Diary-T 137  つくす。
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2015年5月8日

Diary-T 137  つくす。

Diary-T

Diary-T 137  つくす。

文・アートワーク=桑原茂一

これはいったい、どんな種類の冗談なんだ?――

わずか1時間ほどで読み終わる短篇小説を、11年余の時間を費やして読み解きながら、「読むことの停滞」を味わいつくす文学エッセイ。アマゾン内容紹介より。

「時間のかかる読書―横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず 」宮沢章夫著

虚をつかれた。宮沢章夫の最高峰の笑いがここにあった。あっと驚く為五郎~
この言いまわしはないなぁ~、ポテチン!もうやめとこ。で、
宮沢章夫著読覇率77%辺りを自認する私だが「声を出して笑う本」の自己認識比トップを維持する宮沢章夫のなかでもこの作品はあっさりてっぺんだと思う。
思い返せばその昔「牛への道」で腹を抱えた宮沢章夫の笑いの世界は未だに私のなかでは他の追従を許さない。
あえていえば、「からくり民主主義」や「ご先祖様はどなた様」の高橋 秀実さんにも最近はわらかせていただいているが……
つまり虚の笑いとは、川辺の小石を地道にぎりぎりに積み上げ、もうここぞと言うときにがらがらと崩れ落ちてしまう笑いとでもいえば、分かるひとにしか分からないか……だからその笑わせようという魂胆がみじんもないということだ。
丁寧に丁寧に前技してしまうおとなの余裕というか恐れというか……少し遠いな、お寺の長い廊下を一心不乱にぞうきんがけをしている見習いのお坊さんが勢い余って廊下の先へ消えてしまった風景を、ぼぉ~と見送るような気分というのも、だいぶ魂胆が見えてしまったな。うーん、まずは何も考えずに人間を一心不乱に懸命に描写する。事実をこれでもかと積み上げる。取材の裏をしっかりどっさりあきらめずに探る。そしてその膨大な塊を前にして存分に考え尽くす。考えて考えて考える人こそが図らずも笑いを出現させてしまう。ふ~。そういうことだ。
宮沢章夫、高橋 秀実、私の知るかぎり今もっとも上質な笑いを生み出す作家たちだ。

COMEDY CLUBKING

エンライトメントがcomedyclubkingのために制作した作品を少し遊んでしまいました。

comedyclubking
http://www.youtube.com/watch?v=v3hRY1R9jwc&feature=youtu.be

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