BOOK|マッチアンドカンパニーから森山大道と蜷川実花の最新写真集が発売
BOOK|写真集の刊行を記念し、写真展『森山大道×M×蜷川実花』も開催
マッチアンドカンパニーから森山大道と蜷川実花の最新写真集が発売
良質な写真集制作で世界中にファンをもつ写真集レーベル、マッチアンドカンパニーが手掛ける森山大道『Dazai』と蜷川実花の『蜷川実花:Self-image』、2冊の写真集が発売。この写真集の発売を記念し、4月26日(日)まで写真展『森山大道×M×蜷川実花』が六本木のIMA CONSEPT STOREで開かれている。
Text by YANAKA Tomomi
町口覚がつなぐふたりの写真家の共鳴する写真群
アートディレクターの町口覚が主宰するデザイン事務所、マッチアンドカンパニー。さまざまな分野のグラフィックデザインを手掛けるデザインオフィスであると同時に、1990年代から日本の若手写真家の写真集を数多く制作し、世に送り出してきたことでも知られている。また、発行・販売元として表現者と徹底的に向き合う姿勢も高く評価され、紙や印刷への強いこだわりから生み出される写真集は、欧米の多くのコレクターからも支持されてきた。
そして、マッチアンドカンパニーが最新作として手掛けた日本を代表する写真家の2冊の写真集。森山大道が小説家太宰治にオマージュを捧げるために制作された『Dazai』は、マッチアンドカンパニーの「MMM」レーベルの新刊として昨年秋にパリで開催された「PARIS PHOTO 2014」で発表されたもの。1970年代から現代にいたるまでの森山のモノクローム作品のなかからセレクトされた写真や太宰の代表作である短編『ヴィヨンの妻』が収録されている。
いっぽう、蜷川実花の写真集は、5月10日(日)まで品川の原美術館で開かれている展覧会『蜷川実花:Self-image』のカタログとして原美術館とマッチアンドカンパニーの共同出版として刊行。華やかさや幸福感の隣にある歪みやよどみ、衰退の影までもが映りこんだ、蜷川実花のちがった一面を見ることができる写真集だ。
この2冊の写真集の誕生を記念し、IMA CONSEPT STOREで開かれている『森山大道×M×蜷川実花』では、写真集制作の素材となったイメージをもとに、町口の視点を開示。制作時のプロセスを関連資料とともに展示することで、デザイナー町口覚がどのように写真集を手掛けたのかを知ることができるという。
町口覚がつなぐふたりの写真家の共鳴する写真群。世界が注目する写真家の最新のアートワークを見ると同時に、彼らから全幅の信頼を寄せられる町口覚の“仕事の流儀”を見てみたい。
森山大道作品集『Daido Moriyama:DAZAI』
出版│マッチアンドカンパニーMMM
価格│5400円
蜷川実花『蜷川実花:Self-image』
出版│マッチアンドカンパニー、原美術館
価格│2970円
『森山大道×M×蜷川実花』
期間│4月6日(月)~4月26日(日)
会場│IMA CONSEPT STORE
東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3F
Tel. 03-5572-7144