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2019年8月2日
[短期連載1]フィンランド人と一緒にサウナに入ろう! SAUNAでマインドフルネスしよう!|TRAVEL
TRAVEL|サウナの本場、フィンランドへGO!
サウナ・トレイル(片っ端からSAUNAをハシゴ)なら 向かうはフィンランド湖水地方(1)
日本人にとっての温泉がひとつの文化であるように、フィンランド人にとってのサウナも、立派なカルチャーのひとつとなっています。彼らの自宅にはたいてい家庭用サウナが付いていて、湯船に入る代わりに毎日のようにサウナに入るのです。ところが現地では今、空前のパブリック・サウナブーム。そこには日本の銭湯のような公共性の高い“クラッシィ”なスタイルもあれば、スーパー銭湯のように、食事もできて半日寛げるタイプもあります。もちろん湖水地方にはあの“ニンゲン池ポチャ”ができる別荘式の湖畔サウナも! この原稿では、サウナの文化を紐解きつつ、どの地方にどんなサウナがあるのかを示していきたいと思っています。次の旅の目的地はフィンランド。旅の目的は“サウナ”で決まりですぞ!
Text by TSUCHIDA Takashi
SAUNA暮らしの国の人々の趣味趣向のあれこれ
例えば、自分が外国人だったら。そしてはじめて日本に来ることになったなら。
そうだなぁ、きっと「下町の銭湯に行ってみたい」と思うはず。そういう私とまったく同じ趣味趣向の持ち主さんに向けて。いいトコあるよ、あるよ! オススメは、フィンランド湖水地方タンペレという街にある「ラヤポルッティ」。私、ここで、やっぱり「アッター!」とおののきました。
はい、あったのは下町銭湯の代名詞とも言うべき、熱湯風呂ならぬ熱波サウナ。私、ヌルめの湯船にじっくり浸かりながら、頭のなかを空っぽにしてボケーっとするのも大好きなのですが、それと同じくらいに好きなのは、爪の先からシビレるくらいに、カッチカチにアッツいやつ。浸かりはじめは毎度ツラいんだけど、なんとか耐えると、そのうち一気に細胞が活性化して、湯船を出た時にすごくシャキっとする、あの感覚も嫌いじゃないのです。
「ラヤポルッティ」は1906年創業した、フィンランドに現存する最古の公衆サウナ。設備は古いし、お洒落要素も特になしのですが、やっぱり“好き者”が集まってくるという意味で超本格的です。サウナを熱するその窯の大きさは半端なく、しかも常連のおじいちゃんが間隔を空けずに、容赦なく水をくべるから、そのたびにビリビリとした、強烈に熱い蒸気がサウナ内に広がります。
このサウナに入るには、サウナハットはマストでっせー!! 髪の毛が焼け縮れるんじゃないかというぐらいです。私は、サウナハットを深々と被り、それでも耳たぶがただれそうな気がして、厚手のバスタオルを頭に被ってました。それくらいヤバいよ、ここ。でも激熱風呂と同じで、ヤミツキになります。素晴らしいです。
ちなみにサウナ室内は2階建てになっていて、1階に窯があります。ここにチリチリに焼けたホットストーンがわんさとあり、しかも常時営業中は絶え間なく熱し続けています。そこに、シャベルのようなツールでロウリュ(水をくべる)すると、バッシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっていう、ものすごい音とともにキョーレツな熱蒸気が2階目指して舞い登るのです。もちろん1階にいる分には平気ですが、1階はどちらかと言うと洗体のスペースであり、サウナを楽しむならやっぱり2階。男女別ですが、空気の通り道でつながっているらしく、男サウナでバシャーっ、バシャーっと熱蒸気をどんどん炊くと、「もうやめてー」(と言ってるだろう、フィンランド語。声の必死さで伝わってくる)が聞こえてきます。
ただし熱さ自慢のサウナは、フィンランドでは珍しいそうです。むしろロシアのサウナの方がその傾向が強いって。サウナ文化を研究している“スオミのおかん”こと、こばやしあやなさんの話では……
「サウナという言葉は確かにフィンランド語だし、フィンランドはサウナの本場ではあるけれども、フィンランドは決してサウナ発祥の地ではない」
「蒸気浴という風習は、ユーラシア大陸の北側のあちこちで同時多発的に起こったことであり、どこが最初だったかは特定できない」とか。
「蒸気浴という風習は、ユーラシア大陸の北側のあちこちで同時多発的に起こったことであり、どこが最初だったかは特定できない」とか。
それでもタンペレという街が、かつて工業で栄えた時代、そこで働く労働者の汗を流す場として生まれた「ラヤポルッティ」が、紆余曲折を経て、まるで東京の下町の銭湯のようにカッチカチな蒸気浴を楽しんでいるというのは、なんとなく親和性を感じます。仕事後のひとっ風呂は、やっぱこうだよ。
ちなみに紆余曲折と言ったのは、じつはこの「ラヤポルッティ」、何度も潰れてるんです。日本の銭湯と同じく、各家庭にサウナがあることが普通となって以降、地元客が激減したとか。ところが今は、サウナ愛好家の支えで、人気が再燃しているそう。この現象、東京の銭湯の状況と似ていませんか?
そしてカンカンに火照った身体をどうするかというと、実はどうもしないのが「ラヤポルッティ」。そう、街なかの公共サウナには、水風呂なんてないのです。ただサウナ室を出て、外気で身体を冷ますだけです。
ベンチに腰掛け、ビールの小瓶をラッパ飲みで楽しみながら、至福の時間を過ごします。
Rajaportti Sauna
営業時間|18:00〜22:00(⽉・⽔)、15:00〜21:00(⾦)、14:00〜22:00(⼟)
住所|Pispalan valtatie 9 FI-33250 Tampere FINLAND
TEL|+358-50-310 2611(サウナ)
+358-(0)3-213 0117(カフェ)
URL|http://www.rajaportinsauna.fi/index.ja.php
営業時間|18:00〜22:00(⽉・⽔)、15:00〜21:00(⾦)、14:00〜22:00(⼟)
住所|Pispalan valtatie 9 FI-33250 Tampere FINLAND
TEL|+358-50-310 2611(サウナ)
+358-(0)3-213 0117(カフェ)
URL|http://www.rajaportinsauna.fi/index.ja.php
最新トレンドスポット「サウナレストラン・クーマ」
その逆、街の中心地にあり、川に面した場所に建てられた「クーマ」は、2018年6月にオープン。地元の最先端トレンドスポットとして人気を誇っています。ここはスタイリッシュなレストラン、オープンデッキのバーとともに、サウナを楽しむことが可能。サウナ自体は大きなものではなく、飲食設備が主で、サウナが従の関係です。そしてサウナは水着着用がルール。したがって小さめなサウナに男女が一緒に入ることを前提にしているので、気軽にグループ利用できるのが特徴。シティホテルのお洒落で小さなプールのサウナ版みたいな感じでしょうか。メイク崩れ大丈夫? とか細かいことにはこの際、気にせず、大人のリッチな遊びとして、シャンパン&サウナ。日本でも流行りそうです。ちなみにクーマとは、フィンランド語でhotの意味。「温度が熱い」「注目度がアツい」をかけています。ベタベタやのう!
Saunaravintola Kuuma
住所|Laukontori 21, 33100 Tampere, Finland
TEL|+358(0)3-371-4637
レストラン営業時間|11:00〜14:00(⽉・⽕)、11:00〜24:00(⽔・⽊)、11:00〜14:00(⾦・⼟)、12:00〜20:00(⽇)
サウナ営業時間|11:00〜14:00(⽉〜⼟)、12:00〜20:00(⽇)
URL|https://www.frantsilankehakukka.fi/en/
住所|Laukontori 21, 33100 Tampere, Finland
TEL|+358(0)3-371-4637
レストラン営業時間|11:00〜14:00(⽉・⽕)、11:00〜24:00(⽔・⽊)、11:00〜14:00(⾦・⼟)、12:00〜20:00(⽇)
サウナ営業時間|11:00〜14:00(⽉〜⼟)、12:00〜20:00(⽇)
URL|https://www.frantsilankehakukka.fi/en/
TAMPERE(タンペレ)とは?
人口20万超のフィンランド第3の都市。フィンランド産業革命の発信地として、グローバル企業のノキアが誕生したのもこの地域。伝統的な建築物と近代的な都市開発が見事に融合し、この地を訪れる人々、そしてこの地に暮らす人々を楽しませています。ムーミン博物館も人気スポット。ヘルシンキからは鉄道で片道約1時間30分。
人口20万超のフィンランド第3の都市。フィンランド産業革命の発信地として、グローバル企業のノキアが誕生したのもこの地域。伝統的な建築物と近代的な都市開発が見事に融合し、この地を訪れる人々、そしてこの地に暮らす人々を楽しませています。ムーミン博物館も人気スポット。ヘルシンキからは鉄道で片道約1時間30分。
問い合わせ先
フィンランド政府観光局
http://www.visitfinland.com/ja/
トップ画像の詳細:タンペレにある公共サウナ「ラヤポルッティ」の“番台”。右側が男性、左側が女性の入り口。