ART|デイヴィッド・シルヴィアン写真展『abandon/hope』
ART│清冽で強靭な美意識
デイヴィッド・シルヴィアン写真展『abandon/hope』
ミュージシャンとして第一線で活躍しつづけるデイヴィッド・シルヴィアンが長年にわたり撮りつづけた写真作品を展示する『abandon/hope』。7月22日(月)~29日(月)まで南青山のスパイラルガーデンで開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
『瀬戸内国際芸術祭』でのフォトインスタレーションや限定発売の写真集も
1978年に「ジャパン」のボーカルとしてデビュー後、1980年代からはソロで活躍、これまでに坂本龍一らとのコラボレーションなど多彩な活動をみせているデイヴィッド・シルヴィアン。ミュージシャンとしての顔のほかに、1990年代初頭からヴィジュアルによるアート・インスタレーションを手がけるなど、アーティストとしての一面にも注目が集まっている。
そんなデイヴィッド・シルヴィアンが、時間やロケーションを超えて彼の心に響き、共振したイメージ写真を展示する“「断念(abandon)」と「希望 (hope)」”と題した写真展を開催。会場には、約70点の作品が並び、彼のつくりあげるサウンドとリンクする清冽で強靭な美意識が表現される。
また本展とおなじタイトルの写真集『abandon/hope』も発売。サイン入りのオリジナルプリント2点や、『abandon/hope』プロジェクトのために制作された音源が再生できる缶バッジ型メディアプレイヤー「playbutton」が付属した、世界限定50部の「スペシャル・バージョンI」、「playbutton」がついた限定250部の「スペシャル・バージョンII」も登場する。また、普及版も限定700部と、合計でも1000部しか発行されないファン垂涎の写真集だ。
本展の開催と同時に、瀬戸内の島々などで7月20日(土)から夏の展示がはじまる『瀬戸内国際芸術祭2013』でも作品を展示。岡山県玉野市・宇野港のメインプロジェクトとして廃屋を利用したフォトインスタレーションが開かれ、ふたつの写真展をとおして『abandon/hope』プロジェクトの全貌をみることができる。
見るひとの心のなかにストーリーを呼び起こすデイヴィッド・シルヴィアンの写真世界。彼自身はこう語っている。
「愛が姿を現すためには、希望が沈黙しなければならない…。これこそがよきはじまりではないかと私には思えるのだ」