松浦俊夫|テリー・キャリアーを偲んで
松浦俊夫|from TOKYO MOON 11月12日 オンエア
テリー・キャリアーを偲んで
日曜の夜、上質な音楽とともにゆったりと流れる自分だけの時間は、おとなたちの至福のとき。そんな時間をさらに豊かにするのが、DJ松浦俊夫によるラジオプログラム『TOKYO MOON』──。彼が世界中から選りすぐったすばらしい音楽や知的好奇心を刺激するおとなのためのトピックスを、毎週日曜日Inter FM 76.1MHzにて24時からオンエア。ここでは、毎週放送されたばかりのプログラムを振り返ります。今週は、先月28日に67歳でこの世を去ったテリー・キャリアーを偲んでお届けします。
Text by MATSUURA Toshio
フォーキー・ソウルの“オリジネーター”テリー・キャリアー
フォークやソウル、そしてジャズを融合させた独自の音楽性で日本にも多くのファンを持つシカゴ出身の吟遊詩人、テリー・キャリアーが先月28日に67歳で惜しくも亡くなりました。
1962年、チェス・レコーズのオーディションでプロデューサー/アレンジャーのチャールズ・ステップニーに見出されてデビューし、その後ジャズの名門プレスティッジからアルバムを発表。70年代前半にチャールズと組んで制作した3枚のアルバム『Occasional Rain』『What Color Is Love』『I Just Can't Help Myself』は、フォーキー・ソウルと呼ぶべき独自の音楽性を確立し、現在もレア・グルーヴの名作として語り継がれています。
その後80年代に入り長き不遇の時代を過ごすも、その後DJとクラブ・シーン主導で再評価の動きが高まると、音楽シーンに見事カムバックし新作を発表するに至りました。2001年には初来日も果たし、公演は若い世代を中心とした観衆で大盛況となりました。翌年には、このときの思い出を綴った「Tokyo Moon」という曲を発表。このあまりにもやさしい歌声に魅了され、このラジオ番組をスタートする際、番組名をここから拝借したのでした。
まだまだ活躍出来ると思っていただけにとても残念です。謹んで故人のご冥福をお祈りします。
REVIEW|TRACK LIST
01. Terry Callier / Tokyo Moon (Mr Bongo)
02. The Greg Foat Group / Girl and Robot With Flowers (Part 1) (Jazzman)
03. Lee Foss & MK / Electricity (Hot Creations)
04. FaltyDL / Straight & Arrow (Ninja / Beat)
05. Electric Empire / Always -Joey Negro Classic Mix (Z Records)
06. Terry Callier / I Don't Want to See Myself Without You (Erect)
松浦俊夫『TOKYO MOON』
毎週日曜日24:00~24:30 ON AIR
Inter FM 76.1MHz
『TOKYO MOON』へのメッセージはこちらまで
moon@interfm.jp
Inter FM 76.1MHz
www.interfm.co.jp