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ART
2015年1月16日
“KAKERA” EXHIBITION|「カケラ。」展
“KAKERA” EXHIBITION|「カケラ。」展
震災復興支援展覧会
宮城・石巻市の子どもたちによる「カケラ。」展とは
東日本大震災のガレキの中からさまざまな“カケラ”を拾って、宮城・石巻市の小学校の子どもたちが作品を作った。ガレキの山はゴミの山ではない、誰かが大切にしていた暮らしのカケラである──そんな思いが込められた作品が、見る者の胸を打つ。
Text by OPENERS
“震災を忘れない”ための純粋なメッセージ
12月5日より丸の内ハウスで開催中の「カケラ。」展が話題となっている。宮城県石巻市の、渡波(わたのは)小学校の子どもたちが、ガレキの中から拾ったカケラを集めて作った作品を展示。その子どもたちの作品を通じて、震災支援のメッセージを伝える試みだ。
企画とプロデュースは、著名な雑誌やウェブサイトのデザインを手がけるダイアモンドヘッズのディレクター、小野光治氏である。「震災が起きてから5月くらいまでは、『小さくてもできることは何か』だけを考えて、自分のやっていることに疑問は感じませんでした。でも7月頃被災地に行ったときに、あまりに状況が混沌としていることに戸惑ったんです。喜んでもらえると思っていたことが迷惑だったり、支援金のゆくえだったり、支援物資が余っていたり……」
そんな時に出会ったのが、拙くもユーモアがあり、明るさとあたたかみを感じさせる、ガレキから作られたオブジェの数かずだったという。「こういった作品を見て、とにかくこの震災を忘れないきっかけになるかな、と思ったんです。チャリティではなく、ただただメッセージとして伝えられるんじゃないかと」
会場に募金箱などは設置せず、物販による収益を支援にまわすなどの活動もあえてしていない。スポンサーも募らなかった。ただ純粋に、作品から発せられるメッセージとエネルギーを感じてもらうための展覧会なのである。今月13日までと、約一週間という短い会期だ。お見逃しなきよう。