ですね」
「僕は古いクルマに乗っていて、とにかく整備に手間がかかるんです。でもその分だけ愛着が増す。機械式腕時計は僕のクルマほど故障することはないと思うんですけど(笑)、たくさんのパーツを職人たちが組み上げた機械的な魅力がある。日頃のお手入れやメンテナンスが必要だけど、自分が選んだものに手間をかけて大事にするのが好き。じっくりと育てていく感覚ですね」
機械式腕時計としての信頼性を担保するムーブメント
機械式腕時計を知るうえで、そのムーブメント(駆動装置)そのものも重要だ。実は有名ブランドでもムーブメントが他社製ということがあるのだが、チューダーは「マニュファクチュールムーブメント」と呼ばれる自社製の駆動装置を開発している。おまけに高精度なムーブメントに与えられる「COSC(※1)」という認定を受けているのだ。その他にも、普段使いには十分な「200m防水性能(※2)」、「約70時間のパワーリザーブ(※3)」といった機能を備える。パワーリザーブは40〜50時間という機械式腕時計が多いなか、この70時間というのは地味に大きな差がある。例えば、平日使いの場合、土日に腕時計を使っていなくとも月曜日の朝まできちんと動いているわけで、つまり出勤前に時刻を合わせる必要がない。
こうした機械式腕時計としてのスペックの高さをチューダーの価格帯(概ね30〜60万円代)で実現するのは簡単に真似できるものではないようだ。まさにチューダーならではの強みだと言えるだろう。
「スタイリストは分刻みで行動することも多いんです。だから腕時計としての精度はもちろんのことですが、毎日使う仕事道具としての信頼感は大事ですよね。時計愛好家の方にもファンが多いというのも納得ですが、若い人にとっても現実的な価格帯。一本目の機械式腕時計としてチューダーという選択肢はアリだと思いました」
※1:スイスクロノメーター検定協会(COSC : Controle Officiel Suisse des Chronometres)が、厳しい精度テストに合格したムーブメントに与える認定。TUDORはCOSCよりさらに厳しい日差-2秒以内〜+4秒以内を基準にしている。
※2:水深200mの水圧に耐えうる防水性能。
※3:ゼンマイを完全に巻き上げた状態から約70時間動き続けるということ。
こうした機械式腕時計としてのスペックの高さをチューダーの価格帯(概ね30〜60万円代)で実現するのは簡単に真似できるものではないようだ。まさにチューダーならではの強みだと言えるだろう。
「スタイリストは分刻みで行動することも多いんです。だから腕時計としての精度はもちろんのことですが、毎日使う仕事道具としての信頼感は大事ですよね。時計愛好家の方にもファンが多いというのも納得ですが、若い人にとっても現実的な価格帯。一本目の機械式腕時計としてチューダーという選択肢はアリだと思いました」
※1:スイスクロノメーター検定協会(COSC : Controle Officiel Suisse des Chronometres)が、厳しい精度テストに合格したムーブメントに与える認定。TUDORはCOSCよりさらに厳しい日差-2秒以内〜+4秒以内を基準にしている。
※2:水深200mの水圧に耐えうる防水性能。
※3:ゼンマイを完全に巻き上げた状態から約70時間動き続けるということ。
長く使うには適切なメンテナンスが絶対
機械式腕時計は長く使ってこそ愛着が深まるというもの。しかしパーツをなめらかに動かすための油が切れてしまったり、防水性を保つためのパッキンなど様々な部品の劣化や摩耗は避けられない。適切なメンテナンスが欠かせないのだ。チューダーの正規販売店で受け付けてくれるオーバーホールは、ロレックスと同じサービスセンターで施されるので安心感が違う。オーバーホールの頻度はおよそ5年に一回が目安で、モデルや状態によって概ね4万円〜8万円程度。専門の技術者が純正部品を使用してメンテナンスしてくれるのは正規ならではだ。そうやって大切に価値を維持していくことも機械式腕時計を所有する醍醐味と言えよう。
「以前はすぐ流行りのものを買って消耗するという時期もありましたが、30歳を過ぎると5年後、10年後と長い目で見てちゃんと使えるというのがモノ選びの基準になってきました。機械式腕時計をステータスや資産として買う人もいると思うのですが、きちんとメンテナンスしていけば次の世代にも引き継いでいける。これは大きな魅力ですよね。ものづくりの素晴らしさを感じました」
「以前はすぐ流行りのものを買って消耗するという時期もありましたが、30歳を過ぎると5年後、10年後と長い目で見てちゃんと使えるというのがモノ選びの基準になってきました。機械式腕時計をステータスや資産として買う人もいると思うのですが、きちんとメンテナンスしていけば次の世代にも引き継いでいける。これは大きな魅力ですよね。ものづくりの素晴らしさを感じました」
正規販売店で購入するメリットとは?
正規販売店と並行輸入店、正直どちらで買うべきか迷う読者もいるだろう。しかし、少なくとも正規店で買うということは直接自分に届くということだし、資産価値として考えた場合の安心感がある。また、より多くのモデルが取り揃えられているので手にとって見比べることができるのだ。選択肢は多いほうがいい。今回訪れたTUDOR阪急うめだ本店では、仕事用か休日用か、どんな服装に合わせたいのか、イメージが固まってない人とはじっくり話をしながら絞り込んでいく。
「腕時計って本当に繊細なニュアンスがありますよね。質感や大きさがカタログで見ただけの印象と違ったり、実際に腕につけてみて分かることも多い。チューダーは、ベルトにレザーやスチールだけでなく、ファブリックストラップをいち早く取り入れたブランドでもあるからスタイルの幅が広がりますよね。だからこそ正規店にある豊富なラインナップのなかから実際に着用して試すことができるのは大きなメリットだと思います。スタッフの方とじっくり相談しながらベストな1本を決めたいですよね」
「腕時計って本当に繊細なニュアンスがありますよね。質感や大きさがカタログで見ただけの印象と違ったり、実際に腕につけてみて分かることも多い。チューダーは、ベルトにレザーやスチールだけでなく、ファブリックストラップをいち早く取り入れたブランドでもあるからスタイルの幅が広がりますよね。だからこそ正規店にある豊富なラインナップのなかから実際に着用して試すことができるのは大きなメリットだと思います。スタッフの方とじっくり相談しながらベストな1本を決めたいですよね」
稲垣 友斗(スタイリスト)|1988年生まれ、大阪府出身。スタイリスト森田晃嘉に師事したのち独立。東京を拠点に様々なメディア・広告にて活動中。
線が入る
TUDOR阪急うめだ本店のおすすめは「TUDOR BLACK BAY」
「TUDOR BLACK BAY」は、チューダーを代表するモデルのひとつ。ブラック、ネイビー、バーガンディの3色展開。それぞれレザーやファブリックのストラップや、ステンレススチールのブレスレットを選ぶことができる。デザインがシンプルなので仕事でもプライベートでも使いやすいのが魅力だ。「僕はネイビーがしっくりきました。ベルトは同色のファブリックストラップをあわせたいですね。普段あまり色モノは選ばないんですが、実際に着用してみたら抜け感のある上品な色使いに惹かれました(稲垣)」
線が入る
TUDOR阪急うめだ本店のあるウォッチギャラリーは、2020年春にリニューアルしたばかり。ラグジュアリーな雰囲気のなか、ブランドの世界観を楽しみながら買い物ができる。
※今回の撮影は閉店後に、新型コロナウイルスの感染拡大防止に配慮しながら実施しました。店頭では、こまめな消毒や手袋の貸し出し、飛沫防止のアクリル版をご用意するなど、感染拡大防止に取り組みながら営業しています。
※今回の撮影は閉店後に、新型コロナウイルスの感染拡大防止に配慮しながら実施しました。店頭では、こまめな消毒や手袋の貸し出し、飛沫防止のアクリル版をご用意するなど、感染拡大防止に取り組みながら営業しています。
問い合わせ先
TUDOR阪急うめだ本店
〒530-8350
大阪府大阪市北区角田町8-7
6階ウォッチギャラリー
06-6361-1381
https://goo.gl/maps/ekxrixwzTC2qkVhd6
チューダー初のダイバーズウォッチに起源を持つ、ドーム型のダイアルやクリスタル、さらに「スノーフレーク」と呼ばれるスクエア 型の針といったディテールが特徴。マニュファクチュール キャリバー、41mm、パワーリザーブ約70時間、200m防水。