F1ジャパングランプリ2019 ガレージツアーで目にしたもの|Bell & Ross

左端の男性が右腕に着けているのは、間違いなくBell & Rossの腕時計です。この日、ピットで働くメカニックの多くがBell & Rossを腕に着けている姿を目にしました。

WATCH & JEWELRY / FEATURES
2019年12月6日

F1ジャパングランプリ2019 ガレージツアーで目にしたもの|Bell & Ross

Bell & Ross|ベル&ロス

ルノーチームメンバーの結束が、腕に着けたベル&ロスで示されていた(1)

今回、ルノージャポンとベル&ロス ジャパンの導きにより、鈴鹿レース場のパドックを探訪させていただきました。訪れたのは2019年10月11日(金)の朝から夕方まで。この日はF1ジャパングランプリ2019のテスト走行の日でした。テストといっても、レースはもう始まっています。予選に向けて、メカニックやタイヤの最終調整を行なうわけですが、そのテストレース中でも、使用できるパーツ数が決まっているのです。つまりテストだからと言って無駄にできるものは何ひとつありません。当然、ガレージはパリッとした緊張感に包まれていました。

Photographs and Text by TSUCHIDA Takashi

サーキットの社交場、鈴鹿の「パドック」から

F1におけるパドックとは一般の観戦チケットでは立ち入ることができない制限エリア。ドライバーを含むチーム関係者がサーキット内で過ごすエリアであり、ドライバーやチーム関係者が取材に応じたり、あるいは食事やミーティングを行なう場所です。
ここではチームごとのテントが立ち並び、それぞれのレストランになってました。
そして向かって右が、各チームごとのガレージ。今回はこのガレージの中を見学することができました。
ガレージはチームカラーで塗られています。これなら迷うはずもなしですね。そして壁一面にヘッドフォンとトランシーバー。マシンのエンジン音をはじめ、タイヤを装着するドリルのようなネジ回しなど、激しい音が行き交うなかで、メカニック同士、あるいはドライバーと交信するための設備です。
テストラップを見ながら、路面状況に合わせたタイヤへの付け替えと、エンジンコンディションなどのバランスを取るそうです。テスト走行ですので、メカニック作業の速さまでは問われませんが、それでも車体がパドックに戻ってくると騒然となり、メカニックおよびエンジニアたちはそれぞれの仕事に集中します。
このメカニック&エンジニア、現地入りするのは1チーム60人までと決まっているそうです。そして、ルノーの場合、チームの最前線を支えるのが、英国オックスフォードにいるおよそ600人のエンジニアと、同じくパリ郊外にいる300人のエンジニアです。彼らは最前線から送られてくるデータを即時分析して、その結果をまたレース会場に戻します。つまり、この現場に見えているのはチームのほんのひと握り。この後ろに、彼らを支えるエンジニアたちが1000人近くもいると聞き、驚きました。
F1はもはや、頭脳戦と言われる真意が分かった気がして、ゾッとしました。一体、どれだけのお金がかかっているんだろう? それでも、F1で得られたデータは、やがて製品の走行性能、安全性能向上となって社会に還元されます。そう考えると、F1ってものすごいスポーツ事業なんだなと改めて感じました。
そんな話をしてくれたパドックツアーご担当者。お名前失念してしまいました。ごめんなさい。イタリア出身の彼は、日本に来ることを毎年、楽しみにしているそうです。日本のお客さんは礼儀正しく、コースに出てくることがないので、安心してレースに集中できると言ってくれました。そしてルノーチームのメカニックの多くは、お隣の四日市市に宿泊して毎朝通っているんだとも。和牛サイコーだそうです。あと和菓子のどらやきがボーノだって。なるほど、次の海外へのお土産品は、和菓子かな。
そんなことはどうでもよく、彼が腕にしているベル&ロスに話を戻します。彼が誇らしげに見せてくれたのが、ヴィンテージシリーズのルノーF1チームモデルです。ベル&ロスは好き? と向けると、何を当たり前のことを聞くんだお前? と一蹴。F1を愛し、チームを愛して止まない彼らにとって、協賛ブランドは家族と一緒。ましてや肌身離さず苦楽をともにする腕時計は、彼らのアイデンティティであり、誇りです。
F1チームは年間21戦をこなすべく、世界中を駆け巡ります。1年が48週ということは、ほぼ2週に1回のペースでレースが行なわれているということです。つまり最前線のチームメイトは1年の大半を海外で暮らします。そんな彼らにとって、チーム愛とは息をすることと同レベルぐらいに当たり前のものなのかもしれません。
ベル&ロスからは、ドライバー2名にとどまらず、メカニックとエンジニアの代表者へも、腕時計の支給があったそうです。たださすがに全員分は用意されず、彼らの多くは自分で購入して使っていると教えてくれました。
チームに貢献するべく一丸となって働く、男たちの誇り。文句なくカッコいいと思います。しかもBRシリーズの角型フォルムが唯一無二のアイキャッチとなっていることを再認識しました。やっぱり、現場でもひと目で分かります。
60 件
                      
Photo Gallery