MUSIC|ジョン・メイヤー最新アルバム『パラダイス・バレー』
LOUNGE / MUSIC
2015年4月7日

MUSIC|ジョン・メイヤー最新アルバム『パラダイス・バレー』

MUSIC|最新アルバムが到着

失われた声、土地――喪失と再生の物語

ジョン・メイヤー『パラダイス・バレー』

現代の“世界3大ギタリスト”のひとり、ジョン・メイヤー。メロウでスモーキーな歌声で、シンガーとしても確固たる地位を築いている。これまでもB.B.キング、エリック・クラプトンからアリシア・キーズ、ジェイ・Zまで、ジャンル、国境、世代を超えて多くのアーティストと共演してきた。待望の新作『パラダイス・バレー』が8月21日(水)にリリースされる。

Text by IWANAGA Morito(OPENERS)

2度にわたる喉の手術を乗り越え復活
前作『ボーン・アンド・レイズド』から、およそ1年ぶりとなる新作のリリース。しかしそれは、過酷な試練を乗り越えたジョンの「喪失と再生の物語」だったのである。

収録曲「ワイルドファイア」のオフィシャルリリックビデオ

2011年秋に、声帯の近くにできた肉芽腫(にくがしゅ)の手術を受けたジョンは、同年のツアーをキャンセルしていたが、2012年に入って5枚目のスタジオアルバム『ボーン・アンド・レイズド』をリリースすることを発表。しかしそのリリース直前に、ふたたび肉芽腫がみつかり、2度目の手術を受けねばならなくなったのだ。アルバムはリリースされたものの、予定されていたツアーはふたたびキャンセルを余儀なくされた。

最初の喉の手術のあと、ジョンは休養のため、モンタナ州にあるボーズマンという渓谷に囲まれた美しい土地を訪れた。手術後はその地で十分な休養を取りつつ、あらたな作品に取り掛かっていたが、公にパフォーマンスすることがないまま約2年が過ぎ去ろうとしていた。そんななか、2013年1月、モンタナ州ボーズマンでおこなわれたチャリティ・コンサートに突如、登場したのだった。当時は、治療の影響で彼の声はまだかすれていたという。そのような状態にも関わらず、彼が姿を見せたのには理由があった。

2012年夏、ボーズマン近隣で山火事が発生。自然に囲まれた美しい景観を誇る名所「パラダイス・バレー」を含む8500エーカーにも及ぶ土地が焼失した。その山火事と闘った消防士たちのため、ジョンは慈善コンサートをおこなったのだ。

「彼らがいなければ、もっと多くの家や思い出が破壊されてしまっていた。僕は当時、モンタナから離れたところにいて何もできなかった。だから、僕を温かく迎え入れてくれたこの土地と街の人々に何か出来ないかと考え、チャリティ・ライヴで少しでも義援金を集められたらと思ったんだ」

MUSIC|ジョン・メイヤー最新アルバム『パラダイス・バレー』をリリース 02

そして、ニュー・アルバムを携えジョン・メイヤーがふたたびシーンに戻ってくる。タイトルはその名も『パラダイス・バレー』。焼失した土地への思いと、再生への願いが込められているにちがいない。
「失った声」を取り戻した、ジョンの新章がはじまろうとしている。

MUSIC|ジョン・メイヤー最新アルバム『パラダイス・バレー』をリリース 03

『パラダイス・バレー(国内盤)』
ジョン・メイヤー
8月21日(水)発売
2520円(SICP-3887)
http://www.johnmayer.com

ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル 
http://www.sonymusic.co.jp/JohnMayer

           
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