BOOK|カルチャーマガジン『Winkle』創刊
BOOK│創刊第1号は、熱を取り戻しつつあるジャパニーズヒップホップを特集
いつまでも古びない流行を探すカルチャーマガジン『Winkle』創刊
趣味趣向が多様化している現代において、さまざまな形で表現するひとの声を伝え“いつまでも古びない流行”を探るあたらしいスタイルのカルチャーマガジン『Winkle(ウィンクル)』が5月7日、ネコ・パブリッシングから創刊された。
Text by YANAKA Tomomi
菊地成孔氏がラッパーとして登場!?
アート、音楽、映像、写真、食など、さまざまなカルチャーの本質を探るために誕生した『Winkle』。その名の由来は、主人公ウィンクルが、声を掛けられた見知らぬ小人からお酒をご馳走になり、酔って目を覚ますと20年もの時間が流れていたという、アメリカのおとぎ話『リップ・ヴァン・ウィンクル』に由来する。
雑誌『Winkle』では、さまざまなメディアやデバイスに囲まれ、自分の目で見てもない、手で触ってもいない情報、つまり“おいしいお酒”に惑わされるのではなく、あらゆる物事の本質を探ろうと誕生。編集部が考える「受け継がれるべき想いやメッセージ」を現代のあたらしい民話と捉え、美しくかつポップなビジュアルとともに掲載する。
発行は年2回。128ページ、フルカラーの本号では、近年20代前後の若手を筆頭に、熱を取り戻しつつあるジャパニーズヒップホップを特集。ヒップホップに詳しい慶應義塾大学法学部教授の大和田俊之氏によるレクチャーを皮切りに、昨年ヒップホップクルー「JAZZDOMMUNISTERS(ジャズ・ドミュニスターズ)」としてアルバム『BIRTH OF DOMMUNIST』をリリースしたジャズミュージシャンの菊地成孔氏、大谷能生氏の対談や、描きおろしのグラフィティなどが掲載されている。
このほかにも、愛媛県の道後温泉を舞台にしたアートフェスティバル『道後オンセナート2014』や、スイスのアーティスト、ミリアム・カーンへのインタビューなど幅広く網羅。連載陣も多彩で、漫画家和田ラヂヲ氏による『伊達や酔狂の果てに見たもの』や、グラフィックデザイナー大西真平氏による『オーセンティック焼肉紀行』などがラインアップされている。
メジャーやマイナー、ジェネラルもローカルも関係のない、独自の視点から取り上げられるコンテンツの数々。現代のカルチャーシーンを自由に横断するメディアの誕生だ。