Franck Muller|コンキスタドール・グランプリ
Franck Muller|フランク・ミュラー
あらたなる挑戦への道標
“タフ”な表情を見せる時計
フランク・ミュラーによる新作「コンキスタドール・グランプリ」。ダイナミックな「コンキスタドール」コレクションから誕生したスポーツモデルは最高の耐久性を誇る。
写真=奥山栄一スタイリング=壽村太一モデル=MYCHAEL文=野上亜紀
強固かつ軽量な素材を用いたスポーツウォッチ
「コンキスタドール・グランプリ」、そして「コンキスタドール・グランプリ クロノグラフ」──この時計にふさわしい言葉を探すとすれば、それはまさしく“タフ”という一語に尽きるであろう。ブランドを語る優美な3次元曲線のトノウ・カーベックスケースの改良を重ね、「征服者」の名のもとに“ダイナミズム”を探究してきた「コンキスタドール」コレクション。その最新作となる「コンキスタドール・グランプリ」のシリーズでは、ハイテク素材を用いることで、スポーツウォッチに必要とされる強靭な一面があらたに導き出されている。
「コンキスタドール・グランプリ」は2009年に開催されたF1レース「シンガポール・グランプリ」へのオマージュとして誕生した時計。今年は満を持してレギュラー化を果たしたが、発表当時は新素材「エルガ」をケースに用いたことで話題を呼んだ。まるでF1の車体を想起させるような重厚感あふれるデザインに使用されたエルガは、アルミニウムにマグネシウムや亜鉛を混合させた合金素材。傷がつきにくく、耐食性と硬度を向上させた軽量な素材であり、F1の車体や航空産業などで重用されている。艶のある質感で多様な着色を可能とする素材のため、堅牢さを誇るマッシブなケースにも、目の覚めるような鮮やかな赤の配色をほどこすことに成功した。一方この時計ではエルガのほかに、軽量でさびにくいチタニウムを使用している点も見逃せない。ハイテク素材であるエルガと組みあわせることで最高の耐久性を可能としたモデルや、チタン独特のざらざらとした質感がブラックやグレーなどのダークな色味を際立てるモデルなどが登場している。
使い込むことで発揮される“タフ”な魅力
手首を覆い尽くす大ぶりなサイズ、あらたにリュウズガードをくわえることによりマッシブとなったケースデザイン──「コンキスタドール」ならではのダイナミズムを継承したスポーツウォッチは、どんな過酷な条件にも耐えうる“強さ”を求めて編み出された。この時計は、人生をタフに生き抜く男性の腕にこそふさわしい。それはまるでロードムービーで流れる一瞬のように、ハンドルを握るドライバーのたくましい腕に、長年をともに歩んできたクルマの古びたシートの上に、窓から見える街の波打つ喧騒のなかに──“がしがしと使い込む”ことで本来の強靭な魅力を発揮する。かつて「コンキスタドール」で自身の歩みに革命を起こしたフランク・ミュラー、そのさらなる挑戦への道標がこの時計には刻まれている。
フランク・ミュラー ウォッチランド東京
Tel. 03-3549-1949