
MOVIE|全米で感動を呼んだ奇跡のドキュメンタリー『ミラクルツインズ』
MOVIE|肺の難病を乗り越えた双子のアナベルとイサベル
全米で感動を呼んだ奇跡のドキュメンタリー『ミラクルツインズ』
肺の遺伝性の難病「嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)」をもって生まれてきた、日系アメリカ人の双子アナベル・万里子とイサベル・百合子。生きることを諦めないふたりの姿を追い、全米で感動を呼んだ奇跡のドキュメンタリー『ミラクルツインズ』が11月10日(土)から渋谷アップリンクほか、全国で順次公開される。
Text by YANAKA Tomomi
姉妹や周りの人とのつながりを丁寧に描いたマーク・スモロウィッツ監督
生まれながらに外分泌腺の正常な働きが阻害される、遺伝的難病「嚢胞性線維症」(CF)を抱えて生まれてきた双子の姉妹の人生を綴った『ミラクルツインズ』。互いに励ましあいながら成長し、スタンフォード大学を卒業するなど、難病と向き合いながらも懸命に生きてきた彼女たちが直面した死。そんな姉妹が肺の移植後蘇り、臓器移植のスポークスウーマンとして、またあらたな人生を歩む姿が繊細に忠実に描写されている。
監督を務めたのは、2度のアカデミー賞ノミネートの経歴をもつマーク・スモロウィッツ。ハンディキャップをもちながらも、人生に果敢にチャレンジしてきた彼女たちの生きざまや、その周りの人たちとのつながりが丁寧に描かれた。
彼女たちに生きる力をあたえた臓器移植
1972年、日本人の母親とドイツ人の父親のもとにCFをもって生まれた双子の姉妹アナベルとイサベル。生きるために胸を叩くなどの苦しいセラピーを日課とし、入退院、呼吸困難、肺の感染症を繰り返しながらも、お互いを支えあって大人になったふたり。しかし、そんな彼女たちの肺の機能が停止する日がついにやってくる。
そんなふたりを救ったのは、臓器移植によるあたらしい肺。彼女たちに生きる力を与え、不可能だった登山や水泳などのスポーツをも可能にした。さらに、ふたりの挑戦はそれだけに終わらず、自分たちの病気CFについて、さらには臓器移植の必要性をたくさんの人に伝えるため、自ら支援活動もはじめ、多くの人たちに勇気と希望を与えていく。
「シャボン玉を吹くと、ドナーからの贈り物が見えるの」と語る彼女たちとその家族、そして臓器提供というあらたな絆。『ミラクルツインズ』は、彼女たちの諦めない姿に感銘を受けるのはもちろん、臓器移植、臓器提供の意義についても考えさせられるドキュメンタリーだ。
『ミラクルツインズ』
11月10日(土)より、渋谷アップリンクほか全国順次公開
監督・プロデューサー│マーク・スモロウィッツ
出演│アナベル・ステンツェル、イサベル・ステンツェル・バーンズ
2011年/アメリカ・日本/94分
© Twin Triumph Productions, LLC