今回は、前々回からつづいている「ファッションデザイナー編」の流れを汲む「ファッション・テキスタイルデザイナー編」として、テキスタイルデザイナーの須藤玲子氏をゲストに招く。

須藤氏が取締役を務める株式会社「布」では、日本の伝統的な染織技術から現代の先端技術までを駆使したテキスタイルづくりをおこなっている。ほとんどの製品を国内の工場で生産しており、その技術力と可能性を存分に引き出したテキスタイルは、美術作品としての側面さえもつ。

須藤 玲子｜SUDO Reiko
テキスタイルデザイナー。茨城県生まれ。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科テキスタイル研究室助手を経て、株式会社「布」の設立に参加。現在、取締役デザインディレクター。東京造形大学教授。毎日デザイン賞、ロスコー賞，JID部門賞等受賞。英国UCA芸術大学より名誉修士号授与。作品は国内外で高く評価されており、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ビクトリア＆アルバート美術館、東京国立近代美術館等に永久保存されている。近年の代表作はマンダリンオリエンタル東京でのテキスタイルデザイン。

ナガオカケンメイ｜NAGAOKA Kenmei
D&DEPARTMENT PROJECT代表取締役会長、d design travel編集長。1965年北海道生まれ。日本デザインセンター原デザイン研究所を経て、2000年、東京・世田谷にロングライフデザインをテーマとするストアインフラをイメージした新業態「D&DEPARTMENT PROJECT」を開始。同時にデザイナーの目線で、一人称で書くトラベル誌『d design travel』を、47都道府県分を取材、執筆、発行。2011年から渋谷ヒカリエ「8/」のフロアディレクションと同時に、プロジェクトの総本山的な空間「d47」をオープン。ストア、ミュージアム、食堂を展開する。

平沼孝啓｜HIRANUMA Kohki
建築家。1971年大阪府生まれ。主な建築作品として、デザイン・リサイクル・ショップ「D&DEPARTMET PROJECT」のコンバージョン作品、2008年に東京大学 駒場キャンパスに設計した環境型建築「東京大学くうかん実験棟」など。コンセプチュアルな作品での実験的なデザイン提案が、海外でも高い評価を受ける。日本建築士会連合会賞、日本建築学会作品選奨ほか、グランドデザイン国際建築アワード（イギリス）、イノベイティブ・アーキテクチュア国際建築賞（イタリア）など10カ国で70を超える受賞歴をもつ。現在、大阪大学などで教鞭も執る。