松浦俊夫|“ジャズ界の巨人”ウェイン・ショーターをフィーチャー
松浦俊夫|from TOKYO MOON 1月6日 オンエア
“ジャズ界の巨人”ウェイン・ショーターをフィーチャー
日曜の夜、上質な音楽とともにゆったりと流れる自分だけの時間は、おとなたちの至福のとき。そんな時間をさらに豊かにするのが、DJ松浦俊夫によるラジオプログラム『TOKYO MOON』──。彼が世界中から選りすぐったすばらしい音楽や知的好奇心を刺激するおとなのためのトピックスを、毎週日曜日Inter FM 76.1MHzにて24時からオンエア。ここでは、毎週放送されたばかりのプログラムを振り返ります。今週はまもなく80歳を迎える“ジャズ界の巨人”こと、ウェイン・ショーターをフィーチャーしてお届けします。
Text by MATSUURA Toshio
おとそ気分も吹き飛ぶようなパワフルさ!
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ、マイルス・デイビス・クインテット、ウェザー・リポートの一員として。さらには、ソロ・アーティスト、コンポーザーとして、半世紀以上にわたって“歴史的名作”と呼ばれる音楽作品を数多く手がけてきたサクソフォニスト、ウェイン・ショーター。
齢80を数える2013年、ミュージシャン/プロデューサーのドン・ウォズが代表に就任して以来、再び注目を集めている老舗ジャズレーベル、ブルーノート・レコーズから、自身がリーダーを務める同レーベル発の作品としては43年ぶりとなるアルバム『Without A Net』を発表します。番組で紹介した1966年のマイルス・クインテット時代の「Orbits」をはじめ、新年早々、おとそ気分も吹き飛ぶような、80歳になるとはおもえないほどのパワフルで、先鋭的なプレイを全篇にわたって聴かせてくれます。
「いま、われわれアーティストが直面するのは、いかに“特異性”や“事象の地平面”を作りだすかというチャレンジだ。なぜなら、自我が左右する行動サイクルは、それが繰り返されることで人間を停滞させ、究極の冒険という名の人生の入口を閉ざしてしまう。だからこそ、そのサイクルを人間は打破せねばならないんだ」
(ウェイン・ショーター)
『Without A Net』(=安全ネットなしに)と名付けるあたり、ジャズ・ミュージシャンとして常に前進し続ける彼の姿勢に大きな拍手を送りたいとおもいます。3月の来日公演がいまから楽しみです。
The Miles Davis Quintet
『Miles Smiles』
Nina Simone
『Nina At Newport』
Me'Shell Ndegeocello
『Pour Une Âme Souveraine : A Dedication To Nina Simone』
Roberto Fonseca『Yo』
Till Bronner 『Till Bronner』
REVIEW|TRACK LIST
01. Wayne Shorter / Orbits (Blue Note)
02. The Miles Davis Quintet / Orbits (Columbia)
03. Nina Simone / Flo Me La (Colpix)
04. Me'Shell Ndegéocello / See Line Woman (Naive)
05. Roberto Fonseca / Gnawa Stop (King)
06. Till Bronner / Gilbraltar (Universal)
ウェイン・ショーター来日!
シアターでジャズを~渋谷発の大人の一週間
JAZZ WEEK TOKYO 2013 at 東急シアターオーブ
日程|2013年3月22日(金)~27日(水)
※ウェイン・ショーター・カルテットの出演は3月23日(土)~24日(日)
時間|23日(土)18:30開場、19:00開演
24日(日)18:00開場、18:30開演
会場|東急シアターオーブ
東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ11階
料金|8000円
出演者|八代亜紀、Pink Martini,ソイル&ピンプ・セッションズ、菊地成孔、ジスモンチほか
http://jazzweektokyo.com/
Wayne Shorter|ウェイン・ショーター
1933年8月生まれ。メイナード・ファーガソンのバンドを経て、1959年アートブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズに入団。1961年初来日。1964年、マイルス・デイビスのクインテットにサム・リヴァースの後任として入団し、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスとともに「黄金のクインテット」としてアコースティックジャズの頂点に。またそのころに並行してブルーノートでのレコーディングも開始。1964年から1970年にかけて数かずの名盤を残した(『JuJu』(1964)、『Speak No Evil』(1965)等)。マイルスのバンドを脱退後、1970年にジョー・ザヴィヌルらとウェザー・リポートを結成。9度のグラミー賞受賞経験もあり、絶え間なく音楽的冒険をつづけ
ている。
松浦俊夫|from TOKYO MOON 1月6日 オンエア
真冬の東京を熱くする注目のライブ
2013年は注目のライブが目白押し
2013年は新年早々、素晴らしい作品のリリースが目白押し。それにともない来日公演が立てつづけに開催されます。前述したウェイン・ショーターをはじめ、キューバからピアニストのロベルト・フォンセカとドイツからトランペッター/ボーカリストのティル・ブレナーが新作を携えブルーノート東京に登場。真冬の東京を熱くしてくれます。
ロベルトは、若くしてかのブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのツアーに参加したことで世界中から注目を集めたアーティスト。キューバの古典的な音楽から、ロンドンのDJジャイルス・ピーターソンとタッグを組んだモダン・ミュージック・プロジェクト“ハバナ・カルチュラ”まで、多方面で溢れる才能をいかんなく発揮しています。個人的には、2002年に発表したユナイテッド・フューチャー・オーガニゼイション(U.F.O.)のアルバム『V』に参加してもらった縁があり、彼の動向には常に注目しています。今回はどのような“驚き”を届けてくれるのでしょうか? いまから楽しみです。
ロベルト・フォンセカ ‘YO’
日程|2013年1月12日(土)~13日(日)
時間|[1st]15:45開場、17:00開演 [2nd]19:00開場、20:00開演
料金|テーブル自由席=7000円
メンバー|ロベルト・フォンセカ(ピアノ)、ホルヘ・チコイ(ギター)、 ヤンディ・マルティネス(ベース)、
ラムセル・ロドリゲス(ドラムス)、 ジョエル・イエレスエロ(パーカッション)、セコウ・コウヤテ(パーカッ
ション)
いっぽうのティル・ブレナーは、バレンタイン・シーズンにイタリアの“ジャズ・マエストロ”ことニコラ・コンテとのセッションのために来日が予定されています。ここ数年はジャズ・フィールドから離れた活動をしていた彼ですが、今回発表する新作では得意のボーカルを封印し、トランぺッターとしてクラブ系のプロデューサーらとともに、ジャズファンク/フュージョン路線で勝負しています。国境を超えてタッグを組むヨーロピアン・ジャズ・コンボの演奏に期待したいとおもいます。
ニコラ・コンテ featuring ティル・ブレナー
- St. Valentine's Day Special Live -
日程|2013年2月13日(水)~16日(土)
時間|13日(水)~15日(金)
[1st]17:30開場、19:00開演 [2nd]20:45開場、21:30開演
16日(土)
[1st]15:45開場、17:00開演 [2nd]19:00開場、20:00開演
料金|テーブル自由席=7500円
メンバー|ニコラ・コンテ(ギター)、ティル・ブレナー(トランペット)、 マグナス・リンドグレン(サック
ス、フルート)、ピエトロ・ルッス(ピアノ)、 パオロ・ベネディッティーニ(ベース)、テッポ・マキネン
(ドラムス)、 ザラ・マクファーレン(ボーカル)
会場|ブルーノート東京
東京都港区南青山6-3-16ライカビル
http://www.bluenote.co.jp/
松浦俊夫『TOKYO MOON』
毎週日曜日24:00~24:30 ON AIR
月曜日24:30~25:00(再放送) ON AIR
Inter FM 76.1MHz
『TOKYO MOON』へのメッセージはこちらまで
moon@interfm.jp
Inter FM 76.1MHz www.interfm.co.jp