MAURICE LACROIX|モーリス・ラクロア|ポントス・オフセンター・GMT
Watch & Jewelry
2015年3月31日

MAURICE LACROIX|モーリス・ラクロア|ポントス・オフセンター・GMT

MAURICE LACROIX|モーリス・ラクロア

ポントス・オフセンター・GMT

Text by OPENERS

モーリス・ラクロアを代表する「マスターピース」コレクションとは別に、同ブランドのエントリーラインに位置づけられるのが「ポントス」だ。このコレクションは、時代を超越するシンプルなデザイン性と実用性に基づいた付加機能を兼備しており、ビギナーからハイエンドユーザーまでが使いこなせる、汎用性の高さがアピールポイントであった。

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しかし、2006年に発表されたオフセンター・GMTは、本来エントリーラインに位置づけられていた「ポントス」のポテンシャルをアップグレードさせた名機として、時計愛好家たちをたちまち魅了した。世界限定999本というプレミア性も、これまでのポントスにはなかった魅力のひとつといえよう。

オフセンターのダイヤルデザインを採用し、昼夜の判別が可能な第2時間帯表示用のサブダイヤルを装備。さらに日付表示板を内蔵し、それぞれの表示機構を多階層で立体的に表示する。ダイヤルには、チタン素材が採用されており、日付表示に使用されるフロスト・サファイアクリスタルと共に、独特な質感をかもしだしている。そのデザインの美しさが話題を呼び、ドイツの著名なデザイン賞「レッド・ドット・デザイン賞」のなかでも最高の賞となるベスト・オブ・ザ・ベストを受賞。時計界に多層ダイヤルのトレンドを生み出した功績は、あまりに大きい。

驚くべきはデザインだけに留まらない。搭載するムーブメントCal.ML121は、日付を可能な限り文字盤の高さに配置するためベースムーブと複雑モジュールの連結を自社内で開発したもの。昼夜判別表示と連動する第2時間帯の調整はリューズ上のプッシュボタンのみで可能にしている。シースルーバックから確認できるムーブメントの仕上げは、コート・ド・ジュネーブやペルラージュの装飾に加え、ブラックシャインの輝きを放つ特殊コーティングも施されており、芸術性においても完成度の高さがうかがえる。

ケースは、直径45mmのビッグサイズを採用。グレード2の高品質チタンを素材に使うことで、耐久性を高めながら軽快な着け心地が得られる。文字盤は、ブラックとグレーの2種類が用意されている。

自動巻き。毎時2万8800振動。40時間パワーリザーブ。ケース径45mm。チタンケース。クロコダイルベルト。5気圧防水。70万3500円。

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BRAND HISTORY

1960年代にスイスの名門時計店が販売するオリジナルウォッチの製造を手掛けていた時計工房が前身。この工房は、クォーツ時計が全盛だった’70年代に入ると、機械式時計の伝統を守り抜く決意を固め1975年、工房独自のブランド「モーリス・ラクロア」を開設。本格的に自社の時計販売をスタートした。
最先端のケース工場を所有していたモーリス・ラクロアは、生産コストを抑えながらもディティールにこだわった美しいケースラインを持つモデルを次々と発表。また、その多くがレトログラードやトリプルカレンダー、フライバック・クロノグラフといった、玄人好みの機構を搭載しており、徐々に欧州各国の時計愛好家たちから注目を集めるブランドへと成長していく。
その後、2000年に自社の時計工場をリニューアルしたモーリス・ラクロアは、21世紀に入るとデザインと機能を、さらに洗練させた秀作を連発する。’06年には初の自社製クロノグラフ・ムーブメントも開発し、現在、最も勢いのあるブランドの一つへと大きく躍進した。すでに来年2008年に、これまでに例がないコンプリケーションを発表することを仄めかしており、その全貌を順次公式サイトで明らかにしている。

【創業年】1975年
【創業地】スイス、セイネレジェ
【主なシリーズ名】マスターピース、ポントス
【問い合わせ先】DKSHジャパン Tel. 03-5441-4515

公式サイト:http://www.mauricelacroix.jp/

           
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