BOOK|新間美也著『香水のゴールデンルール』
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2015年1月26日

BOOK|新間美也著『香水のゴールデンルール』

ビギナーからフレグランス愛好者までの最高のガイドブック

新間美也著 『香水のゴールデンルール』

11月15日に出版された『香水のゴールデンルール』の編集者によると、「香水を選び、使う入門書で、調香師による執筆はしばらくなかった」とのこと。本書の著者は、パリを拠点に活躍する調香師の新間美也さん。現役のプロによる“香りの解説書”は、順を追って読んでいくほど、香りの楽しさ、不可思議さ、そして奥深さがよくわかる。

文=OPENERS
写真=高田みづほ

ブランド名に惑わされず、じっくり自分の香りを探すための羅針盤に

たとえば、あたらしい香水で“フローラル・ウッディ・シトラス”な香調といわれて理解できるひとはどれぐらいいるだろう。こうして文章を書いている私たちでも、実際に香ってみないと本当のノート(香調)はわからないし、それを伝わるように文字にするのはもっと難しい。そういう意味では、プロの手引き書としても重用される。

この本のメインとなる「香水の選び方」では、ノートで選ぶ、自身のパーソナリティを知って選ぶ、ドレスコードや季節での使い分けまで詳細にわかりやすく解説。とくにうれしいのが、掲載されている香水の多くがいま店頭で買えること。読んで、試せて、まさに“最新版のフレグランス事典”となっている。

香水|新間美也 03

香水|新間美也 04

パリ在住の新間美也さんにインタビュー

──著書名の『香水のゴールデンルール』に込めた思いは?

自信をもって香りを選んでいただけるように。そうして見つかった香りこそ、使うひとを輝かせることができるからです。

──この本をどのように活用してほしいですか?

はじめて香水を買う方には、香り選びのガイドブックとして、すでにたくさん香水をもっている方には、香りのワードローブを整理するためにお使いいただければと思います。

──新間さんから見て、日本人の香水の使い方のいいところは?

季節や気候に合わせた使い方をするところですね。

──逆に直してほしいところはありますか?

流行を意識しすぎたり、安易に流行の香りを選んでしまうところでしょうか。

──香水との上手なつきあいかたを教えてください。

香水との出会いも、ある意味、ご縁。ですから、ピン! とくるものをためらわずに使ってみるのもいいと思います。けれども、パーソナリティから香りを選べは、自分をうまく演出することも可能。香りについて、ほんの少し、詳しく調べてみたり、ときには歴史に残る名作を纏(まと)って、香りのセンスを磨くことも大切です。

──新間さんの近況は?

新ラインのオードトワレの香りを開発中です。フェリーチェ・トワコ・コスメ(君島十和子プロデュース化粧品)のために、フレンチローズやホワイトグレープの香りを制作。今年の11月に「アトリエ・アローム&パルファン・パリ」を創設し、企業向けのオリジナルフレグランス制作をはじめました。

『香水のゴールデンルール』
定価|1890円
著者|新間美也
出版社|原書房
フランス在住の調香師 新間美也さんが、香水の初歩からプロレベルの知識までを解説し、個性別・香調別の選び方をレッスン。人生を彩る香りのルールがわかる。

           
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