特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」|ART

《鼻飾り》 金、ラピスラズリ/ソーダ石ほか 。ペルー。2~4世紀。ⓒ The Al Thani Collection

LOUNGE / ART
2019年10月8日

特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」|ART

ART|地中海地域、アジア、アフリカ、中南米の古代工芸品を約120点展示

上野・東京国立博物館にて世界各地の古代文化が生み出した数々の工芸品を一挙紹介

上野・東京国立博物館にて、2019年11月6日(水)~2020年2月9日(日)まで、世界各地の古代文化が生み出した工芸品約120点を通覧できる特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」が開催される。

Text by OZAKI Sayaka

カタール王族によって収集された117作品を一挙公開

上野・東京国立博物館の東洋館3室にて、特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」が、2019年11月6日(水)~2020年2月9日(日)まで開催される。本展では、ザ・アール・サーニ・コレクションが誇る名品の中から厳選された117作品を紹介。ザ・アール・サーニ・コレクションは、カタール王族のシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニによって収集され、その豪華さと多様な地理的・文化的背景を特色とする。古代から近現代までを網羅する傑出した美術品の数々は、人類の創造性のひとつの到達点を示すものだ。
全3章構成の第1章では、「人」を主軸として、ファラオ像など各地の古代社会を統治していた王や有力者にまつわる工芸品が展示される。理想的な姿で表現された王像、煌びやかな装身具、葬送のために特別に作られた品々など、いずれも、貴重な素材を高い技術で加工した名品だ。
第2章では、古代文化の神像や聖なる儀式をめぐる工芸品を紹介。古代ギリシアの英雄神ヘラクレスの彫刻を施した瓶などを展示する。天候不順や頻発する戦争のなか、自らの生存と社会の安定に力を尽くした古代の人々が、自分たちを超越した存在に捧げた祈りの表現に関連した作品が展示される。
古代社会において、人間が自然をどのように認識してきたかに着目した第3章「自然」では、主に動物の形を模した工芸品が展示される。どの古代社会の人々も、動物を模した器や装身具を用いることで、自然界や神々の力にあやかってきたと考えられ、例えば、ヤギなどの大きな角をもつ野生動物は、自然界の力強さを象徴したとされている。展示作品ごとに、動物の佇まい、異なる表情が表現され、多様な自然の表現を通して人々の興味の対象が文化によって異なっていたことを浮かび上がらせる。
本展覧会は地中海地域からアジア、アフリカ、中南米といった地域の古代社会に由来する作品を一度に鑑賞できる、貴重な機会となるだろう。
《王像頭部》 赤碧玉。エジプト。前1473~前1292年頃。ⓒ The Al Thani Collection
《仮面》 翡翠、貝。グアテマラ。3~6世紀 ⓒ The Al Thani Collection
《浮彫》 アラバスタ―、金、貴石、青銅ほか。アラビア半島南部。100年頃 ⓒ The Al Thani Collection
「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」
会期|2019年11月6日(水)~2020年2月9日(日)
会場|東京国立博物館 東洋館3室(東京・上野公園)
住所|東京都台東区上野公園13-9
時間|9:30~17:00、金曜・土曜は21:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日|月曜日、12月26日(木)~2020年1月1日(水・祝)、1月14日(火)※ただし1月13日(月・祝)は開館
主催|東京国立博物館、ザ・アール・サーニ・コレクション財団、NHK
問い合わせ先

東京国立博物館
Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
https://www.tnm.jp/

                                    
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