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米国テキサス州オースティンに、世界最大のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバル「SXSW(サウス バイ サウスウエスト)2018」が開催された。
その中でも一際目立っていたのが、ソニーブース“WOW Studio” (ワオスタジオ)。
未公開のものを含むソニーの最新技術やプロトタイプを活用した研究開発段階のプロジェクト、及びスポーツやアトラクションなどを組み合わせたエンタテインメントコンテンツなどを展示した。
例えば、音に包まれる感覚を生み出すソニー独自の空間音響技術「Sonic Surf VR」や、触覚提示技術(ハプティクス技術)などの組み合わせによってゾッとする体験ができる未来のホラーハウス「Ghostly Whisper(ゴーストリーウィスパー)」や、ソニーの高速ビジョンセンサーと独自の予測アルゴリズム、および触覚提示技術(ハプティクス技術)を活用したAR(拡張現実)の新しいエアーホッケー「A(i)R Hockey(エーアール エアーホッケー)」など、ソニーの最新技術を駆使したさまざまなコンテンツを披露。
来場者からは、様々な展示で「WOW体験」を楽しんでいた。
「テクノロジーに関してはあまり詳しくないですが、色々な最先端の技術をカラダで体験できて、時代がどう変わっていくのかとても興味が湧きました。」(20代日本人女性)
「昨年に引き続き二回目の参加ですが、新しいエンタテインメントのテクノロジーが多く導入されていて、新感覚の体験を楽しませていただきました。」(30代アメリカ人男性)
【SXSW 2018ソニーブース “WOW Studio” 展示内容詳細】
■A(i)R Hockey (エーアール エアーホッケー)
高速で移動するパックとマレットをリアルタイムにトラッキングし、動きに合わせたプロジェクションを実現したARホッケー。
ソニー開発の高速ビジョンセンサーにより高速で移動するパックとマレットをリアルタイムにトラッキングし、独自の予測アルゴリズムで動きに合わせたプロジェクションを実現。映像の遅れや違和感のないプロジェクションが来場者を驚かせていた。
さらに触覚提示技術(ハプティクス技術)を組み合わせることで、実際には存在しないバーチャルなパックをあたかも打っているかのような新たな感覚も体験できる。パックの大小に応じて感触が変わる演出もあり、リアルな感触に来場者は驚き、ますますゲームに熱中していた。
■Interactive CUBE (インタラクティブキューブ)
巨大な立方体にプロジェクター映像、音、光そして振動(触覚提示技術)を用いた、人々の五感に訴える体験型エンターテインメントステージ。
透明のスクリーンを含む2枚のスクリーンを立方体に組み込み、プロジェクター映像を投射することで、立方体の中に入った人は、あたかも空間に映像が浮遊しているような感覚に陥る。
山を転がっていくような非日常の体験を楽しめる“Rolling rover”や、流れてくる指定のポーズに合わせて同じポーズをとる“Tunnel dance”、桜が舞う美しい空間の中に入り込んだ体験ができる“Cherry blossoms”などのコンテンツが公開され、周りのギャラリーも楽しんでいた。
■Interactive Tabletop Projector (インタラクティブテーブルトッププロジェクター)
複数人で同時に体験できるインタラクティブなAR空間を作り出す技術。
テーブルに触れた指や空中にかざした指を認識することで、インタラクティブな大画面を作り出すことができる。
複数台のプロジェクターを用いて投影しているため、立体的なプロジェクションマッピング映像が現れる。
テーブル上に模型を置くと、ピアノには鍵盤の模様、コントラバスには弦のラインが投影された。さらに、来場者がテーブル上の空間に指をかざすと、各自の指がピンク・黄色・緑・水色の4色のスポットライトになる仕掛けだ。
演奏が始まると中央のミラーボールから様々な色の玉が出る様子が映し出され、玉がちょうど楽器に到達するときに、タイミング良く同じ色のスポットライトを当てると、楽器がスポットライトに反応して楽曲が奏でられる仕組み。
楽曲の完成度によって、ミラーボールの色が金・銀・銅のいずれかに変わり、その結果を見て楽しんでいた。
■Ghostly Whisper (ゴーストリーウィスパー)
古い館を舞台にした体験型のショーで、来場者は家主に導かれて入室し、別の世界とつながる心構えの説明を受ける。
その後メインの部屋では来場者全員で円卓を囲み、ソニーの技術を用いて異なる世界から様々な形でメッセージを受け取る演出がされた。
家主がタロットカードを体験者に差し出しながら披露するストーリーに合わせて、ソニー独自の空間音響技術「Sonic Surf VR」によって自分だけにささやき声や風の音が聴こえたり、何かに触れられたような感覚が超常現象を再現し、ストーリーを盛り上げていた。
■Superception (スーパーセプション)
「人間の知覚・感覚の超越」をテーマにしたSuperceptionでは、“Head Light”という、ヘルメットのような専用デバイスを被って、白い小部屋の中を歩く。デバイスには「ピコプロジェクター」とよばれる小型のレーザープロジェクターが搭載されており、自分の眼の前の空間に映像を投影する仕組み。
今回は、蝶、コウモリ、モスキート(蚊)といった生物などの感覚を、投影される映像で体験できた。例えば、蝶が人間とは異なる色彩を見ている感覚やコウモリが音を使って空間を認識している様子、モスキートが空気の流れを感じている感覚など、それぞれの生物が体感している知覚世界を没入感のあるプロジェクションARとして見ることが出来た。
※記載されている商品名などはソニーおよび各社の登録商標あるいは商標です。