F1ジャパングランプリ2019 ガレージツアーで目にしたもの|Bell & Ross

左端の男性が右腕に着けているのは、間違いなくBell & Rossの腕時計です。この日、ピットで働くメカニックの多くがBell & Rossを腕に着けている姿を目にしました。

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2019年12月5日

F1ジャパングランプリ2019 ガレージツアーで目にしたもの|Bell & Ross

Bell & Ross|ベル&ロス

ルノーチームメンバーの結束が、腕に着けたベル&ロスで示されていた(1)

今回、ルノージャポンとベル&ロス ジャパンの導きにより、鈴鹿レース場のパドックを探訪させていただきました。訪れたのは2019年10月11日(金)の朝から夕方まで。この日はF1ジャパングランプリ2019のテスト走行の日でした。テストといっても、レースはもう始まっています。予選に向けて、メカニックやタイヤの最終調整を行なうわけですが、そのテストレース中でも、使用できるパーツ数が決まっているのです。つまりテストだからと言って無駄にできるものは何ひとつありません。当然、ガレージはパリッとした緊張感に包まれていました。

Photographs and Text by TSUCHIDA Takashi

サーキットの社交場、鈴鹿の「パドック」から

F1におけるパドックとは一般の観戦チケットでは立ち入ることができない制限エリア。ドライバーを含むチーム関係者がサーキット内で過ごすエリアであり、ドライバーやチーム関係者が取材に応じたり、あるいは食事やミーティングを行なう場所です。
ここではチームごとのテントが立ち並び、それぞれのレストランになってました。
そして向かって右が、各チームごとのガレージ。今回はこのガレージの中を見学することができました。
ガレージはチームカラーで塗られています。これなら迷うはずもなしですね。そして壁一面にヘッドフォンとトランシーバー。マシンのエンジン音をはじめ、タイヤを装着するドリルのようなネジ回しなど、激しい音が行き交うなかで、メカニック同士、あるいはドライバーと交信するための設備です。
テストラップを見ながら、路面状況に合わせたタイヤへの付け替えと、エンジンコンディションなどのバランスを取るそうです。テスト走行ですので、メカニック作業の速さまでは問われませんが、それでも車体がパドックに戻ってくると騒然となり、メカニックおよびエンジニアたちはそれぞれの仕事に集中します。
このメカニック&エンジニア、現地入りするのは1チーム60人までと決まっているそうです。そして、ルノーの場合、チームの最前線を支えるのが、英国オックスフォードにいるおよそ600人のエンジニアと、同じくパリ郊外にいる300人のエンジニアです。彼らは最前線から送られてくるデータを即時分析して、その結果をまたレース会場に戻します。つまり、この現場に見えているのはチームのほんのひと握り。この後ろに、彼らを支えるエンジニアたちが1000人近くもいると聞き、驚きました。
F1はもはや、頭脳戦と言われる真意が分かった気がして、ゾッとしました。一体、どれだけのお金がかかっているんだろう? それでも、F1で得られたデータは、やがて製品の走行性能、安全性能向上となって社会に還元されます。そう考えると、F1ってものすごいスポーツ事業なんだなと改めて感じました。
そんな話をしてくれたパドックツアーご担当者。お名前失念してしまいました。ごめんなさい。イタリア出身の彼は、日本に来ることを毎年、楽しみにしているそうです。日本のお客さんは礼儀正しく、コースに出てくることがないので、安心してレースに集中できると言ってくれました。そしてルノーチームのメカニックの多くは、お隣の四日市市に宿泊して毎朝通っているんだとも。和牛サイコーだそうです。あと和菓子のどらやきがボーノだって。なるほど、次の海外へのお土産品は、和菓子かな。
そんなことはどうでもよく、彼が腕にしているベル&ロスに話を戻します。彼が誇らしげに見せてくれたのが、ヴィンテージシリーズのルノーF1チームモデルです。ベル&ロスは好き? と向けると、何を当たり前のことを聞くんだお前? と一蹴。F1を愛し、チームを愛して止まない彼らにとって、協賛ブランドは家族と一緒。ましてや肌身離さず苦楽をともにする腕時計は、彼らのアイデンティティであり、誇りです。
F1チームは年間21戦をこなすべく、世界中を駆け巡ります。1年が48週ということは、ほぼ2週に1回のペースでレースが行なわれているということです。つまり最前線のチームメイトは1年の大半を海外で暮らします。そんな彼らにとって、チーム愛とは息をすることと同レベルぐらいに当たり前のものなのかもしれません。
ベル&ロスからは、ドライバー2名にとどまらず、メカニックとエンジニアの代表者へも、腕時計の支給があったそうです。たださすがに全員分は用意されず、彼らの多くは自分で購入して使っていると教えてくれました。
チームに貢献するべく一丸となって働く、男たちの誇り。文句なくカッコいいと思います。しかもBRシリーズの角型フォルムが唯一無二のアイキャッチとなっていることを再認識しました。やっぱり、現場でもひと目で分かります。

Bell & Ross|ベル&ロス

ルノーチームメンバーの結束が、腕に着けたベル&ロスで示されていた(2)

時計とは、人の心に何かを与え続けるもの

ところで私、テストレース日の2日前に東京で行なわれたルノーの新車「メガーヌR.S.トロフィー」発表会の会場で、チームドライバーのニコ・ヒュルケンベルグ氏にインタビューをさせてもらう機会を得ました。彼はこの新車開発に携わったそうです。
彼は、素晴らしくナイスガイ。レース直前で多少ナーバスになっているかと思いきや、そんな雰囲気は微塵も見せません。実はニコ氏、今期でチームを去ることがすでに決まっています。そんな局面で、一体何を聞いていいのやらと思っていましたが、彼は終始冷静。F1ドライバーとして、常に冷静に、今できることを確実にこなしていく姿勢に変わりないと答えてくれました。そして彼の腕にもベル&ロスが……。
腕時計のことに話が及ぶと、「ケースバックに名前を彫ってもらったんだ」「限定番号が自分の番号と同じなのさ」と、嬉々とした表情を見せてくれました。F1ドライバーも、意外と普通の人と変わらないことで喜ぶんだなと思いましたが、自分に置き換えて考えたら、そりゃ嬉しいものは嬉しいです。
そして話は戻り、再びパドックへ。ランチ時間に、ルノーチームのレストランに案内してもらいました。
レストランの入口には、ベル&ロスの新作のショーケース。存在感バッチリに飾られています。そう言えば、ルノーチームはさすがフランスブランドということで、パドックレストランのおいしさもひと際なのだとか。
メインにいただいたのがビーフフィレなのですが、見てください、このボリューム。味付けはシンプルに留め、肉の旨味を最大限に引き出していました。フィレでこのボリューム。そしてあまりの旨さに身震いしていると、左向こうのテーブルにニコ・ヒュルケンベルグさん。「やあ、東京で会ったよね。覚えているかい?」と気さくに声をかけてくれました。覚えているかいって、それはこちらの台詞です(笑)。ナイスっぷりが、すごいなあ。
そしてテントのレストランですが、噂に違わぬ超一流。加えてドライバーがすぐそこでカジュアルに食事している光景も、まったくもって貴重な体験です。ちなみに食事中の写真は失礼と思って、レストランの内観は撮りませんでした。テスト走行日といっても、気持ちは本番中だろうから。
ピットレーンウォークということもさせてもらいました。各チームのピットが続く道路を散歩させてもらうという企画です。
テスト走行の合間で、車体が外に出ていないタイミングなのですが、こうしたファンサービスが素晴らしいです。なるほど、こういうスペシャルなホスピタリティが、通常チケットとは別に設けられているのですね。
 
というわけで、パドックからの私のレポートはここで終わりです。F1レース本編を語らない不思議なレポートだったかもしれませんが、この貴重な体験を少しでも伝えることができていたら、嬉しいです。
F1はやはり、夢のスポーツです。そして、その夢を共有するべく、多くの人々、多くの企業が支えていることが改めて分かりました。同時に、腕時計が“アイデンティティ”や“誇り”を示すものであることが、このルノーチームの現場でも証明された気がしました。
時計とは、時を知る道具以上に、人の心に何かを与え続けるものなのですね。
Ref.|BRV394-RS19/SCA
ムーブメント|自動巻き(キャリバー BR-CAL.301)
機能|時、分、3 時位置にスモールセコンド、日付
ケース素材|SS(ポリッシュ/サテン仕上げ)
ケース径|43mm
ストラップ素材|レザー
防水|10気圧
価格|48万円(税別)
限定|世界限定999本
Ref.|BR0394-RS19/SRB
ムーブメント|自動巻き(キャリバー BR-CAL.301)
機能|時、分、3 時位置にスモールセコンド、日付
ケース素材|SS(ポリッシュ/サテン仕上げ)
ケース径|42mm
ストラップ素材|パーフォレイテッド ブラック ラバーとブラックのヘビーデューティ仕様シンセティックファブリック
防水|10気圧
価格|73万円(税別)
限定|世界限定999本
Ref.|BRX1-RS19/SRB
ムーブメント|自動巻き(キャリバー BR-CAL.313)
機能|時、分、3時位置にスモールセコンド、6時位置にスケルトンの日付、9時位置に30分積算計
ケース素材|チタン(PVD加工)、セラミック
ケース径|45mm
ストラップ素材|ラバー
防水|10気圧
価格|239万円(税別)
限定|世界限定250本
Ref.|BRX1-CHTB-RS19/SRB
ムーブメント|手巻き(キャリバー BR-CAL.283)
パワーリザーブ|4日間
機能|11時位置に 30分カウンター、1時位置に60秒カウンター、9時位置にパワーリザーブ表示、6時位置にフライング トゥールビヨン
ケース素材|Ti(ポリッシュ/サテン仕上げ)、セラミック
ケース径|45mm
ストラップ素材|ラバー
防水|10気圧
価格|1950万円(税別)
限定|世界限定20本
問い合わせ先

ベル&ロス ジャパン
Tel.03-5977-7759
http://www.bellross.com

               
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