六本木・国立新美術館で『カルティエ、時の結晶』展を開催|ART
ART|メゾンが築き上げた創作の歴史を背景に作品を紐解く
比類なき想像力に溢れるカルティエの美の秘密を鑑賞。
『カルティエ、時の結晶』展が
六本木・国立新美術館で開催
1970年代以降のカルティエの現代作品に光を当てる展覧会「カルティエ、時の結晶」展が、2019年10 月2 日(水)~12月16日(月)まで、東京・六本木の国立新美術館にて開催される。
Text by OZAKI Sayaka
カルティエが宝飾界にもたらしたイノベーションと、美の秘密を鑑賞する展覧会
カルティエの作品は、1995年、2004年、2009年の展覧会を通して日本で紹介されてきた。これらの展示はいわゆる「カルティエ コレクション」の歴史的な作品を対象としたものだったが、2019年に国立新美術館で開催される『カルティエ、時の結晶』展では1970年代以降の現代作品にフォーカスし、メゾンが築き上げてきた創作の歴史を背景に、創作活動における革新性、現代性、独自性を紐解く、世界でも初めての展覧会だ。
本展のテーマは“時の結晶”。「時間」を軸に、「色と素材」「フォルムとデザイン」「ユニヴァーサルな好奇心」という3つの章で構成され、カルティエのイノベーションに満ちたデザインの世界が探究される。地球の奥深くで壮大な時間を経て生成され、奇跡的に発見された宝石と、世界各地の文化や自然物などから着想を得たデザインが、卓越した職人技術によって叶えられたカルティエの宝飾。それは世界の縮図であり、地球や文明との時空を超えた対話とも言えるだろう。
本展では、素材に秘められた可能性を探求することによって、色彩や線、フォルムなど、伝統を継承しつつも、常に宝飾界に新しい風を吹き込み続けるカルティエの想像力に満ちた美の秘密が解き明かされる。また会場構成を手掛けるのは、現代美術作家の杉本博司氏と建築家の榊田倫之氏によって設立された、新素材研究所だ。“旧素材こそ最も新しい”という理念のもと、伝統的な職人の技術と最新技術とを融合させ、現代的なディテールで仕上げる彼らのデザインによって「時」を意識する展示空間が創り出される。そうやって観る者に新たな鑑賞体験を促すのだ。
カルティエ、時の結晶
会期|2019年10月2日(水)~12月16日(月)
会場|国立新美術館 企画展示室2E
住所|東京都港区六本木7-22-2
主催|国立新美術館、日本経済新聞社
特別協力|カルティエ
後援|在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
協力|川島織物セルコン
会場構成|新素材研究所