Breguet|Chapter 1 知られざるブレゲの偉大なる軌跡!
Watch & Jewelry
2015年3月26日

Breguet|Chapter 1 知られざるブレゲの偉大なる軌跡!

Breguet|ブレゲ

代々受けつがれるブレゲ家の遺伝子

知られざるブレゲの偉大なる軌跡!

時計界において「ブレゲ」は、特別な存在である。ブレゲ数字、ブレゲ針、ブレゲ式ヒゲゼンマイと、時計の意匠や機構にその名を留めるほどに。それらすべては、創業者アブラアン-ルイ・ブレゲが創出したもの。ほかにもトゥールビヨンやパーペチュアルカレンダー、ミニッツリピーターなど、いまある時計の複雑機構の多くが彼の発明。ギヨシェやコインエッジといった装飾も、ブレゲがオリジナルだ。しかもそれらは、ギヨシェはダイヤルの反射を抑えて視認性を高めるために、コインエッジはすべり止めといった具合に、飾りだけに留まらない。時計の本質を極める機能美でもある点にもブレゲの才気が認められる。

文=高木教雄写真協力=Breguet

時計と航空機で才気を発揮したブレゲ家のDNA

1775年にパリに工房を開いてから、1823年に没するまでに、ブレゲはおよそ数千個の時計を製作したという。そのなかには、航海用時計=マリン・クロノメーターもふくまれる。1815年にはフランス海軍省御用達時計師に任命され、通算22個のマリン・クロノメーターを海軍に納めたとの記録もある。ブレゲのもつ唯一無二の才気と技術は、国にとっても重要な価値を有していたのだと、この記録が証明する。

初代アブラアン-ルイ・ブレゲが製作し、フランス海軍省に納品したマリンクロノメーター「ブレゲNo.3196」。

航空機界においてもまた、「ブレゲ」の名は特別だ。1907年、屋根に巨大なプロペラを取り付けた機体が宙に浮いた。これぞ世界初のヘリコプター。その開発者のひとりに名を連ねたのが、ルイ-シャルル・ブレゲ。アブラアン-ルイ・ブレゲから数えて5代目に当たる子孫は、航空機開発で非凡な才能を発揮した。1909年には独自に複葉機を完成させ、「ルイ・ブレゲ航空機会社」を設立する。

1912年には初の水用機を、1915年に初の爆撃機を開発したルイ・ブレゲ航空機会社の技術力は、高い評価を勝ち得てゆく。そして1917年、航空史にその名を刻む名機「ブレゲXIV」が完成。ときはまさに第一次世界大戦のさなか、高性能を誇ったブレゲXIVは、軽爆撃機に改良され、連合軍の勝利に大いに貢献した。歴史は繰り返す。初代ブレゲの時計がフランス海軍省に認められたように、ブレゲ家の才能をまた軍、すなわち国が認めたのである。その雄姿は、パリ郊外にあるル・ブルジュ航空宇宙博物館でいまも目にすることができる。

5代目ルイ-シャルル・ブレゲ。フランス航空産業のパイオニアであり、パイロットでもあった。

またルイ・ブレゲ航空機会社は、長距離飛行のパイオニアでもあった。1930年には同社が開発したブレゲXIXが、パリ~ニューヨーク間の無着陸飛行に世界ではじめて成功。航空史に再び金字塔を打ち立てたのである。

1912年には初の水用機を、1915年に初の爆撃機を開発したルイ・ブレゲ航空機会社の技術力は、高い評価を勝ち得てゆく。そして1917年、航空史にその名を刻む名機「ブレゲXIV」が完成。ときはまさに第一次世界大戦のさなか、高性能を誇ったブレゲXIVは、軽爆撃機に改良され、連合軍の勝利に大いに貢献した。歴史は繰り返す。初代ブレゲの時計がフランス海軍省に認められたように、ブレゲ家の才能をまた軍、すなわち国が認めたのである。その雄姿は、パリ郊外にあるル・ブルジュ航空宇宙博物館でいまも目にすることができる。

またルイ・ブレゲ航空機会社は、長距離飛行のパイオニアでもあった。1930年には同社が開発したブレゲXIXが、パリ~ニューヨーク間の無着陸飛行に世界ではじめて成功。航空史に再び金字塔を打ち立てたのである。

ルイ-シャルル・ブレゲが1909年に完成させた複葉機「ブレゲI」。

1930年に世界初のパリ~ニューヨーク間無着陸飛行に成功した「ブレゲXIX」。

Breguet|ブレゲ

代々受けつがれるブレゲ家の遺伝子

知られざるブレゲの偉大なる軌跡!

いまも受け継ぐパイロット・クロノグラフの系譜

ルイ-シャルル・ブレゲが生きた時代、ブレゲの時計工房は、すでにブレゲ家から離れていた。彼の祖父、3代目ルイ-クレマン・ブレゲは、時計工房を継いだが、それ以上に電気通信分野で才気を発揮し、事業を展開していた。有線電信においては、ヨーロッパ屈指の専門家として知られ、多くの発明を遺している。当時の最先端技術は、時計以上に刺激的だったのだろう。そして時計製造部門を、工房で働く才能溢れるイギリス人時計師エドワード・ブラウンに委譲したのである。

むろん創業一族であるブレゲ家とブラウン家との密なる関係は、末長くつづいた。そしてルイ-シャルルは航空機分野で才能を発芽させたことが、時計会社のブレゲにひとつの転機をもたらした。航空計器への進出である。初代ブレゲがマリン・クロノメーターで安全な航海に寄与したのとおなじく、ブレゲの高精度な航空計器は、コクピット・パネルに搭載され、パイロットの安全を手助けしたのだ。

まず1918年に、アメリカ空軍向けに航空計を納品。1922年からは、ルイ・ブレゲ航空機会社が顧客になった。前述したパリ~ニューヨーク間無着陸飛行を成功させたブレゲXIXのコクピットにもブレゲ製の計器があった。

そうして航空計器で積み重ねた経験はやがて、ひとつの腕時計に結実する。1950年代半ば、フランス海軍航空隊は秘密裏に時計の製作をブレゲに依頼した。コードネームは「タイプXX(トゥエンティ)」。そう、現在のブレゲ・コレクションにもおなじモデル名でラインナップされるパイロット・クロノグラフの開発はここにはじまり、当初は軍のパイロットのみもつことが許された希少なモデルだったのだ。

振り返れば、初代ブレゲはクロノグラフでも先駆を成し、2つの経過時間が計れるスプリットセコンド・クロノグラフなど革新をもたらしてきた。ブラウン家の時代になっても、クロノグラフは得意な機構のひとつだった。コクピット・パネルに据え付けられたブレゲ製の航空計器の多くはクロノグラフだったし、1930年には業界に先駆け、腕時計クロノグラフを開発してもいる。フラン海軍航空隊に納品された「タイプXX」は、その改良型だ。

最大の特徴は、クロノグラフ作動中でも針を止めることなく、いつでもリセットでき、瞬時につぎの計時をスタートさせられるフライバック機構を備えている点にある。これは多様な計時を繰り返すパイロットにとっては、利便性が高い機能。むろんムーブメントはより複雑さを増すが、ブレゲの技術力は軍用にも耐えうる耐久性と高精度を兼ね備えるフライバック・クロノグラフの開発に成功した。

ファーストモデルは、後にダイヤルやベゼルの仕様を変えたバリエーションちがいも製作され、軍用だけではなく、一般にも販売された。そして1960年代後半には、フルモデルチェンジされ、第二世代が生まれる。

ベゼルは厚みを増した黒いベークライト製となり、ミニッツ・カウンターを刻んだものに変更された。ケースもラグが大きく太く、角ばった形状になった。むろん、高い視認性のダイヤルデザインは、そのまま継承。フライバック機構も、もちろん搭載されている。

1970年代に、時計界を襲ったクォーツ・ショックにより、機械式の「タイプXX」は、一時生産が途絶えた。しかし1995年、復活を果たす。第三世代となるモデルの名は「タイプXX アエロナバル」。フランス海軍航空隊のニックネームを冠しての登場だった。ムーブメントは自動巻き化され12時間積算計を追加した3カウンターで、防水性能は100メートルと、現代的なスペックへと進化した。タイプXXのアイデンティティであるフライバック機構は、むろん継承。ダイヤルは、ファーストモデルに似て、高い視認性も受け継いでいる。そしてケースサイド全体に、コインエッジをほどこしているのも大きな変更点である。

さらに1998年には、デイト表示を6時位置に追加した第四世代の「タイプXX トランスアトランティック」が誕生。これら第三・四世代は、現在のコレクションにもラインナップされる。アエロナバルは18年、トランスアトランティックは13年と息の長いモデルなのは、高い完成度の証し。ブレゲ一族の才気から生まれたパイロット・クロノグラフは、現代のブレゲのひとつの中核を成す。


Save the date for “BREGUET IN THE SKY – TYPE XX EXHIBITION ”
ブレゲ イン ザ スカイ - タイプ XX (トゥエンティ) エキシビション

ブレゲはフランス航空界との深い関わりをテーマにしたイベント“Breguet in the sky – Type XX Exhibition”を6月に開催する。ブレゲ5代目ルイ・シャルル・ブレゲの航空機開発にかける情熱や、航空界との絆を背景に誕生したブレゲ不動の人気モデル「タイプ XX(トゥエンティ)」シリーズから、コックピットウォッチやヴィンテージなとの逸品から最新モテルまでを展示。時を越え、現代にその魅力を伝えるエキシビションとなっている。

開催期間|2011年6月18日(土)~6月26日(日)
13:00~19:00(6月18日のみ18:00閉館)
場所|Cite du Temps Ginza(シテ・ドゥ・タン ギンザ)
東京都中央区銀座7-9-18 ニコラス・G・ハイエックセンター 14階
入場料|無料

"Breguet in the sky"の公式Twitter
Twitter ID|Breguet_JAPAN

OPENERS NIGHT開催!

18日19:00より、OPENERS読者を特別にご招待!
日本のみならず世界を相手に目覚ましい活躍をつづけるDJ/プロデューサー 、FPMこと田中知之氏。ブレゲの愛用者である田中知之氏とOPENERS編集長山口幸一のトークショーを開催。

50組(100名様)をご招待致します。お一人様でのお申し込み も可能です。 ご応募が定員を上まわった場合は抽選とさせていただきます。

応募期間:2011年6月9日正午まで。応募方法は下記を参照ください。

6月18日(土)
18:00 Exhibition Close

19:00 Open
19:30~19:50 or 20:00 Talk Show
FMP 田中知之 and 山口幸一編集長
~20:30 田中知之 DJ Performance

応募は終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。

ブレゲ ブティック銀座 Tel. 03-6254-7211

           
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