Diary-T 135 五日後
Lounge
2015年5月8日

Diary-T 135 五日後

Diary-T

Diary-T 135 五日後

文・アートワーク=桑原茂一

「いったいどうやったら、話をでっちあげて小説にまとめることなんかできるんですか?」

「でっちあげることはないんです」ふたつの口が冷ややかに言った。

「思い出すんです。一度も起こったことのないことを思い出すんですよ。あなたがわたしの小説を読んだときにそうするように」

「天国の発見」ハリー・ムリシュ著

こんな本を読まなければこんなことにはならなかったにちがいない。

こんなこととは、俺にも小説が書けるんじゃないかと思ってしまったことだ。

もっといえば書くから俺の本を出してくれって古くからの友人の出版社の社長に頼んだうえに印税の前払い金として一億の金を借りてモナコと済州島( チェジュ)とマカオのガジノですってしまい。

小説を書かなかったらちゃんと返す約束の期日があと五日後に迫っていることだ。

しかも、俺の小説を一番最初に読ませるからといって女を口説いたのはいいが思いがけず孕ませてしまい結果引くに引けなくなってその女との結婚式が実はあと五日後に迫っているということだ。

そのうえ、あるヤミ金融事件に友人のプロダクションの社長が巻き込まれ、殺されそうだと悩みを打ち明けられ仕方なく手を貸す羽目になったがそれが露見すれば俺も刑務所行きは免れないのだが、その時候があと五日に迫っていると昨日そいつから電話があったということだ。

とここまで書いてしまえばなんだ嘘かと誰しも考えるだろうからまさしく嘘なんだが、本当のことがないわけではないんだ。

それは気がついたらハニカムの百日ブログがあと五日で終わるということなんだ。五日後って感じの、このソワソワ感はこの百日ブログに参加させてもらうことがなければ経験できなかったことだから、それはそれでありがたいことなんだが、

このソワソワ感をどうすれば伝えられるのかを考えてたらこんなくだらないことを書いてしまったということは本当なんだよ。

だから例えば画像で表現できないかと思ってやってみたのがこれなんだが、

最初撮った一枚の写真がどんどん増えていっていつのまにかもとの画像が消えてしまい。私はいったい何をしたかったのだ?という疑問だけが木霊している感じといえばわかるだろうか。

だからつまりブログがあと五日で終わってしまうんだな、百日修行もあと五日でお終い。という、ほっとするような、名残惜しいような、今日は、まぁ、そんな感じだ。

ハニカム選画百 005

← Diary-T 134~138

購入はこちらから
http://ckstore.shop-pro.jp/?pid=35174636

           
Photo Gallery