ヴァン クリーフ&アーペル|“魔法”の一瞬を捉えたジュエリーの世界
Watch & Jewelry
2015年3月30日

ヴァン クリーフ&アーペル|“魔法”の一瞬を捉えたジュエリーの世界

Van Cleef & Arpels|ヴァン クリーフ&アーペル

“魔法”の一瞬を捉えたジュエリーの世界

華麗なクリエイションで私たちを魅了し続けるジュエラー、ヴァン クリーフ&アーペル。現在、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで、貴重なアーカイブを集めた展覧会「ザ スピリット オブ ビューティー展」が開催中です。100年以上にわたり培われてきた美意識が生むものづくり、そして斬新な構成の展覧会で発揮されたメゾンのクリエイティビティを、オウプナーズがここでご紹介します。

文=野上亜紀写真=ヴァン クリーフ&アーペル

ほかにはない個性を携えたクリエイティビティ

「時は受け継がれ、そして新しい姿として現われる」――それがヴァン クリーフ&アーペルがジュエリー製作において掲げてきた“再生”の理念だ。そこから生み出されたテーマは、生命の力強さとはかなさとをとらえた“自然”や、華やかなファッションの世界を表現した“クチュール”、1920~30年代に自由を謳歌する女性のために誕生した“アールデコ”など、実に多岐にわたる。まるで羽ばたくかのような蝶や蜻蛉の流麗なフォルム、リボンやレースのふくらみをゴールドで再現した巧みな素材使い、妖精やバレリーナなどの幻想的なモチーフによるジュエリーは、いずれもが独自の詩情を携えており、ほかには見ることのできない個性を謳っている。

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「レ ジャルダン」から、フランス様式のジュエリー「ヴィコント セット」のブレスレット。ダイヤモンド×サファイア。

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「レ ジャルダン」から、英国様式のジュエリー「メリア セット」のネックレス。ダイヤモンド×ピンクサファイア×ガーネット。

芸術性を語るジュエリー「レ ジャルダン」

なかでも多くのクリエイションを生み出してきた“自然”は、1920年以来メゾンでもっとも大切にされてきたテーマのひとつであろう。昨今では庭園芸術を象ったハイジュエリーコレクション「レ ジャルダン」も記憶に新しい。「レ ジャルダン」の優美なハイジュエリーの数々は、古典からインスパイアされたイタリア ルネサンス様式、庭園芸術の技巧を極めたフランス様式、ロマンティックな表現の英国様式、静謐さを求めてきたオリエンタル様式という、4つの庭園スタイルから生み出された。庭に咲きほころぶ花や萌える緑、鳥のさえずりや噴水の飛沫、そして木漏れびの輝き……。自然が描く一瞬の美しさをそれぞれの庭園スタイルのうちへと完結させた、ヴァン クリーフ&アーペルの高い芸術性と優れた表現力とを見せてくれるコレクションだ。

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ロマンティック英国様式のジュエリー「フォリー」を身につけたモデル。

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イタリア ルネサンス様式のジュエリー「ジャルダン デ ソワ」を身に着けたモデル。

アーカイブを集めた展覧会の魅力

現在、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーでは、ヴァン クリーフ&アーペルの軌跡をたどる展覧会「ザ スピリット オブ ビューティー展」が開催されている。メゾンのヴァイス プレジデントであるニコラ・ボス氏は同展をヴァン クリーフ&アーペルが手がける「魔法の一瞬」だ、と語る。先に述べた“自然”や“クチュール”をはじめとする貴重なアーカイブが、パトリック・ジュアンとのコラボレーションにより、訪れるものの“驚き”を導くような構成で展開されている。ジュエリーのきらめく一瞬をまさしく“体感する”ことのできるヴァン クリーフ&アーペルの展覧会、次回ではその魅力をニコラ・ボス氏にたずねる。

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2009年に開催された「レ ジャルダン」の発表会にて。

           
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